原題 ; KULL、THE CONQUEROR(1997) |
監督 ; ジョン・ニコレラ |
脚本 ; チャールズ・エドワード・ポーグ |
音楽 ; ジョエル・ゴールドスミス |
出演 ; ケヴィン・ソーボ、ティア・カレル、トーマス・イアン・グリフィス |
テレビでヘラクレスを演じて人気となったケヴィン・ソーボが主演した剣と魔法のアドベンチャー映画。ロバート・E・ハワード原作とクレジットされている。 アトランティスのカル(ケヴィン・ソーボ)は騎士団に入団しようとしたが、タリガロ将軍(トーマス・イアン・グリフィス)は身分が卑しいと認めない。 その時、王が乱心して世継ぎを殺し始めた。王はタリガロ将軍にも切りかかるが、カルが止めに入る。 今度は王とカルの斬り合いとなり、王は倒れた。早速、タリガロ将軍と従兄弟のデュカロンが王冠を巡る争いを始める。二人に王位を渡すことを嫌った王はカルに王冠を渡して息絶えた。 王の遺志が尊重され、いきなりカルは王位を継ぐことになった。 かって奴隷船を漕がされていたカルは、奴隷の解放を宣言する。 市内を視察するカルは鞭打たれている男を見つける。それは異教であるヴァルカ教の高僧アスカレンテ(ライトフット)だった。 異教徒にも寛大なカルはアスカレンテを解放し、寺院の再建を認める。 奴隷の占い師ザレタ(カリーナ・ロンバート)も自由の身となったが自ら希望して城に残る。 囚われの魔術師エナロスはタリガロ将軍たち謀反を企む者たちをたぶらかす。彼の目的は、ヴァルカ神によって封印されたアクロンの魔術師アキヴァシャ女王(ティア・カレル)の復活だった。 エナロスによってアキバシャは甦った。デュカロンはアキバシャを姪のナレッサとしてカルに引き合わせる。 アキバシャに暗示をかけられたカルは、彼女を王妃に選んでしまう。 婚礼の日、ザレタの占いに死のカードが出た。彼女はカルを止めようとするが、聞き入れられない。 その夜、アキバシャは毒の息でカルを殺し、罪をザレタになすりつける。 カルは生きて地下牢につながれていた。アキバシャはカルを味方に引き入れようとするが、断られると処刑を命じた。襲いかかった獣人に鎖を噛み切らせ、脱出するカル。 途中で出会ったアスカレンテは、カルにナレッサの正体がアキバシャであることを告げる。 カルはラクダの腹にしがみついて市内に潜入。ザレタは王のニセ死体とともに焼かれようとしていた。 ニセの死体とすりかわったカルは火刑寸前に暴れ出し、アスカレンテとともにザレタを救い出す。 アスカレンテがザレタの兄と知ってカルは喜ぶ。もともとザレタは身分の低い者ではなかったが、異教徒として処刑されそうになった兄を救うため、交換条件として奴隷に身をおとしたのだった。 アキバシャの炎を消せるのは、北の海に浮かぶ氷の島にあるというヴァルカの息だけだった。 カルは昔の海賊仲間ジュバの船で北を目指す。 カルの目的を悟ったアキバシャはタリガロの船団を送り出す。 裏切ったジュバに眠り薬を盛られたカルたちは囚われてしまう。アキバシャに引き渡して一儲けしようというのだ。 「丈夫な縄が切れるものか」あざ笑うジュバ。だが床がもろかった。床板を引っ剥がして脱出したカルはジュバと手下を海に突き落とし船を制圧した。 船はついに氷の島へと到着した。入り江は船の墓場と化している。洞窟のあちこちには凍った人間の死体が突っ立っていた。 洞窟の奥にあるヴァルカの神像が、近づく者に冷気を吹きかけ凍らせてしまうのだ。 ヴァルカの息はアキバシャと同性の者、つまり女にしか運べないのだ。そのことに気付いたザレタがヴァルカの像に近づいていく。そこにタリガロの一隊が斬り込んできた。 像の口から吐き出された冷気がザレタに吸い込まれていく。島の冷気は途絶えた。 タリガロたちとの決戦となり、アスカレンテは死に、ザレタはさらわれてしまう。 タリガロはヴァルカの息でアキバシャを倒し王位に就くつもりだった。 洞窟に閉じ込められたカル。神への怒りに刈られて像に斧を振り下ろすと、その裏は入り江につながっていた。 時は満ち、アキバシャは変身を始める。そこにカルの船が戻ってきた。タリガロはザレタを使ってアキバシャの炎を消そうとするが、消すことができない。 駆けつけたカルはタリガロとエナロスを倒した。 アキバシャは炎の中で無敵の怪物へと変身していく。ザレタとキスしたカルはヴァルカの炎を受け取る。アキバシャを倒すことは、男にしかできないのだ。 醜いクリーチャーと化したアキバシャに口づけしてヴァルカの息を吹き込み、滅ぼすことに成功。再び襲いかかってザレタを人質にしたタリガロも得意の斧で倒した。 正式に戴冠したカルは法典を破壊、ザレタを妃にするのだった。 それほど大作ではないが、テンポ良く楽しめる作品。アクション・シーンが、ちょっと少なめなのは残念。 キャラクター的にも魅力があり、テレビ版ヘラクレスで人気を博したケヴィン・ソーボは得意とするタイプの役柄でもあり好演している。 「トゥルー・ライズ」以来の悪役に臨んだティア・カレルもハマっている。 成り行きで王になってしまった男の物語で、どこも征服しないから、ビデオ・タイトルは的はずれだが。 この手の冒険物は、あまり高予算でない方が、肩の力が抜けて楽しめる作品が出来るのかもしれない。シュワルツェネッガー主演作でも「コナン・ザ・グレート」より「レッド・ソニヤ」の方がお気に入りだったりする。 「シュワルツェネッガーのSF超人ヘラクレス」ほど安っぽいのも困り物だが。 余談=ケヴィン・ソーボのヘラクレス物にも登場する女戦士ジーナを主人公にした「ジーナ」シリーズも、なかなか面白そうだ。日本では6シーズン続いたシリーズの最終エピソードだけがソフト化されている。すべての戦いを終えたジーナが、過去の決着をつけるため日本に渡り、文字通り命を捨てて富士の裾野で魔王に決戦を挑む、というストーリーで思い切り盛り上がる。全シーズン分ソフト発売してほしい作品の一つだと思う。 |