製作 ; (1994) |
監督 ; アミノテツロー |
脚本 ; アミノテツロー、荒川稔久.、松本肇 |
音楽 ; 吉川洋一郎 |
出演 ; (声)久川綾、小杉十郎太、池田勝、千葉繁、麦人、かないみか、坂本千夏 |
雨宮慶太監督「ゼイラム」のイリヤを主人公にOVA化。 「ゼイラム2」製作とほぼ同時期に、「射干玉ぬばたま」「暴あかしま」「面影おもかげ」「帚木ははきぎ」「声風こわぶり」「麻本呂婆まほろば」の6巻に分けてリリースされた。 雨宮慶太はビジュアル設定という役割で参加。キャラクター原案を桂正和が担当した。そのせいか主要キャラクターと脇役の落差が大きい気がするが、よく考えるとOVAって大半がそうか。 映画版の「ゼイラム」シリーズとはパラレル・ワールドという設定。フジクロも「ゼイラム2」とは異なるキャラクターとして登場する。 マイス星のイリア(久川綾)は見習いの捜索者。 一流の捜索者である兄グレン(小杉十郎太)は、仲間のボブ(池田勝)とともに小型宇宙船クレイパーで新しい仕事に向かう。 妨害者の攻撃にあったグレンを援護するため、イリアはライバルのフジクロ(千葉繁)とともに後を追った。 結局、グレンたちはイリアを同行して目的地にワープする。 任務はハイジャックされた貨物宇宙船カルマ号の乗組員救助と積荷の回収。 三人がカルマ号に乗り込むと、船内はひどい惨状だった。 そこに襲ってきたゼイラムにグレンが立ち向かう。回収する積荷とはゼイラムだった。 イリアたちは生き残った船員を脱出させるが、ボブはゼイラムに襲われ重傷を負う。 グレンは、クレイパーでイリアを脱出させるとカルマ号を爆破した。 イリアが不時着したのは惑星タオ・ワ・ジャンだった。 コミマサ(坂本千夏)率いる孤児集団がイリアのクレイパーを狙う。 メンバーの一人ケイ(かないみか)に非常食を食べられたイリアは激怒。ケイを捕まえるが見逃してやることにする。 ゼイラムもタオ・ワ・ジャンに降り立っていた。管理局はゼイラムの暴れているのが貧民地区と知ると、町の浄化と称して住民見殺しを決め込む。 戦いに向かうイリア。カルマ号で負傷したゼイラムは完全な状態でないが、それでも体力はイリアに勝っていた。その時、ケイがクレイパーを操って援護してきた。 危機を脱したイリアは、ゼイラムをクレイパーのワイアでひきずり管理局へと運び込む。 イリアはゼイラムを転送機で飛ばしてしまう。 ワープする金がなかったイリアは、クレイパーでマイス星に戻った。当局に問い合わせると、ボブは3日前に交通事故で死んだことになっていた。カルマ号に関するデータは全て消去されていた。 グレンの事務所は爆破され、イリアも狙われるがフジクロが救出に来た。 何者かがフジクロをイリアの護衛に雇ったのだ。 ゼイラムは不死身の宇宙生物。宇宙法で飼育が禁じられた凶暴な生物だった。 それをテダン=ティッペダイ社がカルマ号で輸送していたのだ。 イリアはテダン=ティッペダイ社に乗り込む。 副社長プットゥバヤ(麦人)はイリアを殺そうとするが、イリアはコンピューター化したボブに導かれ脱出する。 誕生日を迎えイリアは正規の捜索者となった。 一方、タオ・ワ・ジャン再開発で住処を追われたコミマサとケイは、マイス星目指して密航。だが、ドクター・トウカ(藤本譲)を乗せた、その宇宙船はハイジャックされてしまった。 イリアは、ゼイラム研究の第一人者であるドクター・トウカ救出に向かう。 イリアが敵地に乗り込むと、ハイジャック犯も救助隊員も皆殺しにされていた。 そのころ、コミマサとケイは、ドクター・トウカを助け出していた。 トウカは、ゼイラムの反応があることに気づくが、襲ってきたのはゼイラムとは違う生物だった。イリアは、意外にあっけなく生物を倒す。それはゼイラムが自ら作り出したクローン生物だった。 そこに現れたグレンが攻撃を仕掛けてくる。どうやら殺したグレンの遺伝子をゼイラムが取り込んだらしい。 イリアたちは脱出しようとするが、クレイパーも転送機も破壊されてしまう。 怪物化して襲ってきたグレンをイリアは焼き尽くすが、コミマサは命を落としてしまった。 ケイを連れ故郷バタビタジラでコミマサを埋葬するイリア。 ゼイラムは有機体を求め、マイス星に現れた。 トウカは危機を主張するが、政治家は取り合わない。 ゼイラムに取り込まれたグレンの細胞が自分に感応すると考えたイリアは一人で行動し消息を絶つ。 マイス星ではクローン・ゼイラムの大群が暴れ始めた。だが、ゼイラム本体の姿はなかった。 マイス軍は優勢に立つが、ゼイラムが現れると状況は逆転する。 グレンの武器を使って大暴れのゼイラム。そこにイリアがやって来た。 イリアはゼイラムの強さに圧倒される。その時、ゼイラムの中からグレンが姿を現し自分を撃つように言う。 迷いながらも攻撃を仕掛けるイリア。手榴弾の爆風に吹き飛ばされるが、間一髪フジクロに救い出された。 マイス軍は大型転送機でゼイラムを宇宙に飛ばしてしまおうと計画する。 ゼイラム攻略に悩むイリア。意を決して出撃する。 転送エリアの中に突っ込むイリア。ケイとフジクロもクレイバーで追ってきた。 ゼイラムの支配するビルに乗り込むイリアとケイ。転送の時間が迫っていた。 イリアはケイを逃がし単身ゼイラムとの決戦に挑む。 転送されたイリアとゼイラムは砂漠で戦い始める。 ゼイラムに取り付かれるイリア。イリアはゼイラムと同化することで弱点を突き止めようとしていた。 笠に付いた小さな顔が弱点と知ったイリアは、ついにゼイラムを倒す。 クレイバーで迎えに来たケイとともに、イリアは危険な砂漠を脱出するのだった。 SFアクション・アニメとしては水準以上の出来とは思うが、ドラマ的には大味。各エピソードともスピーディーな展開で楽しませてくれるが、ゼイラムに関する設定が明確でない。後半、捜索者として成長したイリアが、ケイに未熟だったころの自分を見出す、という展開も効果的には生かされていない。 |