原題 ; DAUGHTER OF DARKNESS(1989) |
監督 ; スチュアート・ゴードン |
脚本 ; アンドリュー・ラスコス |
音楽 ; コリン・タウンズ |
出演 ; アンソニー・パーキンス、ミア・サラ、ジャック・コールマン、ロバート・レイノルズ |
「死霊のしたたり」のスチュアート・ゴードン監督が、ミア・サラとアンソニー・パーキンスを主演に撮ったテレビ用の吸血鬼ホラー。 1989年、教師のキャサリン・サッチャー(ミア・サラ)は、シカゴから父親捜しのためルーマニアのブカレスト市に到着した。 序盤はキャサリンが悪夢に悩まされる夢ネタが続く。 キャサリンは米国大使館のデヴリン(ジャック・コールマン)を訊ねる。彼女の父はルーマニア人でのポール・アレクサンドリという。 2ヶ月前に母親を亡くしたキャサリンは残された父親を探し始めたのだ。デヴリンは内務省に当たってみる約束をした。 帰り道、何者かに追われたキャサリンはタクシーに飛び乗って逃げる。それは昼間空港から乗ったマックスの運転するタクシーだった。 キャサリンは昔父親が住んでいた住所に行く。そこはバーになっていた。 バーにいたミュージシャンのグリゴーレ(ロバート・レイノルズ)が父親探しを手伝ってくれることになる。 父親がガラス職人だったことから、キャサリンは同業のアントン(アンソニー・パーキンス)を訪ねた。 アントンはポキャサリンの父ポールが交通事故で死んだと言う。 グリゴーレはバーでひっかけた女を自室に連れ込む。セックスの最中にグリゴーレの舌が裂け、女の血を吸い始める。 父親の墓参りをするキャサリン。その姿を見つめる何者かがいた。 キャサリンは病院に行き死亡記録を調べる。書類には検死記録がなかった。 その病院の女医は輸血用の血液を盗んでいる。 アントンから電話が入り、父親のことで話がしたいという。キャサリンはガラス工房に向かう。 アントンの話では、父親は革命派で秘密警察に追われ、キャサリンの母親から姿を隠した。その後、交通事故に遭い身寄りはいなかったという。 キャサリンがグリゴーレと食事していると、彼女のペンダントを見たジプシー女がシプリアンという名を口にする。 シプリアンはキャサリンの父方の姓だった。女はシプリアンの血筋は絶えたが、吸血鬼として甦ったのだと言う。 グリゴーレと別れてタクシーに乗ったキャサリンは墓地へと連れて行かれる。そこには警察のマソフ大佐がいた。 そこにデヴリンが駆けつけた。マソフはポールの墓をあばく。棺の中に収められた遺体は女だった。 父親が生きているかもしれないと考えたキャサリンはシプリアン家の城を調べることにする。 城にあるコンスタンティン王の銅像は、キャサリンの悪夢に現われる人物にもアントンにも似ていた。 キャサリンはグリゴーレの部屋へと誘われる。グリゴーレが服を脱ぐと悪夢の中に出てきた男と同じ傷があった。 そのとき隣の部屋から大勢の男女が現われる。逃げようとしたキャサリンが別の部屋に入ると、そこには多くの人間たちがベッドに縛り付けられ血を抜かれていた。 グリゴーレはアントンをキャサリンの父親と呼ぶ。 アントンはキャサリンの父親であり、その正体は吸血鬼として甦ったコンスタンティン王だった。 アントンは娘を逃がすように命令するが、吸血鬼の審問会は従わない。 子供ができないはずの吸血鬼にできた娘は奇跡だと考えたグリゴーレは、キャサリンに子供を生ませ、昼間も出歩ける吸血鬼一族を作り出そうと言い出す。 女医は吸血鬼たちの手下として血漿を入手している人間だった。 グリゴーレはキャサリンに血を吸わせようとするが、彼女にはできない。 アントンはキャサリンを逃がす。ホテルで出発の荷造りをしているとデヴリンがやって来た。彼女はデヴリンに真実を話すが信用されない。 アントンは掟を破ったとして告発される。グリゴーレはアントンを陽にさらす拷問にかけキャサリンを誘き出そうと企む。 責められる父親に姿を幻視したキャサリンは助けに戻る。 キャサリンが飛行機に乗らなかったことを知ったデヴリンは、彼女を拘束し出国させようとする。 キャサリンは逃げ出してマックスに助けを求める。昼間吸血鬼たちが寝ているうちにアントンを助け出し、灯油で火を放って吸血鬼を焼き殺そうというのだ。 吸血鬼のアジトに乗り込むキャサリンとマックス。二人は棺を探っていく。 キャサリンは鎖につながれたアントンを見つける。すでに顔半分が陽光に焼けただれていた。 マックスは吸血鬼の手下だった。苦しまぎれにキャサリンの血を吸うアントン。 キャサリンを探しにきたデヴリンがアントンを殴り倒す。 火を放つキャサリン。吸血鬼と化した女医が襲ってくる。さが、キャサリンはアントンの力を授かっていた。 女医を投げ飛ばし、デヴリンと二人で心臓に杭を刺す。 捕らわれていた人々も救出。鉄扉を閉め残った吸血鬼を焼き尽くす。 焼けただれたグリゴーレがレンガ塀を破って脱出し襲ってくる。 最後の力を振り絞ったアントンは、グリゴーレを捕まえ燃えさかる炎の中に自らとともに引きずり込んでいく。 後日再びシプリアンの城を訪れたキャサリン。彼女には銅像がアントンとなって微笑みかけたように見える。 キャサリンは恋の芽生えたデヴリンとキスしようとするのだが、松葉杖のデヴリンはバランスを崩してひっくり返ってしまうのだった。 テレビ用作品ということもあってかショック描写は弱く、ホラー映画としてはあまり恐くない。 ただ、ドラマ部分におけるスチュアート・ゴードン監督の演出は手堅くてテンポもよく飽きさせない。 晩年はホラー映画への出演が多かったアンソニー・パーキンスだが、サイコ物が多く吸血鬼物は珍しい。残念ながらそれほど似あっていない気がする。 ジャック・コールマンは「キングダム・ホスピタル」の画家役を経て「ヒーローズ」に出演、ステップアップを果たした。 |