| 原題 ； 絶橋智多星／THE BIG SCORE(1990) |
| 監督 ； ウォン・ツィン |
| 脚本 ； ウォン・ツィン |
| 音楽 ； ローウェル・ロー |
| 出演 ； ダニー・リー、ウォン・ツィン、ジョイ・ウォン、アンソニー・ウォン、ジェームズ・リー |
| 刑事とギャンブラーが、共同で恩人の仇を討とうとするのだが、ノワールともコメディともつかない珍作に仕上がっている。 ある屋敷が警察隊に包囲されていた。１台の車が包囲網を突破しようとするが、待ち構えていた刑事に止められる。 だが、謎のディスクを持った男二人が警官に変装して脱出していた。その一人は潜入警官チン刑事（ダニー・リー）。こうして売人のウォンは逮捕された。 ソフト（ウォン・ツィン）はカジノで働いている。イカサマ師たちを追い出したり、客の愛人トラブルを解決したりの日々。 ソフトは恩人の刑事マ・クン（アンソニー・ウォン）に呼び出される。マ・クンは翌日シンガポールに旅立つ予定だという。 マ・クンがソフトを送って戻ると男女二人組の殺し屋が待ち構えていた。二人はマ・クンの妻子を殺し、彼に硝酸を飲ませ更に両目を潰す。 次に二人は警察車両を襲撃してウォン事件の証拠を燃やした。そのためウォンは証拠不十分で釈放されてしまう。 密告者の疑いをかけられたチン刑事は上司に暴力を振るって停職となる。彼はマ・クンの病室でソフトと知り合い、共同で復讐することを誓う。 チンは目の不自由な妹リンと暮らしている。料理を取ろうとしたリンがソフトの指をフォークで刺したり、香港映画らしいタブーのないギャグが展開。 ソフトは銃を、チンはカードを練習するが、あまり才能がない。 ウォンは美女ペニー（ジョイ・ウォン）に執心だが、相手にされていない。 ソフトは、チンをペニーに接近させてウォンを刺激しようと企む。 ウォンは、ペニーの父親が密輸に関わった証拠をネタに彼女をモノにしようとする。ジャマに入るチンとソフト。 ソフトは、ウォンに偽情報をつかませてチンがギャンブル好きの殺し屋サムだと思わせる。 チンはペニーをデートに誘う。食事は大衆食堂、ペニーの愛犬が料理されてしまった。怒ったペニーは喧嘩に巻き込まれてしまう。 居合わせた警官に助けを求めたら、突然ストリップを始めるウォン・ツィン。実はチンが仕組んだショーで犬も無事だった。 一方、ウォンは殺し屋二人組にチン抹殺指令を出した。二人はリンが留守番する家に忍び込む。 後から来たソフトは、リンが二人に捕まっているのを発見。電気を消してリンを助け出し、暗視カメラをつけて戦いを挑む。あっさりやられたが、なんとか銃を奪ってその場を逃れる。 ソフトとリンは寝室に隠れたが、火をつけられてしまう。ソフトは水中銃で女殺し屋の足を射抜く。殺し屋二人は退散し、ソフトとリンは脱出した。 ペニーは、ウォンが握っている父の証拠を奪うことを条件に、チンへの協力を約束する。 チンとウォンの麻雀勝負が始まる。ウォン一味は特殊インクを使ったイカサマをしているので負け続け。そこで酔ったフリをしているソフトと交代する。 圧倒的な実力で勝ったうえ、イカサマを見破って特殊インクを拭き取ってしまう。勝ち続けるソフト。 大負けしたウォンは組織の信用を失った。彼は金を取り戻そうとチンたちに再試合を挑む。 チンとソフトは、ウォンの金を奪ってゲームの軍資金にしようとする。ダムダム弾を使って一発で二人貫いたりする銃撃戦の末、強奪に成功した。 ゲーム当日、ギャンブルに強いのはソフトだけと見破ったウォンは、ソフトを色仕掛けで誘い出してしまう。女は殺し屋の片割れだった。監禁されるソフト。 ソフトは小便を流し、引き抜いた電線で見張りを感電させて脱出する。その頃、大負けしているチンは一発勝負に出てブラフで勝つが、正体がばれてしまう。 だが、全ては作戦で負けた金の札束に爆弾が仕掛けてあった。ウォンの財産は燃えてしまい、彼は組織に処刑された。 逃げたチンたち三人はギャングたちに襲撃される。銃撃戦の末、チンとソフトは、二人組み殺し屋を含めた襲撃者を退治した。 リンは念願の海に行くことができた。ソフトがウォンに渡した金の３分の２を偽札にすりかえていたのだ。 チンは汚れた金は使えん、と札を車からばら撒いてしまう。ソフトは事前に札を全てヒモでつないでいた、という妙なオチで映画は終わる。 日本のクレジットではウォン・ツィンと記載されているがバリー・ウォンのこと。 かなり激しい暴力描写と、ものすごくベタなギャグが混在するというのは、Ｂ級香港映画では、良くあること。ではあるが、今回は全体的に緊張感に欠け盛り上がらずに終わってしまう。 特に終盤のギャンブル対決はイマイチ。 バリー・ウォンが製作監督脚本主演までこなした作品としては物足りない出来ばえ。 ジョイ・ウォンが少ない出番で見せ場がないのも残念。 |