原題 ; ELVIRA/MISTRESS OF DARK(1988) |
監督 ; ジェームズ・シニョレッリ |
脚本 ; サム・イーガン、ジョン・バラゴン、カサンドラ・ピーターソン |
音楽 ; ジェームズ・キャンベル |
出演 ; カサンドラ・ピーターソン、W・モーガン・シェパード、エディー・マクラーダ |
エルヴァイラことカサンドラ・ピーターソンを主役に据えたホラー・コメディ。 エルヴァイラ(カサンドラ・ピーターソン)はB級ホラー映画放送の司会者として活躍中。テレビ局の好色オーナーと喧嘩して飛び出してしまう。 ラスヴェガスでショーをしたいのだが資金が5万ドルいる。そこに舞い込んだのが伯母タルボの遺産相続。エルヴァイラはヨットにジープに現ナマとクイズ番組の賞品みたいな妄想をふくらませる。 追いはぎヒッチハイカーをやっつけたり、ガソリンスタンドを爆発させたりしながら、田舎町フォールウェルに到着。 保守的な住民はエルヴァイラの胸が大きく開いたドレスを見ただけで大騒ぎ。でも若い連中は彼女の巨乳にしびれる。 エルヴァイラは町で数少ない娯楽の場であるボウリング場に行く。そこでナンパしてきたチンピラと喧嘩になり、たくましい青年ボブに助けられた。 ボブに気があるウェイトレスのパティは、ライヴァル登場と目を吊り上げる。 遺言が読み上げられ、エルヴァイラには屋敷とプードルのアルゴンキン、そして料理のレシピ本が贈られた。 何も手に入れられなかった伯父のヴィンセントは、大いなる力を秘めた料理本を狙っていた。彼はエルヴァイラから本を50ドルで買い取ろうとする。 エルヴァイラが相続した家は、広いが怪しげなボロ屋。それでも7万ドル以上にはなると聞いて大喜び。彼女はアルゴンキンをゴングと改名する。 ヴィンセントが本を買い取りにくるが、置いたはずの本が消えていた。 夜になって大雨の中、近所のワルガキどもがノゾキに来た。見つかった彼らは家の修理を約束する。 翌日、大勢の若者が家の修復を手伝いに来た。みんなで適当な色のペンキを使ったためド派手な外装になるが、エルヴァイラは大感激。 そのころ町の評議会はエルヴァイラを追い出す会議を開いていた。 スケベな不動産とケンカして家を売りそこなったエルヴァイラは仕方なく職探し。 留守中にヴィンセントの部下が本を探そうとするが、ゴングに追い返された。 仕事が見つからず、くさっていたエルヴァイラは、ボブから映画館を借りて最低ホラー上映会を企画する。 ヴィンセントは悪魔崇拝者。月食の夜に陰謀を企んでいた。 校長は許可なく上映会に行くことを禁じてしまう。泣きまねをするエルヴァイラに、純情な青年たちはすっかり同情、家を抜け出して上映会に行くことにする。 映画館にはパティが妨害しようと忍び込んでいた。 エルヴァイラの解説付き「アタック・オブ・ザ・キラートマト」で会場は大盛況。フィナーレはエルヴァイラのフラッシュ・ダンス。どう見ても吹き替えのアクロバット・ダンスを披露する。 だが、クライマックスに金粉を浴びるはずが、パティによって黒ペンキに変えられていた。ドロドロにされて激怒するエルヴァイラ。 その夜、二人きりになったエルヴァイラはボブに迫った。彼女は、いつの間にか現れた料理本を使ってディナーを作ろうとする。材料は不気味なものばかり。 いよいよ二人で食べようとすると、鍋からはモンスターが出現。なんとか流しに捨ててディスポーザーで始末した。 本をくわえて逃げたゴングを追って二人が屋根裏に入ると、ゴングは古びたトランクに吠えかかっていた。 その中にはエルヴァイラ宛ての手紙が入っていた。エルヴァイラの母デバナは闇の女王だったが、支配者の座を300年間狙っていたヴィンセントがデバナを滅ぼし、エルヴァイラも殺そうとしているのだ。 ゴングは彼女を守る守護者で、料理本は魔法を記した魔道書だった。 エルヴァイラは、ショーの資金を出そうと適当な呪文を唱えるが、出てきたのは大蛇。 町の大人たちのパーティーに、エルヴァイラは魔法の料理を紛れ込ませる。そのキャセロールは好評で、エルヴァイラは仕返しが失敗したかとガッカリ。 ところが、この料理には催淫効果があり、町の連中は下着姿になって大騒ぎ。 ボブと踊るパティにエルヴァイラが殴りかかると、パティの巨乳はパットだった。 ヴィンセントは町民を煽動して魔女狩りの火あぶりを再現しようとする。エルヴァイラは魔女として逮捕され、ヴィンセントは料理本を手に入れた。 一緒に逮捕されたゴングは、ハツカネズミに変身して留置場を抜け出す。 若者たちはエルヴァイラを救出しようと留置場の屋根を破るが、自分たちが落ちて閉じ込められてしまう。 いよいよエルヴァイラが磔(はりつけ)にされ、火あぶりが始まった。パティが火をつけ、子供たちがマシュマロを焼く。 そこにやってきたのはボブとドーベルマンに変身したゴング。ボブは火を消そうとするのだが、すでに燃え上がっている。 エルヴァイラは魔法の指輪で雨雲を呼び、火を消した。 そこの魔人と化したヴィンセントが現われる。評議会の議員をブタに変えてしまう。 ヴィンセントにはボブもゴングもかなわない。指輪もヴィンセントの手に渡ってしまった。重火器すら通用しない。 家に逃げ帰ったエルヴァイラに、壁を破ってヴィンセントがつかみかかる。壁に掛けてあった斧が落ちてヴィンセントの手を切断した。 ヴィンセントは炎を吐いて辺りを火の海にする。エルヴァイラは切り落とされた手から指輪を奪い返し、ヴィンセントを滅ぼした。 家も魔道書も、全てを焼失してしまったエルヴァイラ。すっかり反省した町民たちは彼女に詫びる。 そこに弁護士がやって来た。エルヴァイラは伯父ヴィンセントの莫大な遺産を手に入れたのだ。 こうしてエルヴァイラはラスヴェガスでショーを開くことが出来たのだった。 特に見せ場があるわけでもないし、クライマックスもあっけないのだが、テンポ良くおバカなギャグを織り込んで気軽に楽しめる作品になっている。 カサンドラ・ピーターソンは1970年代から大部屋女優として活動していた(映画デビューは「フェリーニのローマ」の端役だとか)が、その後ホラー映画放送番組のパーソナリティ、エルヴァイラとしてブレイク。テレビ、映画出演の大半がエルヴァイラ役となる。 バラエティのコントみたいなギャグも多いのだが、監督のジェームズ・シニョレッリは「サタデーナイト・ライブ」の監督らしいので、そのためなのかもしれない。 |