原題 ; KUNG-FU WONDER CHILD(1989)
 監督 ; リー・ツォー・ナン
 脚本 ; チャン・ツンイー
 音楽 ; 
 出演 ; リン・シャオロウ、大島由加里、ワン・チャン
香港タイトルは「霊幻童子」。
いかにも香港らしいB級スチャラカ・ホラー・コメディ。「新桃太郎」シリーズのリン・シャオロウと、日本から出稼ぎで活躍していた大島由加里の共演が魅力の作品ではある。
悪の北派導師・玄真が老人と娘を襲い、南派の宝・銀の骸骨を奪う。
玄真は二人の魂を壷に封じ込める。彼は封じ込めた霊と金銀の骸骨を使って妖術・延寿術を完成させようとしていた。
なぜか玄真に仕える醜い妖魔につきまとう二人の子供キョンシーが登場するが、冒頭だけ。「霊幻道士2」にあやかろうと思いつきで付け加えただけなのだろう。
一方、多くの弟子を抱える北派老師の元に、料理人フー・ウォンとその孫娘・小君(リン・シャオロウ)がいた。二人は南派の妖術使いであることを隠して暮らしている。
小君と幼なじみの間抜けな二人の弟子ミ・フーとトゥドは、日頃からイタズラばかり。
前半は三人が、威張りやの教官にイタズラを仕掛けるギャグが中心で、ストーリーはあまり進行しない。
ある日三人は、海秋月(大島由加里)と知り合う。彼女は行方不明の父と妹を探していた。どうやら冒頭で殺された二人らしい。
さらに三人は夜中に裏山で玄真が延寿術の訓練をしているところに出くわす。玄真は老師の変装だった。
小君は老師に妖術をかけられ、無作法を犯し処罰されそうになる。だが、フー・ウォンの口ぞえで天門の試練を受け、これをクリアして助かる。この試練には「エイリアン」のフェイス・ハガーのそっくりさんと、驚くほど安っぽいモンスターが登場。
処罰のきっかけを失った老師は、暗殺者にフー・ウォンと小君を襲わせるが、これはあっさり返り討ち。
小君と秋月は再び裏山に行き秘密を暴こうとして、妖魔に襲われる。
この時壷が壊れ、秋月の妹・秋蓮は霊として姿を現せるようになるのだが、すぐ玄真に捕まってしまうのでストーリー的にはあまり意味がない。
延寿術の完成が迫っていた。術が完成すれば、利用された魂は成仏できなくなるのだ。
フー・ウォン、小君、秋月の三人は術の完成を妨げようと準備する。
ミ・フーとトゥドも加わって5人で裏山に行き妖魔を封じ、フー・ウォンが妖魔になりすます。
だが、玄真たちも見抜いていた。激しいような間抜けなような妖術の戦いが展開。
玄真はアニメ合成の竜に変身して攻撃。フー・ウォンと秋月はボコボコにされる。
小君の機転で術が解け玄真は人間に戻ったが、秋月は父と妹とともに葬ってほしいと言い残し息絶えてしまう。
次に玄真は妖魔と合体して鬼のような姿になる。4人がかりでも歯が立たないほど強い。
ミ・フーとトゥドは体中に火薬をくくりつけて玄真にしがみつき、玄真もろとも吹っ飛ぶのだった。呆然とするフー・ウォンと小君のストップ・モーションで映画は幕を閉じる。
コメディ・リリーフのキャラクターが敵とともに非業の死を遂げるのは、「霊幻道士」1作目のマネか。
基本的には子供向けの作品と思えるのだが、そのわりには殺伐としたストーリー展開なのが気になるところ。
それにしても化け物の造型は、もう少しどうにかならなかったのか。製作側もまずいと思ったのか、クライマックスの竜がアニメというのも、なんともはや。しかもかなり雑な絵柄で脱力感が増す。
ストーリーもギャグもヘッポコなんだけど、なんとなく憎めないところがあるのは香港映画の魅力だったりもする。
妖魔伝