原題 ; BLACURA(1973)
 監督 ; ウィリアム・クレイン
 脚本 ; ジョアン・トーレス、レイモンド・コーニング
 音楽 ; ジーン・ページ
 出演 ; ウィリアム・マーシャル、ヴォネッタ・マギー、デニス・ニコラス、タルマス・ラステラ
ブラック・エクスプロイテーションの最低映画として度々紹介される作品。
確かに低予算でCGなど無い時代、チープな画面も多いが作品自体はそれほどひどくはない。悩める吸血鬼物としては説得力のあるほうだし、主演のウィリアム・マーシャルもなかなか堂に入っている。
夜の街をソウルミュージックに乗って徘徊しても、ディスコの黒服アンちゃんには見えない。
黒人の王子マモールデ(ウィリアム・マーシャル)は黒人奴隷制度廃止を嘆願するため、ドラキュラ候の元を訪れた。
ドラキュラ候はレイシストにうえに実は吸血鬼であり、マモールデは血を吸われ吸血鬼ブラキュラとして棺に封印されてしまう。
200年の月日が流れ、棺は他の調度品とともにアメリカに運ばれる。
棺を開けた二人の室内装飾家が最初の犠牲となるが、病理学者ゴードン(タルマス・ラステラ)はその死因に疑惑を抱く。
一方、ブラキュラは、トーマスの恋人ミシェルの姉ティナ(ヴォネッタ・マギー)が、かっての王妃ルーバに瓜二つであることを知る。
吸血鬼の性ゆえに次々と獲物を襲うブラキュラだったが、愛する者を闇の世界に引きずり込むことはできなかった。
ブラキュラは、クラブでティナの近づく。ティナもブラキュラの気品ある態度に魅力を感じるのだった。
二人の姿を撮影したカメラマンもブラキュラの犠牲となる。
ブラキュラはティナを地下街へと連れ込むが、ゴードンたちは吸血鬼の存在を知り捜索していた。
ティナは追ってきた警官の発砲で重傷を負ってしまう。ブラキュラはティナを復活させるために血を吸うのだった。
ゴードンたちは棺を見つけ、中の吸血鬼に杭を打ち込んで止めを刺す。それはティナだった。
再び愛する者を失い絶望したブラキュラは陽光を浴びて消滅するのだった。
余談=続編「吸血鬼ブラキュラの復活」はソフト化されていたが見逃してしまった。やっぱり評価の低い作品だがパム・グリアの初期出演作でもあるので見ておけばよかった。残念。
吸血鬼ブラキュラ