原題 ; LAISSE ALLER.・・・C'EST UNE VALSE(1972) |
監督 ; ジョルジュ・ロートネル |
脚本 ; ベルトラン・ブリエ、ジョルジュ・ロートネル |
音楽 ; クリニック |
出演 ; ジャン・イアンヌ、ミレーユ・ダルク、ベルナール・ブリエ、ミシェル・コンスタンタン |
スプラスティック・コメディ・タッチで描かれるフィルム・ノワールの異色作。 ミレーユ・ダルクとのコンビ作の多いジョルジュ・ロートネルが奔放な演出で見せる。 強面の名バイ・プレイヤー、ミシェル・コンスタンタンが渋い表情でギャグを演じるのは、ちょっとバスター・キートン風。 盗んだ宝石の隠し場所を黙したまま服役してたセルジュ(ジャン・イアンヌ)が出獄する。模範囚だったので刑期が短縮されたのだ。 セルジュの妻カルラ(ミレーユ・ダルク)を囲っているバレーズ伯爵は、宝石を狙い4人の部下を差し向ける。 食えない警部ガイヨ(ベルナール・ブリエ)は、セルジュに宝石の在り処を白状すれば地下道から逃がしてやると持ちかけるが、セルジュはこれを拒否。 セルジュは刑務所近くの酒場で4人に拉致されるが、先に出所していた務所仲間ミシェル(ミシェル・コンスタンタン)が尾行していた。 ミシェルはセルジュが連れ込まれたアパートの隣室に忍び込む。エロ本を読んでいた女を張り倒してベッドに縛りつけるが、女がマゾだったので喜ばれる。 ベランダ越しに侵入したミシェルは、ポンポンと栓を抜くような音のするサイレンサーで敵を殲滅、セルジュを救出した。 2人はカルラの元に向かう。 セルジュは、自分を密告したカルラを殺害する計画をたてていた。 2人がカルラを連れ出すと、ビルはバレーズ伯爵たちに包囲されている。彼らはミニクーペで隙間をぬって逃走、隠れ家として用意した農家に辿り着く。 ミシェルは一人黙々とカルラを埋める穴を掘るが、その間に2人はヨリを戻していた。 追い出されたミシェルは自分の掘った穴に落ちたうえ、ミニクーペで縮こまって寝るハメに。 そのころ2人は宙を舞いベッドがひしゃげるほど激しく愛し合っていた。 翌朝、この人里離れた農家にガイヨ警部が、遠景に矢印つきでジョギングを装って登場。忠告を与えると突如出現したヘリで去っていく。 町で食事をして戻ると、今度はバレーズ伯爵一味が襲撃してきた。 ミシェルは、ミニクーペのサンルーフから直立不動の二挺拳銃で敵を倒し、最後に残ったバレーズ伯爵も心臓マヒで死んでしまう。 カルラは「彼は興奮しやすいたちだったのよ」とクールな一言。 三人は、セルジュが宝石を預けた育ての親サンチーニの元に向かうが、サンチーニは急死したところだった。 万事休すと思ったら、葬列でサンチーニの孫に出会えた。 3人はサンチーニの娘が住む家で宝石を見つけ出す。鳴り響くハレルヤ・コーラス。娘の貧しい暮らしに同情したカルラはヘソクリを渡してしまう。 宝石はあっても現金の無くなった三人はガソリンスタンドを襲撃。 そこでは退役軍人会のパーティが開かれていたため、銃撃戦となる。 武器量と人数の差で不利になったセルジュとミシェルはカルラ一人を逃がす。 カルラは警察の検問でガイヨ警部に捕まってしまう。 残った2人は新婚夫婦の車を乗っ取り脱出に成功、と思いきやガス欠だった。 もはやこれまでという瞬間、ガイヨ警部率いる警官隊が駆けつけ全員逮捕する。 3人を護送するガイヨ警部は、運転手が小便に降りた隙に護送車を強奪。 やがて南の島のビーチで優雅に遊ぶ4人の姿があった。 「なんて俺は冴えてるんだ」ひとりごちるガイヨ警部。 だが、警部はその島がフランス領であることを見落としていた。すでに黒人の警官隊が4人を包囲している。 4人は手錠の身となり、警察署長は高らかに笑うのだった。 |