原題 ; JASON AND THE ARGONAUTS(1963) |
監督 ; ドン・チャフィ |
脚本 ; ジャン・リード、ビヴァリー・クロス |
音楽 ; マリオ・ナシンベーネ、バーナード・ハーマン |
出演 ; トッド・アームストロング、ナンシー・コヴァック、オナー・ブラックマン |
「シンバッド7回目の航海」と並ぶレイ・ハリーハウゼンの代表作。 預言者が世界の果てに大木があり、その木に羊の頭と黄金の毛皮がかかっていると告げる。 ペライアスはアリスト王を倒しテッサリー王国を征服しようとしていた。 だが、予言ではぺライアスがテッサリーを征服しても、アリスト王の息子ジェイソンに奪い返されると出る。 ぺライアスは子供を殺すことを誓う。 ぺライアス軍は王宮を襲い、女神ヘラ(オナー・ブラックマン)の神殿でジェイソンの姉ブライシーズを殺す。 そこに現れた女神ヘラは、難を逃れたジェイソンが片足裸足で復讐に現れると告げる。 天界に戻ったヘラは、自分の神殿が血で汚された怒りをゼウスにぶつけた。 ジェイソンを手助けするというヘラに、ゼウスは神殿でブライシーズがヘラの名を唱えた回数の5回だけジェイソンを助ける力を与える。 20年の月日が経った。ぺライアスの馬がヘラに脅され、彼は河に転落。 水に飛び込んでぺライアスを救った若者(トッド・アームストロング)は、履物が脱げ片足裸足になっていた。 若者はペライアスの宮殿を目指しているという。彼こそジェイソンであることを察したペライアスは、キャンプに連れて行き歓待する。 ジェイソンはテッサリー王国を取り戻そうとしていた。彼はその奇跡を起こすため世界の果てにある黄金の毛皮を探し出そうとしている。 黄金の毛皮には平和と繁栄をもたらす力があると言い伝えられていた。 ペライアスは、ジェイソンが自分の正体に気づいていないのをいいことに、まず毛皮を探す旅に出るようすすめる。 ペライアスは息子のアカスダスをジェイソンに同行させた。 ゼウスはヘルメスにジェイソンをオリンポスに連れてこさせる。ヘラはジェイソンに世界の果てコルキスを目指すように言う。 ジェイソンはゼウスの助力申し出を断わり、自らの力で最も頑丈な船を作らせ、競技会で選抜した屈強な乗組員を連れていくと宣言する。 競技の優勝者たちが乗組員といして選ばれ、その中にはアカスタスもいた。 最強の男ヘラクレスと機知に富んだハイラスも加わる。 船は建造者にちなんでアルゴ号と名づけられ、ヘラをデザインした船首像は船の進行方向ではなく甲板側を向いて取り付けられていた。 いよいよアルゴ号は出向。雨が降らず、水が足りなくなった。 ヘラはジェイソンに、船を北にあるブロンズ島に向かわせるよう助言する。これが3っつ目の手助けだった。 その島についたら飲み物と食料は自由にしていいが、その他の者に手をつけてはいけない。ジェイソンは乗組員に厳命する。 島には巨大な青銅像がそびえ、中でもティロス像は迫力がある。 ヘラクレスとハイラスは島の宝物殿を見つけた。ヘラクレスはハイラスの忠告を聞かず武器に使えそうな宝物を持ち出してしまう。 するとティロス像が動き出す。 アルゴ号に食料と水を積み込む一行にティロス像が襲いかかってきた。ティロスは入り江に先回りして待ち構える。 アルゴ号は持ち上げられ船員たちは海に投げ出されてしまった。 ジェイソンはヘラに助けを求める。ヘラはティロスの足首に注意するようヒントを与えた。 命からがら海岸に辿り着いた乗組員をティロス像が襲う。ジェイソンはティロスの足首に栓のようなものがあることに気づいた。 ジェイソンがそれを外すと熱湯が噴き出し、ティロス像はひび割れ、倒れていく。槍を取りに戻ったハイラスは下敷きになってしまう。 