製作 ; (1988)
 監督 ; 矢吹公郎
 脚本 ; 島田満
 音楽 ; 神井裕行
 出演 ; (声)荘真由美、水谷優子、玄田哲章、藤田淑子、神谷明、向井真理子
あさりよしとおの代表作をOVA化。
原作は、可愛い顔したキャラクターが、かなりブラックなギャグをかましたりして、そこが面白いのだが、OVAはすっかり毒気が抜かれてしまった。
子供向けに徹する、という方針のうえでは正しいのかもしれないが、個人的にはかなり物足りなかった作品。
宇宙を旅する芸人一座のロケットが、衝突事故を起こす。
相手の船は大破して惑星アニカに墜落。
一座が調べると、ただ一人赤ん坊が生き残っていた。
一座は、赤ん坊の星から救助が来るまで惑星アニカで家族として育てることにする。
それから五年、コロナ(荘真由美)と名づけられた子供はすくすく成長、今日はトンボ取りに遊びに行くという。
心配してアーマースーツを着せるお母さん(藤田淑子)。ところが行き先は沼地、しかもトンボと思ったのは体長3メートルのトンボモドキ。
コロナを救出に向かったお母さん、ベルカ(水谷優子)ともども沼にはまってしまう。
迫るトンボモドキ。その時、戦闘モードに変身したお父さん(玄田哲章)が助けに来た。
お母さんたちは、コロナの教育のため幼稚園を開設する。
その頃から、コロナの母星からと思われる通信が入るようになる。
季節は巡り運動会。コロナの声援に応えようと張り切るお父さんだが、失敗ばかり。午後の障害物競争では障害を全て粉砕して、ついにトップを獲得。他の選手は巻き添えでボロボロになっていた。
キノコ狩りで帰りの遅くなったコロナは、叱られて家を飛び出してしまう。
家出に気づき必死に探す一座の面々。
森でおびえたコロナが走っていると、宇宙船が降りてきた。
宇宙船の主はコロナの星の人間ではなかった。単に子供をほしがっている宇宙人のおばさんだった。
飛び立つ宇宙船。母星から来た迎えにコロナが連れて行かれてしまったのかとショックのお母さんたち。
ところが目の前でコロナが宇宙船に手を振っていた。
コロナは、この星に家族がいるからと残ったのだ。
事情を知らないお父さんは、おばさんの宇宙船を撃墜。
雪が降り出し、我が家へと帰っていくコロナたち。
冬景色の中、雪合戦を楽しむコロナたちの姿があった。
おばさんは、アニカ星現住民の子供たちと暮し始めるのだった。
ほのぼのSFアニメとして見れば、それほど悪くない作品だが、全体的にメリハリがなく、特別に面白いギャグがあるわけでもないのが残念。
宇宙家族カールビンソン