原題 ; JUVE CONTRE FANTOMAS(1913)
 監督 ; ルイ・フイヤード
 脚本 ; ルイ・フイヤード
 音楽 ; 
 出演 ;ルネ・ナヴァール、エドモン・ブレオン、ジョルジュ・メルシオール、ルネ・カール
ファントマのサイレント版映画化シリーズ第2弾。
ジューヴ警部(エドモン・ブレオン)を友人の記者ファンドール(ジョルジュ・メルシオール)の訪問を受ける。
シャレック医師宅で損傷がひどく身元の確認できない女性の死体が発見され、ベルサム卿夫人の身分証が見つかったというのだ。
脱獄したファントマが動き出したことは間違いなかった。
ジューヴとファンドールはシャレックの尾行を開始する。
シャレックは怪しげな小悪党に成りすまし、パリの下町に現われる。彼はルパールという名のり、ジョゼフィーヌ(イヴェット・アンドレヨール)という愛人がいた。
ジョゼフィーヌはルパールに、リヨン駅で3時に15万フランを持ったマルシャルという男と待ち合わせるというメモを渡す。
ジューヴに気づいたルパールは、手下に彼が乗ったタクシーのタイヤを切らせジューヴをまいてしまう。
一方、ファンドールはジョゼフィーヌの尾行を続けていた。彼女は金持ち女に変装してリヨン駅に向かう。
マルシャルとジョゼフィーヌはワインの買い付けに向かう予定だった。
列車が出発すると、ファントマの手下が連結器を外してマルシャルを襲い金を奪う。
ジョゼフィーヌを追っていたファンドールも金品を取られてしまう。
切り離された客車は坂を逆送していく。ファンドールとマルシャルは脱出したが、後続の特急が衝突して大惨事となった。
ルパール=ファントマが奪った金を調べると、紙幣は半分に切断されていた。会社は契約完了後に残りを渡す計画だったのだ。
ファントマは残り半分の札束を強奪するとともに、ジューヴを消してしまう作戦をたてる。
ファンドールをかたって電報を打ち、ジューヴを会社の倉庫におびき寄せるファントマ。
倉庫に来たジューヴはファンドールと再会して、ファントマの罠に気づく。
ファントマは火を放って二人を焼き殺そうとする。ジューヴとファンドールは川に逃れて脱出した。
シャレックの行方はつかめず、ジューヴとファンドールはモンマルトルの繁華街でジョゼフィーヌを探す。
二人はジョゼフィーヌを見つけて取り調べる。彼女は変装してレストランで食事するファントマを教えた。
ジューヴはファントマに外で待つという伝言を出す。
おとなしく出てきたファントマをジューヴとファンドールが取り押さえるが、つかんだ腕は義手。スルリと逃げられてしまう。
二人のまいたファントマはレストランに戻り、淑女たちと食事を続ける。
ファントマの共犯者ベルサム卿夫人はパリ郊外の修道院に身を隠していた。
そこにグルン名でファントマから手紙が届く。夫人はファントマとの逢い引きに出かける。
シャレックの扮装で現われたファントマ。夫人は毎週水曜日に逢い引きする約束をさせられた。
ジューヴとファンドールは女性の死体が発見されたシャレック邸を調査することにした。
邸内で二人は最近使われた形跡のあるペンを見つける。家主は毎週水曜日に幽霊が出るのだと言い出す。
ジューヴは地下にあるボイラーと雨水をためる水槽に注目する。
次の水曜日、ベルサム夫人が屋敷に入り、ジューヴとファンドールも忍び込む。中にはファントマがいた。
ヒーターの送風口から様子をうかがうジューヴとファンドール。ファントマは夫人に4日後のジューヴ殺害を予告する。
狙われていることを知ったジューヴは腹と腕に釘を打ったベルトを巻き、ファンドールを隠れさせて待ち構える。
夜明け前、部屋の中に大蛇が放たれた。ジューヴに巻きつく大蛇。ジューヴの声にランプを灯すファンドール。ジューヴは無事だった。大蛇は逃げていく。
ベルサム邸を隠れ家とするファントマはジューヴたちの張り込みに気づき、罠を仕掛ける。
ジューヴ率いる警官隊がベルサム邸に踏み込んでいく。黒衣に身を包んだファントマは地下室の水槽に身を隠す。
そうとは知らぬジューヴは暖房装置の配管に潜んでいると考え、ボイラーを焚いてファントマをいぶり出そうとする。
フタを外して待ち構えるジューヴ。出てきたのは大蛇だった。ジューヴは蛇を撃ち殺す。動物愛護で騒がない時代なので、本当に蛇の首がちょん切れている。
地下室から屋外に脱出したファントマは屋敷を爆破したのだった。
前半では証拠を消すという名目で列車衝突という大惨事まで引き起こすファントマの極悪ぶりが描かれるが、結局残り半分の札を奪う計画は、うやむやになってしまう。
そもそも事件の発端となるベルサム卿夫人に見せかけた死体をファントマ本人の隠れがで見つけさせることからして理解しがたい。
ジューヴ警部暗殺に大蛇を使うというのもヘンな展開。大昔のスリラーだから仕方ないのかもしれない。
毎回ファントマにマヌケな逃げ方をされるジューヴとファンドールだが、今回は両脇から抱え込みながらも、実は義手を掴まされていたというドジぶりを発揮する。
ファントマの情婦ベルサム卿夫人も再登場。1作目ではファントマ脱獄計画の首謀者という悪女ぶりを見せていたのが、一転して罪の意識にさいなまれながらもファントマと手を切れないでいる女性という設定に変わっている。(さらに4作目では再婚してファントマに脅迫される)
一貫性に欠けるキャラクターだが、いずれにしても魅力的を感じさせない女優なのが最大の難点。
ファントマ対ジューヴ警部