原題 ; 千年女妖CHASE FROM BEYOND(1990)
 監督 ; エルヴィン・チェン
 脚本 ; 
 音楽 ; 
 出演 ; ジョイ・ウォン、ジャッキーチュン、グロリア・イップ、ラム・キン・ミン
時空を超えた仙女と魔女の戦いに、ヒロインと警部との恋をまじえて描いた香港製ファンタジー映画。
黄山、人間を滅ぼそうとする魔女と仙人が戦っていた。
仙人はシャオ・イー(グロリア・イップ)とヨン・イー(ジョイ・ウォン)の仙女姉妹に地獄魔玉の力を使って未来へ行き、太陽神玉を捜すよう命じた。その直後、仙人は戦いに敗れ燃え尽きてしまう。
洞窟で未来にわたろうとする姉妹を妨害しようとする魔女。決死の行動に出たシャオのおかげでヨン・イーは時を越えるが、シャオは凍らされてしまう。
1990年香港、パナマ帽をかぶった九龍警察のマン・ボー警部(ジャッキー・チュン)はギャング団一味を逮捕した。
そこに現われたヨンと魔女。二人は宙を飛んで去っていった。
車で帰宅途中のボー警部の前にヨンが落ちてくる。
一目でヨンを好きになったるボーは、彼女を自宅に連れて行く。
翌日、昇進試験を受けたポーは、見事合格する。
様子のおかしくなったボーを見た部下のアンは、彼が妖怪に取りつかれているのではないかと考え霊能者に相談する。
ボーはヨンとデートを重ね、ウェディングドレスを送ってプロポーズ。しかしヨンは受けることができない。彼女は自分が仙女であることを告白するがボーは信じなかった。
その夜、魔女が襲ってきた。それを見たボーはヨンの言うことが真実だったと知る。
ヨンに去られたボーはヤケ酒を飲んで倒れる。酒場でギャングの手下たちがポーを襲うが、簡単に捕まった。
自分が間違っていたのではないかと考えたアンは、霊能者とともにヨンを探し始める。アンは下水道に隠れているヨンを見つけた。どうしてそんなとこに。
一方、魔女はボーに片想いしている女刑事イェンに接近する。
魔女に操られたイェンは、ボーに札を貼り動けなくして腕のあざを切り取る。ボーの腕のあざには霊的な力があった。
魔女はそれを恐れてイェンに剥(は)ぎ取らせたのだ。それは正道を歩む者の印で、印の持ち主が死ぬと太陽神玉が現れるというのだ。
ヨン、ポーと部下たち、そして霊能者が待ち構える中、ついに魔女が襲ってきた。銃も平気な魔女のパワーにボーの部下たちは次々に殺されていく。
ボーが犠牲になって死ねば太陽神玉が手に入る、そう言い残して霊能者も倒れた。
それを聞いたボーは、あっさり拳銃自殺。胸から太陽神玉が飛び出した。
次の瞬間、ヨンと魔女は最初の洞窟に戻っていた。シャオも復活して闘いを繰り広げる。
二人がかりでも苦戦するのだが、太陽神玉と地獄魔玉、二つの玉を投げつけると魔女は砕け散り消滅した。
ヨンは、人類の救済をシャオに任せて現代に戻る。
死屍累々の現場に戻ったヨンは、自分の命を与えボーを生き返らせる。身代わりとなってヨンは消滅した。
傷心のポーは、ある日ヨンと瓜二つな人形売りの娘と出会うのだった。
グロイア・イップは最初と最後だけのゲスト出演。
今回はラストシーンのみだが、ジョイ・ウォンって二役が多い気がする。「時空伝説」とか転生を扱った作品が多いという理由もあるが、「蜘蛛に抱かれた女」では双子だった。
以前「映画秘宝」に格闘技系アクション・スターにはナルシストが多く、自分が写っている時間を長くするために二役(以上)を好むということが書いてあった。
確かにジャッキー・チェン、シュワルツェネッガー、ヴァンダム、ジェット・リー、真田広之、みんなやってる。
アクション俳優ではないけど、ジョイ・ウォンもナルシストなのだろうか。
この作品にも脚本のクレジットがなく、ストーリーはかなりの御都合主義だが、ワイヤ・アクションとベタなギャグを盛り込んで見ている間は楽しめる娯楽作品に仕上がっている。
ボーが生き返るのはいいけど、協力者たちはほとんど犬死にに終わり、香港映画らしいドライな感覚になっている。
この作品に限らず、香港映画では唐突に登場人物が死ぬことが多いので、下手に脇役には感情移入できなかったりする。
チェイス・フロム・ビヨンド