原題 ; CHILD IN THE NIGHT(1990) |
監督 ; マイク・ローブ |
脚本 ; マイケル・ペトリーニ |
音楽 ; マーク・スノー |
出演 ; イライジャ・ウッド、トム・スケリット、ジョベス・ウィリアムズ、ダーレン・マクギャヴィン |
子役時代のイライジャ・ウッドが主演したテレフューチャーのサスペンス。それまでに出演した2作は端役だったようなので、これが始めての大役だと思う。 ある夜、ルーク少年(イライジャ・ウッド)は父親スコットと港の事務所にやってくる。そこで彼は父親が黄色いレインコートの男と口論のあげく刺し殺されるのを目撃してしまう。男は何か書類を持ち去っていった。 ショックを受けたルークを担当するため、心理学者ジャッキー・ホーリス博士(ジョベス・ウィリアムズ)が呼び出された。 事件を捜査するのはバス刑事(トム・スケリット)。 ルークは隠れていて何も見なかったと言う。バス刑事は、ルークが窓ガラスで怪我をしていたことから、実際には事件を目撃したと推理する。 バス刑事とホーリスはルークの家へと向かう。そこは豪邸で、母のヴァレリー(シーズン・ヒューブリー)、祖父のオズ(ダーレン・マクギャヴィン)とともに住んでいた。 ヴァレリーによると、オズは妻の死以後精神を失調しているという。バスは、会社の部長ボビー、宣伝部のジュリア、スコットのパートナー、カートを紹介される。 ボビーは激昂しやすい性格で、殺人について憤っている。ジュリアはスコットの昔の恋人。そのためヴァレリーと仲が悪い。 ホーリスはルークの心を開かせようとする。ルークは「ピーターパン」のフック船長が犯人だと叫ぶ。 海から凶器のフックがあがった。だからフック船長なのか? ルークの証言を早く得たいバスは、別の医者に催眠療法を試みさせて失敗する。 ホーリスは以前、休み時間の校庭に飛行機が落下するという事故で心的障害を負った子供たちを担当した。その悲惨な子供たちの症状に耐え切れず彼女自身も心を病み、子供の担当から外れていた。 ある夜、ルークは突然家を飛び出し、車にぶつかってしまう。幸い軽症だった。 恐怖を克服したホーリスは、ルークのセラピーを再開する。 金庫から会社の権利売買契約書が盗まれていることが分かった。自分に対する株の譲渡関連の書類だとボビーは主張するが、カートの話とは食い違っていた。 バスはホーリスの家を訪れて口説こうとする。恋愛は苦手というホーリスは直接的にベッドに誘う。気後れしたバスは帰っていく。 ルークは自分をピーターパンに例えて事件のことを話し出す。だが、肝心の部分に来ると混乱してしまうのだった。 バスはホーリスを遊覧船のデートに連れて行く。その足でオズと面会する二人。スコットにはシャロンという秘書がいた。スコットが彼女をクビにした理由は、ヴァレリーが二人の仲を疑ったからではないかとオズは言う。 行方不明が掴めなかったシャロンから連絡が入った。彼女は会社は自分から辞めたのだと言うが、ホーリスは何かを隠していると直感する。 ルークは、ピーターパンが船室の窓から母親とフック船長がベッドで抱き合っているのを見たと話す。それを聞いていたヴァレリーは取り乱した。 母親を敵にまわすのはまずいとバスはセラピーを中止させる。 一方、スコットと同じ殺され方をしたゴールド医師の死体が海からあがる。 ホーリスが単身シャロンを訪ねると、シャロンと母親が惨殺されていた。フックを持った手が鏡に映ったのを見たホーリスは、あわてて飛び出し車で逃げる。 今度はルークが行方不明になった。どうやらホーリスと会うのを禁じられたために家を飛び出したらしい。 ホーリスの元にルークから父親の事務所にいると電話が入った。彼女は直ちに出向く。 ルークは記憶を取り戻すため、ホーリスに催眠療法を依頼する。 ルークは一部始終を思い出したが、フック船長が誰であるかは口に出来なかった。 その頃ヴァレリーは、夫とシャロンの関係を嫉妬して仕返しのため自分も浮気したと告白していた。 ホーリスとルークの前に黄色いレインコートを着たオズが現れた。ルークが事務所の鍵を持ち出したことに気づき居場所を知ったのだ。 精神に異常をきたしていたオズは、息子のスコットに会社を取られたと感じていた。 ヴァレリーが関係を持ったのもオズで、オズの精神科医がゴールド医師だった。 スコットはオズを精神病院に入れようとしていた。オズは、その事実を知る者を次々と殺していたのだ。 ホーリスはルークに隠れさすと警察を呼びにいが、オズに見つかってしまう。ホーリスは足をフックで傷つけられたが、なんとか逃げ出す。 待たせていたタクシーの運転手も殺されていた。 窓から飛び出したオズがホーリスに襲いかかる。その時ルークが「おじいちゃん」と声をかけた。一瞬正気に戻ったオズはフックを捨てた。 抱き合うホーリスとルーク。ルークは茫然自失のオズの手を取り「おじいちゃんに優しくして」と警察に引き渡すのだった。 子供が主役ということもあってか、クライマックスはソフトタッチ。 心理分析を交えてサスペンスのムードを盛り上げ、テレビ用の作品としては、なかなか楽しめる出来栄え。 ビデオ・パッケージの裏面には、黄色いレインコートの男の写真が2カットも載せられている。しかもワンカットはアップ。ちょっと反則だと思う。 |