原題 ; THE GRANNY(1995) |
監督 ; ルカ・ベルコヴィッチ |
脚本 ; ルカ・ベルコヴィッチ |
音楽 ; ケンドール・シュミット |
出演 ; ステラ・スティーヴンス、シャノン・ウィリー、ルカ・ベルコヴィッチ |
もともとバケモノじみた老婆が、変質した秘薬を飲んで本物の怪物になってしまうブラック・ユーモア・タッチのB級ホラー。 冒頭ではクイーチャと呼ばれる秘薬を使った悪魔祓いが描かれる。クイーチャは日が沈んでから使用しなければならないという決まりに反したため悪魔祓いは失敗してしまう。 そして現在、車椅子で生活する老婆グラニー(ステラ・スティーヴンス)は若返りの秘薬探しに腐心していた。 身の回りの世話をするのはケリー(シャノン・ウィリー)。 彼女の財産を狙う者たちを招いて感謝祭のパーティーが開かれる。 グラニーのスープの中に何者かが薬品を入れた。 そこにネイモン・アミ(ルカ・ブルコヴィッチ)と名乗る男がやってくる。彼は永遠の命を与える善と癒しの秘薬クイーチャを届けにきたのだ。 この薬の恩恵を得るには清い心が必要だという。アミは、グラニーが匿名で巨額の寄付をしていることを突き止め、クイーチャを無償で与えに来たのだ。 薬を使うには、日光に当てないこと。清めの儀式を行い、家族と仲直りすること。そしてもう一つの条件があった。 ケリーは、この会話をインターカムで盗み聞きしていた。 はなから陽を浴びてクイーチャは変質。それを舐めた猫はクリーチャー化する。 ディナーが始まり、グラニーはスープを飲んでも平気だったが、興奮して心臓発作を起こし倒れてしまう。 デヴィッドとアルバートの息子兄弟は遺書を偽造して、グラニーの命を狙い始める。 グラニーは、ケリーに私のように醜く老いてはいけないと言う。 夜が更け清めの儀式を適当に済ませたグラニーはクイーチャを飲んでしまった。途端に苦しみだすグラニー。 慌ててインターカムでケリーを呼ぶが、ケリーは妙にクール。落ち着いてスープを運んでいく。彼女はすでに息を引き取ったグラニーを発見した。 書き換えられた遺言書では、ケリー以外に1500万ドルが遺され、ケリーの取り分は1ドルとされていた。 疑惑を抱きつつもケリーは遺言書に従うと言う。弁護士も同様の意見だった。 その夜、身内でのパーティが開かれる。通夜のはずが、祝賀会のような派手なパーティ。早速、アルバートは屋敷を壊してマンションを建てるとぶち上げる。 アルバートの次女アントワネットはデヴィッドを誘惑していた。 霊安所では従業員とその恋人が、グラニーの指を切って指輪を盗もうとしていた。突然グラニーは甦り、二人を殺す。 屋敷に戻ったグラニーは、アルバートをカミソリで切り裂く。叫び声を聞きつけたデヴィッドは屋敷を捜索する。 次の犠牲者は遺品である毛皮のコートに夢中になっていたアルバートの妻アンドレア。なぜかミンクの襟巻に噛みつかれて死ぬ。 アントワネットに誘われたデヴィッドがベッドでズボンを脱いで良い気持ちになっていると、アントワネットはグラニーの変身。正体を現したグラニーはデヴィッドの急所を切断、次に首もちょん切る。 叫びを聞いたケリーは猟銃を手にする。彼女はアルバートの死体を発見。発狂してデヴィッドの死体をかじるアントワネットの姿もあった。 ドアを破ってグラニーが入ってきた。アルバートの息子ジュニアの首を折って殺す。アルバートの三女エイミーに襲いかかろうとしたところをケリーが撃って倒す。 門に鎖が掛けられていたため、ケリーは隙間からエイミーを逃がし助けを呼びに行かせる。 嵐の中を走るエイミーを追う人影。それは助けに来たアミだった。 食堂ではゾンビと化した一家がディナーの最中だった。ケリーは包丁で立ち向かおうとするが後ろから殴られて気絶してしまう。甦ったグラニーの夫タイラスだった。 そこにアミの指示を受けて戻ってきたエイミーがゾンビたちを引きつける。 その間にアミがケリーを助けた。ケリーにアントワネットが飛びかかってくる。アミは聖剣でアントワネットを刺し滅ぼした。 エイミーに魔物が取りついた。聖剣を手にするアミ。そこにゾンビ猫を抱いたグラニーが現われる。 グラニーと対決しようとしたアミを、エイミーが聖剣で貫く。アミは消滅した。 グラニーはケリーに第2のチャンスを与えると言い出す。自分の力を継がせ、世界をおとしめさせようというのだ。 断ったケリーの姿が老婆に変えられてしまう。見苦しい肉弾戦が展開、最中に正気を取り戻したエイミーがケリーに聖剣を渡す。 ケリーはグラニーを貫くが、グラニーを滅ぼすことは出来なかった。剣を奪って迫るグラニー。 夜が明けていることに気づいたケリーは鎧戸を落とす。陽光を浴びてグラニーと家族たちは爆発した。 事件は遺言書の偽造を知ったグラニーが家族を殺した爆弾を破裂させたということで決着がつく。 残ったのはケリーとエイミーのみ。 ケリーは言う「皆は弱く、私たちは強かった」。すでにケリーとエイミーも魔に取りつかれていたのだった。 原形をとどめない老婆メークで怪演するステラ・スティーヴンスが見物。 いかにもお下劣な低予算B級ホラーで、ストーリーの細部もテキトーなのだが、テンポが良く意外と楽しめる作品に仕上がっている。 |