原題 ; MALEDICTION(1992)
 監督 ; バート・I・ゴードン
 脚本 ; スティーヴ・カッツ
 音楽 ; ノーマン・ヘンリー・メイミー
 出演 ; ロバート・フォスター 、リディ・デニア、カレン・ケイ、フィリップ・グラッサー
ミスターBIGことバート・I・ゴードンが描くオカルト・サスペンス。今のところ最後の監督作品になっている。「SATAN'S PRINCESS」の別タイトルあり。
冒頭、1954年スペイン、バルセロナの修道院で絵を描く男の姿が描写される。
元刑事のルー・チャーニー(ロバート・フォスター)は、エド・ローズから10ヶ月前に失踪した娘カレンの捜索を依頼される。
ルーは犯人追跡中に足を撃たれ、警察を退職していた。
一方、売春宿から逃げ出そうとした女エリカが用心棒のドリアンに捕まり、ナイフで刺し殺される。
ルーの息子ジョーイは知的障害のため施設で暮らしていた。
元相棒のサルは、エリカのアパートでカレンと二人で移った写真を見つけ、ルーに知らせる。
ルーはエリカが所属していたモデル事務所を訪ねた。社長のニコールはカレンを知らないと言う。
黒人の情報屋はエリカとカレンの写真を見て、この二人は邪悪なことに関わってるので近づかないほうがいいと忠告する。
カレンはニコールの屋敷でレズビアンにふけっていた。
ルーは同棲中の恋人レイとジョーイを会わせた。ジョーイが思いのほかなついたので胸をなでおろす。
サルからエリカの日記が見つかったと連絡が入る。サルはニコールの手下ドリアンに狙撃された。
負傷しながらも逃げるサル。倉庫に逃げ込むが背後から忍び寄ったドリアンに絞殺され、日記も奪われてしまう。
ルーはエリカの部屋を覗いていたという覗き魔から、彼女が年上の女と抱き合っているのを見たという情報を得る。
ニコ−ルに目を付けたルーは彼女の情報を取り寄せるが、すでに死亡したことになっていた。
いきなりベッドを共にするルーとニコール。
ルーは警察の元同僚にニコールの調査を電話で依頼する。それを聞いたジョーイは突然目が光り、千枚通しをルーの肩に突き刺す。
幸い軽症だったルーは、ジョーイをレイに預け、ニコールの事務所に乗り込む。ニコールには会えなかったが、ロビーでカレンを発見して地下へと追いかける。
カレンは銃を口にくわえて自殺してしまった。
ルーはジョーイを連れて霊能者を訪ねる。ジョーイに取り付いているものを探っている途中、霊能者は宙を舞いビルから落下した。
さらにレイも車にはねられて殺されてしまう。
ルーを狙ってドリアンが追ってくる。ルーは廃車置場でドリアンを車の下敷きにして殺す。
その夜、決着をつけるべくルーはニコールの屋敷に乗り込む。
ルーはバーナーでニコールを焼く。焼けただれた二コールの皮がずるりとむけ、醜い魔物が正体を現す。
ヘリが応援に駆けつけ、魔物は自家用車に飛び乗って脱走をはかる。
ルーはおもむろにリモコンを取り出した。スイッチを押すと車に仕掛けた爆弾が爆発。ニコールの魔物は吹っ飛んだ。
事件は落着したが、公園で遊ぶジョーイの目は黄色く輝くのだった。
ホラー映画としての見せ場に欠ける作品で、魔物が自動車で逃亡しようとして爆殺されるクライマックスもピンとこない。
もしかしたら、普通の探偵映画として準備していた作品を、ホラー映画のほうが売りやすい、とかなんとか言って、途中で路線変更しちゃったんじゃないかと思えてくる。
バート・I・ゴードンならありえるの気がする。
マレディクション