原題 ; THE ADVENTURE OF VAMPIRE(1989)
 監督 ; ロー・チャン
 脚本 ; ウー・ウェン・リン
 音楽 ; シャイ・ヨー・ロウ
 出演 ; リン・シャオロウ、ウー・マア
「新・桃太郎」シリーズのリン・シャオロウを主演に、超能力を持ったキョンシーの子供とともにマンガ本の世界に入った二人の子供の冒険を描いたスチャラカコメディ。
シャオ・チェンは、妻に逃げられた酒飲みの父親と二人暮し。
近所にある幽霊屋敷と呼ばれる邸宅に金持ちの家族が越してきた。
その子供ミン(リン・シャオロン)とタイの姉弟は家の中で「キョンシー交心術」という書物を見つける。
チェンは二人を地下室に案内。三人で屋敷を探検する約束をした。
父親は請け負った屋敷の改装が終わったら、母さんに会わせるとチェンに言う。チェンは母さんなんていなくてもへっちゃらだと強がる。
本でキョンシーは話すことはできないが、霊能力で交信することができると知ったタイは呪文を唱えてみる。するとキョンシーの声が聞こえた気がした。
チェンたちは、キョンシーが地下室に閉じ込められていると考え、調べにいく。
キョンシーの声を聞くことができるのは、タイだけだった。夢の中でキョンシーに会えると言われた三人は早くから寝てしまう。
三人は、地下室に置かれた箱の中にある黄金の鍵で扉を開けることができるという同じ夢を見た。
チェンは家を抜け出してミンたちと合流、屋敷の地下室に潜り込む。
黄金の鍵を見つけた三人が扉を開けると、そこには札の貼られた棺が置かれていた。
チェンが札をはがすと中からトントンと名乗る子供のキョンシーがあらわれた。
物音を聞きつけた母親がいきなり猟銃を発砲する。残っていたのはタイ一人。チェンとミンはトントンの超能力で上階へと瞬間移動していたのだ。
トントンは300年棺に閉じ込められて体が固まったというので、ミンは体操をさせる。
ミンとチェンは、トントンの魔法で漫画の世界に入っていく。
着いた先は深い森だった。チェンが沼にはまってしまう。ミンが引き上げようとするが、うまくいかず彼女まで落ちてしまった。
蛇も出てきて大騒ぎするが、沼は深さ30センチくらいにしか見えず迫力はない。
旅を続けたいトントンは、もう300年キョンシーでいることを覚悟してチェンとミンに自分の能力を分け与える。
その頃、屋敷に地下室では残された柩から2体のキョンシーが飛び出していた。
母親の撃つ猟銃をものともせず、2体は外へ出て行ってしまう。
それを見つけた暴走族が轢き殺そうとする。オートバイは次々と転倒させられた。
娘がキョンシーにさらわれたという母親の電話を受けたチュウ刑事は、部下がキョンシーなど絶対にいないというので出動。おっかなびっくり地下室を調べる。
お姫さまが人食い人種に焼き殺されそうになっているのを見つけて助けに行く。
魔法で炎を中に舞わせて助けようとする。
魔法使いはネズミに変身してミンを脅す。トントンがネコに変身すると、魔法使いは犬になって対抗。犬を見たチェンは大好物だと大喜び。香港らしいギャグだと思う。
追われた魔法使いは孫悟空に変身してミンに襲いかかる。トントンが三蔵法師に変身してお経を唱え対抗した。
ミンに服を剥ぎ取られ裸で逃げ出す魔法使い。
そのころ市民は2体のキョンシーから逃げまどっていた。チュウ刑事と部下が発砲しても、全く効果がない。
2体は息子を捜していた。部下の提案で坊主に変装してキョンシーを鎮めようとするチュウ。でもバレバレ。叩きのめされた。
魔法使いは蛇神に祈ってパワーアップ。チェンたちはお姫さまの救出に成功していた。
森の中をいく4人はツタに襲われ、ミンが魔法でチェーンソーを出してツタを切る。これも魔法使いの仕業だった。
ピストルを取り出す魔法使いに、トントンが手投げ弾で対抗。
一行は蛇神の神殿に行き着く。ここを破壊すれば魔法使いは力を失うのだ。
魔法使いが神に祈ると、なぜかキリストに変身。トントンが十字架を出して磔(はりつけ)にしようとすると逃げていった。
今度はドラキュラに変身して襲いかかる魔法使い。キョンシーには血がないので噛みついても無駄だった。
魔法使いは分身して攻撃をかける。でも弱い。結局全員叩きのめされてしまう。
チェンたちが喜んでいると、急に動けなくなってしまった。屋敷に貼ってあった札がはがされたためらしい。
捕まった三人。最初にミンが食べられそうになる。物影で様子を見ていたお姫さまが祈ると、突然豪雨が降り始めた。
現実世界でタイがマンガ本に水をこぼしてしまったのだ。
動けるようになった三人は脱出に成功。
牛魔王に化けた魔法使いを見つけたミンは羅刹女に化けて近づく。隙を突いて魔法使いを突き飛ばすミン。
チェンとトントンが飛びかかってスマキにした。
タイが濡れたマンガ本を火であぶって乾かそうとすると、火が燃え移ってしまった。異世界では山火事が起こって大騒ぎ。
チェンたちは本の世界から屋敷に戻った。再会を喜ぶ親子。
トントンはキョンシーの両親に連れて行かれてしまう。
ようやくキョンシー退治に現れたチュウ刑事が地下室の扉に発砲するという意味不明のカットで映画は終わる。
一応キョンシー物+「ネバーエンディング・ストーリー」の線を狙ったのかもしれないが、いかんせん安すぎる。
いきあたりばったりな展開で子供だましにもならないファミリー映画だが、香港映画らしい憎めなさはあるので、何も考えずに見れば時間つぶし程度には楽しめる作品。

チャイルド・ゴースト/夢と冒険の魔法旅行