原題 ; NECROPOLICE(1987)
 監督 ; ブルース・ヒッキー
 脚本 ; ブルース・ヒッキー
 音楽 ; ドン・グレート
 出演 ; リーアンヌ・ベイカー、マイケル・コンテ、ジャッキー・フィッツ、アンドリュー・ボウジリ
現代に甦り、パンク・ファッションに身を包んだ魔女との闘いを描くB級ホラー。
1686年、ニューアムステルダムの片田舎にある洞窟で若い白髪の魔女エヴァ(リーアンヌ・ベイカー)が黒ミサを行っていた。何故か突然ディスコダンスを始める魔女。
一方、村では結婚式が行われていた。エヴァは魔力で花嫁を生贄にする。
そこに黒人の牧師に率いられた村人たちが駆けつける。牧師は十字架をエヴァの胸に突き刺す。
断末魔のエヴァは「ここに戻って恨みを晴らしてやる」と叫ぶのだった。
そして300年後、エヴァは革ジャンで身を包み赤いバイクを駆るパンク娘として転生していた。
エヴァはアクセサリー・ショップで広告に出ていた悪魔の指輪を買おうとするが、すでに売れてしまっていた。
エヴァは店主を呪術で拷問し、指輪を買ったのが黒人の牧師ヘンリー・ジェームズだと白状させた後で殺す。
男子トイレでヘンリーに会ったエヴァは、何者かに追われていると助けを求める。あまりに不自然な態度で警戒されてしまう。
エヴァはアクセサリーショップを根城に行動を開始する。
ヘンリーが地元のラジオに出演しているのを知ったエヴァは、牧師がシャブ中から救った共演者のフィリーに呪いをかける。
ヘンリーは突然言動がおかしくなったフィリーを病院に連れて行く。
その間に牧師のオフィスに入り込んだエヴァは、助手のトニーに暗示をかけてナイフで自殺させる。牧師の金庫を開けたエヴァは指輪を手に入れた。
エヴァは廃倉庫の地下室で死霊どもを呼び出す。
ヘンリー牧師はトニーが自殺するはずがないと主張するが警察は聞き入れない。病院に行ったフィリーからも薬物は検出されなかった。
ラジオのアナウンサー、ドーン(ジャッキー・フィッツ)は、ビリー・ウィリアム刑事(マイケル・コンテ)を自宅に誘ってワインを飲む。二人は300年前の若い夫婦の生まれ変りだった。
エヴァは、街で見つけたカップルを殺す。彼女は地下室で6つの乳房を持つ姿に変身したりもする。
ビリーは、市長の知り合いだというドーンとともに捜査することにした。
エヴァは娼婦のシマを荒らして、客をとる。この男も犠牲となった。
ヘンリーは犯人が犠牲者から魂や生気といった霊媒体を奪っていると主張する。300年前の魔女とその関係者が生まれ変ったのだと。
エヴァは娼婦の一人に刺されるがなんともない。逆に女がナイフを持った手に火傷してしまう。
次に娼婦たちのヒモ、エディーが犠牲になる。いつの間にか捜査にヘンリーも加わっている。
どういう理由かアクセサリーショップを家宅捜索したビリーは、冷蔵庫に店主の死体を発見。ビリーは死体と一緒に入っていたビールを飲む。気持ち悪くないのか?
エヴァは300年前の儀式を完成させるためにドーンを狙っているらしい。エヴァは、ヘンリーが更生させた女に彼を殺すよう暗示をかける。
だが、女はヘンリーを撃ち殺すことができず、自分のこめかみを撃って自殺してしまう。
ドーンが自宅から誘拐された。ビルとヘンリーはガソリンを持ってアジトの倉庫に乗り込む。守りを固める死霊たちは十字架で倒していく。
エヴァはビルに自殺するよう暗示をかける。魔力に打ち勝ったビルは天井に向けて撃つ。
同時にヘンリーの投げた十字架がエヴァの胸に突き刺さった。倒れこむエヴァ。
ビルがドーンを助け出す間にガソリンをまくヘンリー。まだ生きていたエヴァはヘンリーに襲いかかる。
駆けつけたビルがエヴァの手首を断ち切り、ヘンリーを助け出して火を放つ。
爆発する倉庫。炎の中に指輪をはめたままの手首が蠢(うごめ)いていた。
ベッドに眠るドーンに焼け焦げた手首がにじり寄る。シャワーを浴びていたビルが駆けつけると、すでにドーンはエヴァに乗り移られていた。
ドーンはビルの生気を吸い取ってしまう。その指には悪魔の指輪がはまっている。
やがて黒い革ジャンに身を包み夜の街を闊歩(かっぽ)するドーンの姿があった。
全く無名なスタッフ、キャストで、しかも手作り感あふれる低予算。
設定はそこそこ面白いので、演出、脚本、演技がそれぞれもうワンランク上だったら、と惜しい気もするが、そのレベルであることを納得して見れば、それなりに楽しめる作品と思う。

妖獣伝説ネクロポリス