原題 ; SINBAD AND THE EYE OF THE TIGAER(1977) |
監督 ; サム・ワナメイカー |
脚本 ; ビヴァリー・クロス |
音楽 ; ロイ・バッド |
出演 ; パトリック・ウェイン、ジェーン・シーモア、タリン・パワー |
シンドバッド(パトリック・ウェイン)が上陸すると町は疫病で封鎖されていた。 夜は町に入れないからと商人のキャンプに誘われる。勧められた酒には毒が入っていた。 そこに魔女が現われ、3体の魔物を召喚してシンドバッドを襲わせる。 斬っても死なない魔物をシンドバッドは積んであった丸太を崩してつぶす。 シンドバッドは途中で出会ったファラー姫(ジェーン・シーモア)とともに船に戻る。 ファラー姫の兄、カシム王子が戴冠式の日に顔を出せなくなったのだという。 シンドバッドは伝説の賢者メランシアス(パトリック・トラウトン)であれば王子が救えるかもしれないと考える。 そこに王の後妻ゼノビア(マーガレット・ホワイティング)が現われた。サソリよりも危険な悪女である。 カシムは7度目の満月までに即位しなければ継承権を失ってしまう。ゼノビアはそれを狙っていた。自分の息子ラフィ(カート・クリスチャン)を王位につけようというのである。 急いで出航するシンドバッド。積荷の中にはなぜか一頭のヒヒもいた。 ゼノビアは魔法で黄金のミナトンを動かす。 船員のハッサンが姫の船室を覗くと姫とヒヒがチェスをしていた。シンドバッドは、このヒヒこそ魔法で姿を変えられたカシム王子であることを明かす。 ゼノビアとラフィもミナトンに船を漕がせ後を追っていた。 島に上陸したシンドバッドはブロンドの美女ディオーネ(タリン・パワー)に迎えられる。 ディオーネはメランシアスの娘で、父とテレパシーで交流することが出来た。 姫以外にはなつかなかったヒヒのカシムだが、ディオーネにだけは妙に甘える。 メランシアスは賢者のくせにヒヒが王子だとなかなか信じない。ヒヒが鏡に写った自分を攻撃しないのを見て、ようやく知能があると信じる。 カシムを助けるには、変身の秘術を知る賢者アリマスパイが住んでいた北方の秘境ハイパボリアに行かなければならない。 メランシアス父娘も同行することになった。 日にちがたつほどカシムは人間の心を失ってしまう。シンドバッド一行は潮の流れに乗って航海を急ぐ。 ゼノビアはカモメに変身して空を飛び、シンドバッドの船に潜り込む。 ゼノビアに気づいたカシムは、檻を破って暴れ出す。おかげでメランシアスたちはゼノビアを捕まえることできた。 メランシアスは小形化しているゼノビアをガラス瓶に入れ、王子を変身させた術を聞き出そうとする。 メランシアスはゼノビアが落とした首飾りを見つける。その中には変身の秘薬が入っていた。 不用意に秘薬を蜂に使ったメランシアスは、巨大化した蜂に襲われてしまう。その隙に瓶から出たゼノビアは秘薬でカモメになり逃げてしまう。 ラフィは帰ってきたカモメを最後の秘薬で元に戻そうとするが、薬が足りなかったため、ゼノビアの右足は水かきのついた鳥の足のままになってしまった。 シンドバッドの船は氷山の浮かぶ北海に到着した。海は氷に閉ざされ一行はソリに乗り換えて進んでいく。 一行は氷を突き破って現われた巨大セイウチの攻撃を受ける。犠牲者を出しながらも追い返した。 ついにシンドバッドたちはハイパボリアを見つけた。その一帯だけは緑におおわれている。 カシムは肉食化し、言葉にも反応しなくなっていた。 湖で水浴びしていたファラーとディオーネが一角の巨人に襲われた。攻撃しようとするシンドバッドをメランシアスが押しとどめる。 メランシアスは巨人が人間の祖先で言葉は持たないが、女には優しいのだという。 巨人はディオーネが近づくとおとなしくなる。しかもどういうわけかカシムのヒヒ語は通用した。 メランシアスは巨人にハイパボリアの入り口へ案内してもらう。 一方、ゼノビアたちも地下水路に到着していた。 シンドバッドたちは神殿の門に到達。最初は恐れて近づかなかった巨人が門を開ける。内部は4元素の神殿だった。 地下から先回りしたゼノビアは入り口なきピラミッドに魔法で入り口を作る。巨石を引き抜いたミナトンは、そのまま下敷きになった。 ミナトンの最期に「役目は終わった」と冷酷なゼノビア。ラフィとともにピラミッドの内部に入っていく。 ピラミッドが開いていたので、メランシアスはゼノビアに後れを取ったことを知り悔しがる。 神殿に設置された檻にカシムを入れて引き上げ、光にあてれば人間に戻すことが出来るのだ。 そこにゼノビアたちが現われた。剣を抜いて襲いかかったラフィは、あっけなくカシムに殺されてしまう。 嘆き悲しむゼノビア。 ピラミッドが崩壊し始める。メランシアスはあわててカシムを檻に入れた。シンドバッドが鎖を引いて檻を吊り上げていく。 青白い光を浴びたカシムは人間の姿に戻ることが出来た。 ゼノビアは魔力を使って氷漬けになっていた神殿を守護するサーベルタイガーに乗り移る。 氷を割って飛び出したサーベルタイガーと一角の巨人が闘う。巨人はサーベルタイガーの牙に敗れた。 槍を手に挑んだシンドバッドは、サーベルタイガーを串刺しにする。魔女ゼノビアの最期だった。 シンドバッドたちは崩れゆく神殿から、負傷したハッサンを連れて脱出する。 こうしてカシム王子は無事戴冠式を執行し、新王となることが出来たのだった。 今回はヒヒに変身させられな王子を元に戻す秘法を求める航海。 前2作に比べると見せ場に欠け、やや平板な印象ではある。 ヒヒやセイウチまでストップモーション・アニメで見事に動かして見せるが、モンスターの登場シーンはやや少なめ。 せっかくのミナトンも、船を漕ぐくらいであまり活躍せず残念。ミナトンについては、予算の都合で出番が短くなったという記事を読んだことがあるが、真偽のほどは定かでない。 二人のヒロインを登場させたにも関わらず、ドラマ的な盛り上がりにも欠ける。 主演のパトリック・ウェインはジョン・ウェインの息子。タリン・パワーはタイロン・パワーの娘だが、二人とも実績は残せなかった。 退屈な作品というわけではないし、ストップモーションアニメもきっちり楽しめるのだが、強く印象に残る場面がない。 シリーズ最後となった本作と同じ年に特撮映画の流れを変えた「スターウォーズ」が製作されたことは、なんだか時代の変遷を象徴しているようにも感じられる。 |