原題 ; FUTURESPORT(1998)
 監督 ; アーネスト・ディッカーソン
 脚本 ; ロバート・ヒューイット・ウォルフ
 音楽 ; スチュアート・コープランド
 出演 ; ディーン・ケイン、ヴァネッサ・ウィリアムズ、ウェズリー・スナイプス
出演もしているウェズリー・スナイプスが製作総指揮も勤めたテレフューチャー。
「ローラーボール」をパクった企画という印象は免れないが、リメイク版「ローラーボール」よりは好きな作品。(ジェームズ・カーンが主演したオリジナル版は見逃している)
2025年、世界は北アメリカ同盟と太平洋連邦の2大勢力に分かれていた。独立を目指すハワイとアメリカは対立、緊張を高めていた。
この時代、最も人気を集めているのがフューチャースポーツ。5人で宙を飛ぶボードに乗り鉄球を奪い合ってゴールを競うゲームで、鉄球は一人の選手が5秒以上保持すると放電して感電させる仕組み。感電に耐えられれば鉄球を持ち続けても構わない。
オビケ・フィックス(ウェズリー・スナイプス)はフューチャースポーツの創始者だが、プロ・リーグとは対立していた。
その優勝決定戦会場にハワイ解放戦線のテロリストが潜入。
トップ選手のトゥレ・ラムジー(ディーン・ケイン)はレポーター、アレックス(ヴァネッサ・ウィリアムズ)の取材中にテロリストの攻撃を受けるが、他の選手たちとともに反撃、テロリストを撤退させた。
いよいよ決勝戦、ラムジーはスタンド・プレイに走り新人ジェット(レーチェル・シェーン)にパスせず、チームを敗北させてしまう。
ラムジーの人気は凋落(この時代の有名人は、活動分野にかかわらず人気度が登録され、リアルタイムで変動するらしい。人気は落ちても、まだ大統領より上、なんてセリフも登場する)、恋人にも逃げられてしまう。
アレックスはテロ組織ハワイ解放戦線の活動に抗議するためラムジーに協力を求める。
一方、ハワイでは解放戦線が行動を開始、戦争状態になっていた。
ラムジーは、ハワイ独立の可否をフューチャースポーツで決着することを提案。なんと実現する。
もともとフューチャースポーツは、スラム街での抗争を流血なしで解決するためフィックスとラムジーが作り上げたものだった。
フィックスは太平洋連邦のコーチを引き受けた。彼にはスラム浄化のための資金が必要だったのだ。
チームは出身地別に分かれるため、ジェットは敵に回った。逆にライバル・チームのエース、ベッカーが味方となる。
今度はチームの団結に尽力するラムジー。彼はアレックスと結ばれるが、試合を放棄するよう脅迫が入る。
翌日、チームのコーチが暗殺された。
逃げ出すメンバーも出て、新しいコーチは見つからない。ついにラムジーは、自らがコーチに名乗りでる。中傷を避けるため人気度登録を抹消しての行動だった。
ディフェンスのコーチにはフィックスが参加。
本当に戦争が回避できるのか迷うラムジー。アレックスは、やってみるだけの価値はあると励ます。
試合の5時間前、アレックスが解放戦線に誘拐されてしまう。事前に渡してあった発信機でアレックスの居場所を知ったチームのメンバーは救出に向かう。
フィックスと部下たちも加わって奇襲攻撃をかけるラムジーたち。
負傷者も出たがアレックス救出に成功、メンバーたちは試合場へと急ぐ。
没収試合直前、チームは間に合った。
太平洋チームのジャミストンは、徹底したラフ・プレイで北米チームを潰しにかかる。
倒れた選手の代わりにフィックスが参加、ジャミストンを叩き伏せた。
もともとラフ・プレイを嫌っていたジェットは残りのメンバーにフェア・プレイで戦わせる。
同点に追いついた北米チームは、ラムジーのパスからベッカーがシュートを決め勝利した。
逃げた恋人が途端に態度を変えてなびいてくるが、今やラムジーにはアレックスがいた。
チームはラムジーがコーチを兼任、ジェットも戻ってチームは新シーズンへと挑戦を開始するのだった。
戦争回避のためスポーツで決着をつけるという展開はちょっと苦しいが、登場人物の描写など意外としっかりしている。
テレビ・ドラマなので派手な見せ場はないが、テンポよく進んで飽きさせない。
人気におごっていた主人公の再生、チームメイトとの友情といったスポーツ物のツボもきっちり押さえてある。
余眼帯の女選手を演じたレーチェル・シェーンはヴァレリー・チョウの名前で「恋する惑星」「不夜街U復讐の天使たち」「カルマ」など多くの香港映画に出演している。
デス・ゲーム2025