原題 ; THE 7TH VOYAGE OF SINBAD(1958) |
監督 ; ネイザン・ジュラン |
脚本 ; ケネス・コルブ |
音楽 ; バーナード・ハーマン |
出演 ; カーウィン・マシューズ、キャスリン・グラント、トリン・サッチャー |
「アルゴ探検隊の大冒険」と並ぶレイ・ハリーハウゼンの代表作。 婚約者であるチャンドラ国のパリサ姫(キャスリン・グラント)を乗せて航海中のシンドバッド(カーウィン・マシューズ)は食糧と水が尽きかけていた。島を発見して上陸、食糧と水を調達する。 その島には巨大な足跡と遺跡が存在した。シンドバッドが遺跡に入ろうとすると、魔術師(トリン・サッチャー)が逃げ出してきた。 魔術師を追って現われたのは一つ目の巨人サイクロップス。魔術師はランプの妖精ジンを呼び出してバリアを張らせる。 シンドバッドは、その間に島を脱出しようとするが、サイクロップスが巨石を投げたためボートが転覆してしまう。 ランプはサイクロップスの手に渡ってしまった。 魔術師の名はソクラ。彼は船を買い取って島に戻ろうとする。だが、シンドバッドはバグダッドに急がねばならず、要求を断った。 そしてバグダッド。ソクラは王に島への遠征を申し出るが却下された。 ソクラはバグダットとチャンドラの友好を祝う宴で、魔術を披露するよう申し付けられる。 パリサ姫の侍女サディと蛇を大きな壷に入れて、4本腕に蛇の尻尾を持つ妖女に変えてしまう。 妖しく踊る妖女。だが、尻尾が自分の首に絡みついてしまう。急いでソクラは術を解いた。 王たちは両国の未来を占うよう要求する。ソクラはバグダッドとチャンドラの戦争を予言した。 結婚式も行われないという言葉に激怒するシンドバッド。王はソクラを追放する。 夜中、宮中に忍び込んだソクラは魔法でパリサ姫を小さくしてしまう。 翌朝、シンドバッドたちは姫を見て驚く。 真相を知らないシンドバッドはソクラに相談する。彼は巨大鳥ロックの卵の殻が手に入れば悪魔封じの秘薬が作れると言う。 シンドバッドは死刑囚から有志を募って船員を揃え出航する。囚人たちは船の乗っ取りを計画していた。 やがて叛乱が起き、ソクラが人質にとられたため、シンドバッドはやむなく降伏する。 シンドバッドたちは船倉に閉じ込められた。 船が悪魔の叫びが聞こえる海域に近づく。船員が悪魔の叫びに惑わされた船は、座礁し大海蛇の餌食となるのだ。 ソクラの言葉にシンドバッドたちは、耳に布を詰め蝋(ろう)で栓をして叫びが聞こえないようにした。 囚人たちが悪魔の叫びに惑わされたとき、シンドバッドは船を取り返すことに成功する。 島に到着した一行は二手に分かれて巨大鳥ロックのいる谷を目指す。 シンドバッドの一行はサイクロップスの住み処を通る。囚人たちは財宝を見つけて大はしゃぎ。 そこにサイクロップスが戻ってきた。全員が捕まって檻に入れられてしまう。 騒ぎを聞きつけたソクラだが、シンドバッドを見殺しにしようとする。 シンドバッドは小人状態のパリサ姫を檻の上に乗せて閂(かんぬき)を外させる。 ソクラは魔法のランプを見つけ出したが、サイクロップスに追われ結局シンドバッドに助けられた。 シンドバッドは松明(たいまつ)でサイクロップスの目を突く。目の見えなくなったサイクロップスを崖に誘いこんで落すことに成功した。 ソクラを信用できなくなったシンドバッドは、魔法のランプを自分が持つことにする。 生き残った一行はロックの巣に辿り着いた。卵が割れて双頭のヒナが生まれた。 腹が減ったシンドバッドの部下たちはヒナを殺してしまう。 魔法のランプの扱い方はソクラしか知らない。パリサ姫はランプの中に入ってジンと話をすることにした。 ジンはランプから出て自由に生きることに憧れていた。ジンが人間に戻るためには、バラーニという本名で呼ばれ、呪文の内容が実行される必要があった。 パリサ姫はジンの力になることを約束し、彼を呼び出す呪文を聞きだす。 そのときロックの親鳥が帰ってきて一行に襲いかかる。シンドバッドはランプを持ったまま岩山の頂上にある巣へと連れ去られた。 残ったパリサ姫はソクラに捕まってしまう。 シンドバッドは巣から降りて元の場所に戻るが、姫とソクラの姿はなく、部下の死体のみが残されていた。 ジンを呼び出すとソクラたちは彼の地下城にいると教えられた。 地下城の入り口には鎖につながれたドラゴンがいる。鎖を巻いてドラゴンの動きを封じ、通り抜けたら鎖を元に戻す仕組みだった。 ソクラの元にやって来たシンドバッド。ソクラはランプと交換に姫を元に戻すと言う。 ソクラは秘薬を調合し、パリサ姫を元に戻す。シンドバッドは船に戻ったときランプを渡すことにした。 ソクラは骸骨戦士を立ち上がらせ、シンドバッドを始末しようとする。 剣の戦いが展開。シンドバッドは骸骨戦士を階段から突き落とし砕くことに成功した。 シンドバッドとパリサ姫はジンの助力を得て脱出する。途中、溶岩が川となって流れる場所を越えた。 「火の岩に落せ」ジンを人間に戻す呪文を思い出したパリサ姫は、そこにランプを投げ込む。 ドラゴンの鎖を巻いて出口を目指す。だが、出口にはサイクロップスが待ち構えていた。 シンドバッドはドラゴンを解き放ち、サイクロップスと闘わせる。 激しい戦いの隙に逃げ出す二人。勝利を収めたのはドラゴンだった。 ソクラはドラゴンを従えてシンドバッドを追ってくる。浜辺に着いたシンドバッドは大弓でドラゴンを射た。 ドラゴンが倒れ、ソクラは下敷きとなって死んだ。 一行はボートで島を発つ。一度は起き上がったドラゴンも浜辺で力尽き息絶えた。 船上でパリサ姫は死んでいった部下たちやバラーニのことを悲しむ。 そこに自分の名を呼ばれて人間の少年となったバラーニが姿を現した。 船室にはシンドバッドとパリサ姫への結婚祝いとして、バラーニが運び込んだサイクロップスの宝が山積みされているのだった。 ストーリーを魔術師ソクラとの闘いに絞り込んでいるので、まとまった作品に仕上がっている。 ラストもきっちりハッピーエンドで、気持ちのいい冒険ファンタジーとして完成している。 ストップモーション・アニメによる見せ場も多く、特に印象的なのが骸骨戦士。 評判が良かったらしく5年後の「アルゴ探検隊の大冒険」では骸骨戦士を7体に増やして暴れさせている。 スパイ・キッズのシリーズにも骸骨戦士にオマージュをささげた描写があった。 初公開時は「シンバッド七回目の航海」だったらしい。どうしてSINBADと綴ってシンドバッドと表記するのか、いまだによく分からない。 |