原題 ; 天地玄門AN ETERNAL COMBAT(1991)
 監督 ; イップ・シン・ホン
 脚本 ; 
 音楽 ; 
 出演 ; ジョイ・ウォン、ラム・チェンイン、シン・フイウォン、ウォン・ヤ・シャン
時空を超えた仙人と魔物の戦いを描いた香港製ファンタジー映画。
シシ(ジョイ・ウォン)の一行が森の中で魔物に襲われた。騎馬武者姿の魔物はシシに首飾りをかけ、連れ去ろうとする。
そこに通りかかったツオ仙人と(ラム・チェンイン)と弟子のクイが助けに入る。シシが逃げ、魔物が追ったため勝負はつかなかった。
マー長官は部下に7日間で魔物が退治できなければ自害しろと命じるが、長官自身も皇帝から同じ指示を受けてしまう。
一計を案じたマー長官はツオ仙人の元を訪ねる。ツオは、魔物と戦うためには命を捨てる覚悟の弟子がもう一人必要だというが長官は拒絶した。
マー長官は5人の妻を亡くし4人の幼い娘がいた。長官は娼館に上がりこみ、ツオから盗んだ精力剤を使って5人を相手にする。
張り切りすぎて長官は腹上死。全てはツオの企みでマー長官の魂を魔物退治に使おうという作戦だった。
森の中でツオたちは攻撃を受ける。白衣の女妖怪と化したシシだった。ツオと宙を舞って戦いが繰り広げられる。
シシは火薬玉で倒したが、今度は武者の妖怪が襲ってきた。ツオは魔法陣で捕らえようとするが、天の門が開いてしまう。
魔物もツオたちも天の門に吸い込まれ消えてしまった。
ツオたちが辿り着いた先は現代の香港。
映画の撮影現場に現われたツオは精神病院に入れられてしまう。クイとマーは教会で保護された。魔物も教会に出たが神の力によって十字架に封じ込められる。
精神病院のチチ女医(ジョイ・ウォン二役)はシシに瓜二つだった。
ツオはお札を鳩にして放ち、クイたちを探させる。クイは教会が理解できずに、天上の家にいると返事した。
ツオは、クイたちが皇帝の家にいると勘違いしたり、テレビ画面を幻術と思って攻撃を仕掛けたりする。
ツオを大親分と慕う患者たちに助けられて病院を脱走。チチの車に潜り込む。
助手席に仔犬が紛れ込んでいるのを見つけたチチは連れて帰る。部屋には別れた恋人ベンが上がりこんでいた。
ベンは全裸で襲いかかる。抵抗するチチをベッドに押し倒す。その尻に仔犬が噛みついた。
ベンが投げようとすると成犬に変身して追い出した。
チチが犬を拭いているとツオが正体を現した。ビックリして寝室に逃げ込むチチ。ツオはシシの首飾りを置いて去っていく。
シシは両親を殺され魔物に嫁いだ。復讐のため魔物を殺そうとして失敗し、女妖怪にされてしまったのだ。
翌朝、ツオを見つけたチチは自室にかくまうことにする。
一方、教会を追い出されたクイとマーは路上で大道芸をして金を稼ぐが、警察の手入れを受けてしまう。
しかも札の価値が分からずに捨てて逃げる。
道でクイたちを見かけたチチはツオを連れて行く。二人を見つけたツオは走る車の上を飛んで追いかける。
再会を泣いて喜ぶクイ。
そこにベンが現われてチチを連れ去った。ツオはベンの居場所を霊視する。そこは教会だった。
ベンは神父たちを縛りつけ、チチにウェディングドレスを着せていた。
結婚の宣誓をチチに強制するベン。そのとき魔物の封じ込められた十字架が光った。
様子のおかしくなったベンはナイフで自らの喉を掻き切る。魔物はベンに転生して復活した。
駆けつけてきたツオ一行は、逃げる魔物をタクシーで追う。
廃車置場で決戦となる。宙を舞い、次々と廃車を吹っ飛ばして戦う。
火の勢いでスプリンクラーが作動してしまう。ツオの仙術は水に弱い。フラフラになったツオは、魔物の動かす車にはさまれてしまう。
マーが飛びかかって時間を稼ぐが、太刀打ちできない。助けようと飛び出したクイも殺されてしまう。
チチの脳裏に前世におけるシシの記憶が甦った。彼女は魔物を刀で刺す。叫び声をあげて苦しむ魔物。
魔物もツオたちも皆光に包まれ姿を消してしまう。
一人残ったチチは駆けつけた警察に保護されたのだった。
ジョイ・ウォンが二役で頑張るが、実質的な主役はラム・チェンイン。映画・テレビの霊幻道士シリーズにより道士役ナンバーワンという印象が強い。
脚本のクレジットがなく、ストーリー展開は大味。とは言っても香港のB級作品としては普通のレベルと思う。
さすがに2度目の登場シーンでジョイ・ウォンが、いきなり妖怪になっていたのには驚かされた。一応、後半で事情が説明されるが、唐突すぎる印象は残る。
中盤には敵の魔物が出てこないため少々中だるみしているし、クライマックスも中途半端。
個人的には香港のスチャラカ映画が好きなので許せるが、一般的に考えれば評価の低い作品になると思う。
ビデオ・パッケージのコピーは「ジョイ・ウォン待望の奇伝アクション」。新しい言葉を生み出そうと知恵を絞ったのか、単なる誤植なのか不明。
時空伝説