原題 ; THE ISLAND AT THE TOP OF THE WORLD(1974) |
監督 ; ロバート・スティーブンソン |
脚本 ; ジョン・ウェドン |
音楽 ; モーリス・ジャール |
出演 ; ドナルド・シンデン、デヴィッド・ハートマン、ジャック・マラン、マコ |
ディズニー映画を多く手がけ、「フラヴァ」「メリー・ポピンズ」「ラブ・バッグ」などの快作をものにしたロバート・スティーブンソン監督、晩年の一本。 イアン・キャメロンの冒険小説「呪われた極北の島」を他愛なく楽しめるファミリー・ピクチャーとしてディズニーが映画化した。 原作自体、1961年に書かれた小説としては古風なタッチなのだが、映画版は時代設定を1907年に移しレトロ感覚を更に増している。 昔の「地底探検」や「失われた世界」を思わせる作品で、トカゲ恐竜が出現しないのが残念なくらい。 北極への移動手段も原作の飛行機と犬ゾリから飛行船に変え、ビジュアル的な面白さを増すように工夫している。 考古学者アイバーソン教授(デヴィッド・ハートマン)はアンソニー・ロス卿(ドナルド・シンデン)に依頼され、行方不明の息子ドナルドを捜す旅に同行することになる。 残された手がかりからするとドナルドは北極の地図にない島にあるクジラの墓場に向かったらしい。 一行はフランスでブリュウ船長(ジャック・マラン)の操る飛行船に乗り込み北極を目指す。 途中で立ち寄ったエスキモーの集落でドナルドを案内したというウーミアック(マコ)を見つけ、誘拐同然に同行させる。 目的地も間近に迫ったところで飛行船が乱気流に巻き込まれ3人は脱出するが船長は飛行船とともに流されていってしまう。 教授たちは目的地の村に辿り着く。 そこは火山熱により緑の茂る異郷で、住民はバイキングの末裔である白人のエスキモーだった。 村は狂信的な司祭ゴーディに牛耳られており、一行は先に捕らえられていたドナルドとともに死刑を宣告される。 皆を助けたのはドナルドを愛する長老の娘フレイヤ(アニエッタ・エクミール)だった。 一行は追われながらも「地獄の入口」と呼ばれる抜け穴に入る。 ここで背後に迫る溶岩から走って逃げるという、インディ・ジョーンズも裸足で逃げ出す無茶な見せ場が登場。 このシーンで画面いっぱいに降りそそぐ火の粉は、大量のシャボン玉に光を反射させているように見える。 クジラの墓場に到着した一行は氷塊に乗って海を渡ろうとするが、どう猛なシャチの群れに襲われてしまう。 あわやという時にシャチを銃撃で追い払ったのは対岸に不時着していたブリュウ船長だった。船長は飛行船を離陸させることに成功するが、風向きが変わりエスキモーたちが待ちかまえる方向に流されてしまう。 エスキモーの放った火矢を受けて炎上する飛行船。 一行は脱出に成功。飛行船はゴーディ司祭めがけて墜落した。 狂信的指導者のいなくなった村で新たな裁きが行われ、村の秘密を守るため一人が人質として残ることを条件に他の者の帰還が認められた。 最初はドナルドが指名されたが、アイバーソン教授が志願して残ることになった。 ドナルドと同行を決めたフレイヤを連れ一行は村を後にする。 その後姿をアイバーソン教授は名残惜しそうに見つめるのだった。 |