ボーデロ・オブ・ブラッド血まみれの売春宿

　原題　；　BORDELLO　OF　BLOOD（1995）

　監督　；　ギルバート・アドラー

　脚本　；　ギルバート・アドラー、Ａ・Ｌ・カッツ

　音楽　；　クリス・ボードマン

　出演　；　デニス・ミラー、エリカ・エレニアック、アンジー・エヴァーハート、クリス・サランドン

「デーモンナイト」が全米でスマッシュ・ヒットになったとかで作られた映画版「テイルズ・フロム・クリプト」第二弾。
南米フエゴ島、小人のヴィンセントの案内する一行が４００年前の財宝を求めて洞窟に入った。その洞窟に安置された棺の中にはリリス（アンジー・エヴァーハート）の骸骨がある。
隊長のカレント（クリス・サランドン）はリリスに心臓を戻し復活させた。襲いかかるリリス。だが、カレントはリリスを操ることができる聖なる鍵を持っていた。
チンピラのケイレブ（コリー・フェルドマン）は相棒と売春宿に繰り出す。そこは古びた屋敷だった。
いやな雰囲気に帰ろうとするが支配人に銃を突きつけられ、棺に入れられて地下に送られた。
そこは美女で一杯だった。ここの女には皆首筋に二つの傷がある。
相棒のところに現われたリリスは、舌を食道から突っ込み内部から心臓をつかみ出すという芸当をやってのける。
パトリスに相手をしてもらうケイレブ。そこにもリリスが現われたのだった。
行方不明になった弟を捜すケイレブの姉キャサリン（エリカ・エレニアック）。警察に相手にされず、仕方なく売り込んできた探偵のレイフ・ガットマン（デニス・ミラー）に依頼した。
レイフは酒場で聞き込み、ケイレブが売春宿に行ったことを突き止める。その売春宿はボウモント３２５番地にあるという。
キャサリンはエレキギターを弾くインチキ新興宗教家になったカレントの秘書をしていた。そこではヴィンセントも牧師を名乗っている。
そこにレイフが行くと閉店したと言われた。彼は窓から忍び込む。
リリスは人間の臭いをかぎつけたかのようにクンクンやるが、実は自分のワキガが気になっただけだった。
日をあらためて売春宿の客になるレイフ。彼は相手になった女を縛って調査を始め死体を発見する。
リリスは、レイフが百万人に一人の美味しい血の持ち主であることに気づく。
リリスはレイフに接近する。レイフは銃を抜くが、すでにリリスの術中にはまっていた。
次々幻覚を見せられるレイフ。そこに彼から住所を聞いたキャサリンがやって来た。そのおかげでレイフは正気を取り戻し逃げ出すことができた。
二人は警官を説得し屋敷に同行させる。だが、すでにカモフラージュしてありレイフが信用を失っただけだった。
一方、報酬アップをカレントに断られたヴィンセントはリリスを操る鍵を持ち出してしまう。
ヴィンセントは鍵を破壊。リリスはカレントから開放された。
キャサリンは道徳ドキュメンタリー撮影でストリップ・バーに行きリリスと会うが。リリスはビデオに写らなかった。
レイフはリリスが吸血鬼なのではないかと推理するが、キャサリンには信じられない。そこにケイレブから電話が掛かってきた。
キャサリンとレイフはケイレブがいるという発電所へいく。そこには吸血鬼となったケイレブが待ち構えていた。キャサリンは捕まってしまう。
窓から落下したレイフは病院へ。そこで吸血鬼看護婦と対決して倒す。騒ぎに毒づく隣りのベッドの女はカメオ出演のウーピー・ゴールドバーグ。
レイフはカレントと共闘。聖水の入った水鉄砲で次々と吸血鬼売春婦を滅ぼしていく。
レイフはケイレブも倒す。カレントはキャサリンを発見。だがそれは変身したリリスで、カレントはやられてしまう。
本物のキャサリンを救出したレイフ。二人はカレント教会の放送設備を使って真実を伝えようとする。
そこにリリスが襲ってきた。キャサリンを殺そうと迫るリリス。
レイフはレーザー光線で十字架を描く照明をリリスに浴びせる。
それでもリリスが滅びなかった。心臓が体内にある限り不死身なのだ。
醜い化け物と化してレイフに迫るリリスの胸を背後からキャサリンが貫く。心臓が飛び出しリリスは滅びた。
すべてが終わり車に乗り込む二人。だが、すでにキャサリンは血を吸われていた。ついにレイフが餌食となるのだった。
よくあるラストだが、もしかしたらロマン・ポランスキー監督の「吸血鬼」のオマージュなのかもしれない。
今回は娼官を舞台に吸血鬼と対決、という話でちょっと「フロム・ダスク・ティル・ドーン」ぽい要素もある。タランティーノ、ロドリゲスの１０年先を行った作品と言えなくもない。
前作よりも、さらに軽いノリのアクション・ホラーにで、特に記憶に残るほどの出来ではないが、見ている間はけっこう楽しめる作品になっている。
キャスティングも、やや地味になっているが、アンジー・エヴァーハート（「ドリーム・チーム」）のセクシーな吸血鬼ぶりは、この作品の魅力の一つになっている。
ヒロイン役のエリカ・エレニアックは「Ｅ．Ｔ．」の端役でデビュー。役名は美少女になっている。