原題 ; IN THE SPIRIT(1990)
 監督 ; サンドラ・シーキャット
 脚本 ; ジーニー・バーリン、ローリー・ジョーンズ
 音楽 ; パトリック・ウィリアムズ
 出演 ; マーロ・トーマス、エレイン・メイ、ピーター・フォーク、メラニー・グリフィス
「天国から来たチャンピオン」「バードケージ」の脚本で知られるエレイン・メイが主演したブラック・コメディー。
マリアン(エレイン・メイ)は、夫ロジャー(ピーター・フォーク)がクビになった。
リーヴァ(マーロ・トーマス)は客ともめていた娼婦のクリスタル(ジーニー・バーリン)を偶然助けて友人になる。
パーティーでマリアンとリーヴァが出会い、リーヴァはマリアン夫婦の部屋の改装を請け負うことになった。
失業中のロジャーは、ホームレスのドキュメンタリー番組を見て暮らしていた。ロジャーとマリアンは、部屋の改装が終わるまでリーヴァの家に居候することにする。
ロジャーは仕事が見つからず、改装もトラブルが続いて、いっこうに進まない。クリスタルは男に金や宝石を盗まれてばかり。
ある日、クリスタルがウォーターベッドの下敷きになって死んだ。
ロジャーは書置きを残して家出。リーヴァに愛想をつかしたマリアンも、改装中のアパートに住むと出て行ってしまう。
その夜、リーヴァの部屋に侵入者があった。次にマリアンの部屋が襲われる。
二人が事件を調べようとすると、今度は車に閉じ込められてしまう。切られた配線をつないで、なんとか脱出したが、警察は取り合わない。
マリアンは、以前クリスタルから預かった手帳に秘密があると思いつく
二人は娼婦に化け、クリスタルの仲間ルリーン(メラニー・グリフィス)に会う。その直後、ルリーンは車にはねられて死んでしまう。
二人は田舎にある霊媒師の集落に身を置き、犯人を誘き寄せて始末しようと計画をたてる。
家の内外に罠を仕掛けて待つ。夜も交代で見張るのだが、リーヴァはベラベラ話し続けてマリアンを寝かせない。
麻薬の売人をしている悪徳警官がクリスタルの事件を担当したウェバー刑事と見込んだ二人は、上司のケリー警部に通報する。
だが、その夜リーヴァは、ケリー警部こそ、クリスタルが残した手帳に暗号で記された謎の人物チャックルではないかと思いつく。
庭で犬が倒され、犯人が銃でドアを壊し侵入してきた。階段上につるしておいたドアを落とすが、下でつぶれていたのは人形だった。
背後から襲ってきたケリー警部は二人に銃を突きつける。
手帳にはケリーとマフィア幹部の名前が暗号で書かれていた。警察の手に渡ればケリーは証人として喚問され、マフィアから狙われる身となってしまうのだ。
ケリーはアイスボックスに手帳が隠してあるのを発見。リーヴァの制止も聞かず手を突っ込んだため、最後の罠にかかって感電死してしまう。
結局、犬が何者かに襲われたという通報でやって来たケリー警部が、過労のため心臓発作を起こしたということにして一件落着。
屋敷の外ではケリー警部の死体を運ぶ救急隊員が落とし穴に引っ掛かっていた。
脚本のジーニー・バーリンはクリスタル役で出演もかねているが、共同脚本のローリー・ジョーンズもリーヴァの家に通う家政婦役で出演している。実は仲間うちで製作した作品なのかもしれない。
それほど歯切れ良い演出ではないのが残念だが、それなりに楽しめる出来栄えではある。
ビデオパッケージには霊感コメディとある。確かにヒロインが夢をヒントにして事件の真相を探っていくのだが、ファンタスティックな演出がされていないので、単なる御都合主義という印象になっている。
むしろ女優二人の、かしましい掛け合いで見せてしまう作品。
通好みで凝った配役の作品ともいえるが、ピーター・フォークは序盤で姿を消してしまうし、メラニー・グリフィスはワンシーンのみのカメオ出演なので、あまり豪華な印象は残らない。
イン・ザ・スピリッツ