原題 ; INFERNO(1980) |
監督 ; ダリオ・アルジェント |
脚本 ; ダリオ・アルジェント |
音楽 ; キース・エマーソン |
出演 ; リー・マクロスキー、アイリーン・ミラクル、アリダ・ヴァリ、ダリア・ニコロディ |
「サスペリア」の続編として作られた3母神3部作の2作目。 4月のニューヨークでローズ・エリオット(アイリーン・ミラクル)はE.ヴァレッリによる3母神に関する書物を読んでいる。 建設家ヴァレッリは3母神の依頼でローマ、ニューヨーク、フライブルグに家を建てた。 3母神は世界を滅ぼそうとする災いの女神。最年長の溜め息の母がフライブルグに、最も美しい涙の母がローマに、最も若くて残虐な暗黒の母がニューヨークに住んだ。 彼女らの住み処周辺は腐敗が進み悪臭が漂う。それが第一の鍵。 第2の鍵は地下室にある住む者の名が記された肖像画。 そして第3の鍵は靴底の下にあるという。 ローズは自分の住むアパートが暗黒の母の住み処ではないかと疑い始め、弟マークに手紙を出す。彼女は書物を買った書店主カザニアンを訪ねるが、さしたる収穫はなかった。 ローズは第2の鍵を求めてアパートの地下室に忍び込む。地下にたまった水の中にキーホルダーを落した彼女は、大胆にも水中に潜っていく。 水没した部屋の中でローズは暗黒の母の肖像画を見つける。彼女がキーホルダーを拾ったとき、腐乱死体が漂ってきた。 パニックに陥ったローズは、なんとか天井の穴にたどり着き脱出する。 まあ、地下に水が溜って死体まで漂っているのだから、魔女がいなくても悪臭がしてあたりまえという気はする。 ローマで姉の手紙を受け取るマーク。彼が置き忘れた手紙を読んだ女友達のサラは図書館で3母神について調べる。 閉館時間が来て館内で迷ったサラは不気味な男に追われ逃げ出す。 サラはエレベーターで知り合ったスポーツ記者カルロと自室に戻る。彼女は電話でマークを呼ぶ。 突然停電してしまい、配電盤を見に行ったカルロは包丁で首を刺されて死ぬ。逃げ出そうとしたサラも背中を刺されてしまう。 マークがやってきたが残されていたのは姉の手紙の断片だけ。そこに血まみれのサラが倒れこんできた。 警察が来るが、なぜかマークはろくに事情聴取もされない。彼は姉に電話するが途中で切れてしまう。 ローズは嵐の中、何者かにガラスで首を切られて死んだ。 そうとは知らず姉のアパートを訪ねるマーク。そこで彼は車椅子のアーノルド教授と上階に住む病弱なエリーゼに出会う。 マークはエリーゼからローズが3母神のことを調べていたと聞かされる。 アパートを調べていたマークは突然苦しみだす。彼を探していたエリーゼは、何者かに床を引きずられるマークを窓越しに見つける。 あわてて駆けつけようとしたエリーゼは、猫の群れに襲われた。そこをナイフで刺されてしまう。 管理人のキャロルとアーノルド教授の看護婦に薬をもらったマークは、翌朝には回復する。 カザニアンに会ったマークは、今夜が46年ぶりの皆既日食であることを知らされた。 キャロルの飼い猫に悩まされ続けたカザニアンは、捕まえた猫を布袋に入れてセントラルパークの池に沈める。足の悪い彼自身池にはまり、ネズミにかじられてしまう。 叫び声を聞いて駆けつけたホットドッグ・スタンドの親父が、いきなり包丁でカザニアンの首に斬りつけとどめを刺す。この親父、一切正体不明。この場面しか出てこない。 キャロルは、エリーゼの執事ジョンとグルになって彼女の残した貴重品を横領する。 ジョンは眼球をくり抜かれて死に、キャロルはローソクの炎が燃え移り火だるまとなって吹き抜けを落下した。 アパートには火が燃え広がっていく。マークは第3の鍵を突き止めようと床を壊していた。彼は床と下の階の間に低い別なフロアが設けられているのを発見する。 潜り込んで探っていくマーク。彼はアーノルド教授の部屋に出た。アーノルド教授こそヴァレッリだった。 ヴァレッリはマークに毒を注射する。マークに突き飛ばされたヴァレッリは車椅子が倒れたはずみに、コードが首に絡んで死ぬ。 毒を吸い出したマークは、暗黒の母の部屋に出た。暗黒の母は死神の正体を現しマークに迫る。 燃えさかるアパートを逃げまどうマーク。玄関を出たマークが振り返ると、建物全体が燃え上がっていた。 その中で暗黒の母は炎に包まれていくのだった。 アメリカ資本で製作して「難解だ」とか口を出されたこともあり、かなり難行した作品らしい。そのため版権についてもこじれたのか、DVD化が遅れていたが、今回ようやく発売が決まった。ついでに「四匹の蝿」もDVD化してほしいところ。 長らくシリーズ3作目が未製作だったが、今年(2007年)になってついに第3作「Mother of Tears: The Third Mother(英語タイトル)」がアーシア・アルジェント主演で作られた。 ストーリー的には混乱しているが、キース・エマーソンの音楽や、二重構造になったミステリアスなアパートなど、魅力的な点もあって捨てがたい。 ただ、クライマックスは第1作の「サスペリア」以上に腰砕け。世界を滅ぼそうという災いの女神が火事に巻き込まれて滅びるというのは、情け無さすぎる。 |