原題 ; IRRESISTIBLE FORCE(1993)
 監督 ; ケヴィン・フックス
 脚本 ; カールトン・イーストレイク
 音楽 ; デヴィッド・マイケル・フランク
 出演 ; ステーシー・キーチ、シンシア・ラスロック、ポール・ウィンフィールド
こちらはテロリストに占拠されたショッピング・モールには最強の女刑事がいたという設定。
テレフューチャーで予算も少なく、ランニング・タイム80分弱の小品だが、ケヴィン・フックス監督のテンポの良い演出で楽しめる作品となった。
キャスティングはステーシー・キーチがトップだが、実際にはシンシア・ラスロックの方が見せ場が多い。格闘アクション女優なので、クライマックスに敵のボスが1対1で勝負だ、とか言い出すのが御愛嬌。追い詰められた状況なので勝っても逃げられるとは思えないのだが。
フランクの家に一味が押し入り、息子ジェシーを誘拐フランクを脅迫する。
ショッピング・モール、ハーモニーホールがオープンの日、引退を考えているハリス刑事(ステーシー・キーチ)は、新人の女刑事チャーリーことシャーロット(シンシア・ラスロック)とコンビを組む。統計上婦人警官が発砲する確立が低いための希望したのだ。
早速、強盗事件に出動、見事に解決するがシャーロットとハリスは乱暴なやり方を上司のトゥーリ(ポール・ウィンフィールド)に非難されて停職にされてしまう。
シャーロットは元海軍特殊部隊の戦士。家族のために安全を考え女性と組んだら、下手な男以上の武闘派だった、という展開。
モールの開幕式が始まり、ハリスはシャーロットを連れて妻へのプレゼントを買いに行く。
ハリスは、警備員の一人が5年前に逮捕したテロリストと気づく。シャーロットは警備員をつけるが、ハリスは定職を知るライヴァルに追い出されてしまう。
警備会社の代表に成りすましてスピーチするテロリストのボス。デモンストレーションのふりをしてシャッターを下ろしてしまう。
防災センターを占拠するテロリストたち。セレモニー会場も襲撃され、知事や市長を含めて多くの人間が人質になる。
ジェシーもモールに連れ込まれていた。ボスの指示で行動を開始するフランク。
要求は逮捕されている部下の釈放、1億ドルと脱出用の装甲車。ボスは死んだと思われていた組織の創設者バロン(クリストファー・ニーム)だった。
シャーロットは商品のトランシーバーで連絡を取り行動を開始、制御室を奪い返す。
制御室をめぐって銃撃戦となり、シャーロットはジェシーを救出。二人はシャフトを登って上階へと逃げる。盗癖のあるジェシーは、工事中からモールに忍び込み構造を熟知していた。
一方、ハリスは、ゴミのシューターを這い登って潜入に成功。
襲ってきたテロリストたちをブチのめしながら逃げるシャーロット。過激派のバロンは、刑事にしてはタフすぎると感心。
シャーロットはジェシーの父が警察ヘリの整備工であることを知る。
犯人たちは神経ガスを準備していた。さらに敵を倒すシャーロット。銃を構えた敵に囲まれてしまうが、ハリスの登場で窮地を脱した。
二人は奇襲をかけ、敵が用意した神経ガス用防護服を燃やしてしまう。
フランクは警察により拘束され、彼が爆弾を仕掛けたヘリも止められた。
シャーロットとハリスは展示品のバイクで敵の包囲を破り、ロケット砲を奪ってシャッターを破壊した。
突入する警官隊。バロンたちはジェシーを捕まえ人質にして屋上へと逃げた。
追い詰められたバロンは、シャーロットに素手での決闘を申し込む。
階下での銃撃戦をよそに屋上では1対1の格闘が展開。形勢不利となったバロンは銃を構えるが、駆けつけたハリスに射殺された。
事件は解決し、トゥーリは二人にバッジを返すのだった。
前半意味ありげに描かれるフランクの存在が尻つぼみになるのは、ちょっと残念。
余談=シンシア・ラスロックは元全米女子空手チャンピオン。もうちょっと美形だったらという声もあるが、白人女性の格闘アクション・スターとしては唯一無二ともいえる存在。本作でも、なかなかしなやかな動きを見せてくれる。香港での修業を経てハリウッドに進出(といっても香港資本の擬似ハリウッド映画が多いようだが)、数多くの主演作を持つ。残念ながらB級作ばかりで、作品自体の完成度はそれほど高くない。今まで見たシンシア・ラスロック主演作では本作が一番面白かった。
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