やがてアルゴ号が再建された。ハイラスは見つからず、罪の意識にさいなまれたヘラクレスは一人島に残る。 他の者も島にとどまろうとしたので、ジェイソンはヘラの船首像にお告げをさせる。 これがヘラにできる最後の手助けだった。ヘラはハイラスの死を告げ、ゼウスの指名で残るヘラクレス以外はフリジアに向かうよう教える。 フリジアには2匹のハーピーに襲われる盲目の老人がいた。彼の名はフィニアス。ゼウスに授かった予言の力を悪用して罰せられているのだ。 フィニアスはハーピーを退治してくれたら予言するという。 ジェイソンたちは2匹のハーピーを網で捕らえることに成功。生け捕りにした。 フィニアスは吠える岩を通って西北にいけば5日でコルキスに着けるという。一行はフィニアスにお守りをもらって出発した。 吠える岩は、両側を岩壁に挟まれた水路で一見何もないようだった。しかし、一隻の船が前方からやってくると状況は一変する。 突然岩壁が崩れ始めたのだ。前方の船は瞬く間に沈んでいく。 ジェイソンは船を進める。再び岩壁が崩れ始めた。ジェイソンがフィニアスに貰ったお守りを海中に投げ込むと、それは巨人トリトンと化し崩れる岩壁を支える。 乗組員はアルゴ号を全力で漕ぎ、海路を通り抜けた。 ジェイソンは先ほど難破した船の生存者3人を救助する。その一人美女メディア(ナンシー・コヴァック)は女神ヘカーテに仕える神官だった。 街を侵略するかどうかで意見の分かれたジェイソンとアカスダスが争いになり、アカスダスは海に落ちて行方不明となる。 上陸した一行はメディアと別れ、神殿でヘカーテに捧げる踊りを見物。 ジェイソンはコルキス王エイーティスの歓待を受ける。だが、エイーティスはジェイソンが黄金の毛皮を探していることを知って罠にかけたのだった。 エイーティスに全てを密告したのはアカスタスだった。ジェイソンは彼がペライアスの息子であることを知る。 メディアは王を裏切り、捕まったジェイソンを助ける決意をした。彼女は毛皮を諦めて帰るよう頼むが、神の命と信じるジェイソンは聞き入れない。 結局メディアはジェイソンと同行することにした。 エイーティスは陸路でアルゴ号を追う。ジェイソンはついに毛皮を見つけるが、7つの頭を持つ竜ハイドラに襲われる。 なんとか剣を突き刺してハイドラを倒したジェイソン。一行は毛皮を手に入れることができた。 そこにエイーティスの軍が迫る。ハイドラの死体を見つけたエイーティスはヘカーテに祈り、ハイドラの歯に呪いをかけた。 メディアが敵の矢を受けてしまうが、毛皮の力で復活する。 追いついたエイーティスがハイドラの刃を投げた。すると地中から次々と骸骨戦士が立ちあがる。 7体の骸骨戦士がジェイソンたちに襲いかかった。二人の仲間がやられたが、ジェイソンは崖から海に飛び込み、無事アルゴ号に乗り込むことができた。 ゲームの勝利を喜ぶヘラに、ゼウスはまだまだジェイソンの冒険は続くのだという。 船上にはメディアと口づけを交わすジェイソンの姿があった。 スケール感のある設定だが、黄金の毛皮を手に入れるまでで終わってしまい、仇敵ベライアスとの戦いが描かれないので、やや中途半端な印象を残してしまうのが残念。 レイ・ハリーハウゼンのストップモーション・アニメに関しては絶頂期の素晴らしさを感じさせる。 特にクライマックスにおける7体の骸骨戦士は圧巻。 また青銅像ティロスもインパクトたっぷり。「シンドバッド黄金の航海」のカーリ像や「シンドバッド虎の目大冒険」のミナトンなど、生命を持たない無機物を動かすのは、レイ・ハリーハウゼンの得意技の一つ。 CGがない時代における冒険ファンタジーの代表作として、必見の作品であることは間違いないと思う。 |