ガールズ・スクール・スクリーマーズ
 原題 ; GIRLS SCHOOL SCREAMERS(1986)
 監督 ; ジョン・P・フィネガン
 脚本 ; ジョン・P・フィネガン
 音楽 ; ジョン・ホディアン
 出演 ; モリー・オマラ、シャロン・クリストファー、マリ・バトラー、ピーター・コシマーノ
幽霊屋敷と噂される家には殺人鬼と亡霊が潜んでいたというB級ホラー。
肝試しのため幽霊屋敷ウェルズ邸に入り込んだビリー少年は、花嫁衣装を着て虫が這いまわるドクロの亡霊に脅され、逃げ出していく。
表で待つ友人たちのもとにたどり着いたビリーは、そのまま意識を失ってしまうのだった。
持ち主の遺言により、トリニティ女子学園にウェルズの屋敷と家具が寄贈された。
学園は屋敷の家具を競売にかけることを決める。
学長シスター・アーバンの指示によってジャッキー(モリー・オマラ)、エリザベス、カレン、アデル、ケイト、スーザン、ローズマリーの7人の生徒が屋敷で目録を作ることになった。
学長と7人は屋敷に到着。
そこにロバート・フィッシャーという医者が屋敷を購入したいと見学を申し出てきた。一通り屋敷を見てロバートは引きあげていく。
学長が席をはずすと、7人はかくれんぼをして遊び始める。ローズマリーが鬼になってゲーム開始。
隠れていたジャッキーは、ジェニファー(モリー・オマラ二役)という女性の日記を見つける。
ジェニファーはアーバン修道院の修道女になると書いていた。
夕食のとき、ジャッキーがジェニファーのことを口に出すと、学長は彼女のことを話し始める。大学3年で両親を亡くしたジェニファーは、この屋敷で夏を過ごした時に転落死したのだった。
実は殺人事件だったのではないかと騒ぎだしたリズは、降霊術でジェニファーの霊を呼び出すと言い出す。
アルファベットを記したカードを円形に並べて中央にドクロの像を置き皆が手を添えて質問する。
途中でカードが吹き飛び一同は大騒ぎ。学長が聞きつけてお開きとなった。
真夜中にリズとジャッキーは広間にあったジェニファーの肖像画を確かめに行く。カバーを取るとジェニファーはジャッキーに生き写しだった。
ジャッキーはジェニファーの日記を読む。
ジェニファーが屋敷の持ち主である叔父のタイラーと初めて会い、二人が恋に落ちていくいきさつが書いてある。
美術商の富豪タイラーはジェニファーをヨーロッパの買い付け旅行に誘い、肖像画を描かせた。
だが、修道女になる決心をしていたジェニファーは、屋敷を去ることにする。
日記はそこで終っていた。
翌朝、目録作りが始められる。
荷物用の小型エレベーターで遊んでいたローズマリーがナタで襲われた。
一方、学長は具合が悪くなって寝込んでしまう。
夜になってもローズマリーが戻らないので、カレンが探して地下室に行く。ローズマリーの死体を見つけたカレンもフックで吊るされて犠牲になる。
表に出たケイトは湖に引きずり込まれた。
ジャッキーのボーイフレンド、ポールが仲間のブルースを連れてジャッキーに会いに来る。古い新聞記事を調べてジェニファーがジャッキーとそっくりなことに気付いたのだ。
学長が重態で困っていたジャッキーは助けに舟と喜ぶ。
表で待っていたブルースは、突然動きだした車に轢(ひ)かれてしまう。
アデルが走ってきたクラシックカーの運転席を覗くと無人だった。
地下室の電灯をつけようとしたスーザンは、感電して全身焼け焦げになって死ぬ。
睡眠薬で寝ていたエリザベスは何者かに引きずられていく。
ポールは腹に鋤を突き刺されてしまう。
意識を取り戻した学長は、ジャッキーに屋敷を出るよう命じる。ジャッキーは外に出ようとするが、すでに扉が閉ざされていた。
そのころ病院で冒頭の少年がうなされ「あいつは生きている」という。ビリーの主治医はフィッシャー医師だった。
ジャッキーが屋敷を歩き回ると、花嫁衣装を着せられた6人の死体が座らされた部屋があった。
そこにタイラーが現れる。彼はジェニファーが帰ると信じて何年も待ったのだという。
ポールとブルースの死体もあった。ジャッキーは泣き崩れる。
起きだした学長が肖像画の前に立つと、邸内に風が舞い起こった。
花嫁衣装のジャッキーが起き上る。ジェニファーの霊が乗り移っていた。エリザベスも息を吹き返す。
ジェニファーは肉欲に狂ったタイラーに犯されそうになり、抵抗したため階段から突き落とされ死んだのだった。
復讐のためジェニファーの霊は40年間とどまっていた。ジャッキーはタイラーの両目に指を突き立て、ジェニファーの復讐を果たす。
ジャッキーはエリザベスとともに学長を病院に運んでいく。
すべてが終わり、屋敷の窓には外を眺めるジェニファーの姿があるのだった。
完成度はさほど高くないが、スプラッターホラーと怪談話を組み合わせた努力は評価できる。
この手のホラー作品の中では比較的まとまったストーリーになっていると思う。
ラストで一気にオチをつけているので、タイラーが異常をきたして殺人鬼になった経緯が不明だし、40年間誰にも見られずにどうやって暮らせたのかは謎だが。
せっかく伏線を張ったのに医者や少年のエピソードが活かせてないのも残念。