原題 ; NASTY HUNTER(1987) |
監督 ; ジャリル・ジャクソン |
脚本 ; カール・クルノイツ |
音楽 ; リッキー・ブラザース |
出演 ; バーバラ・コンスタブル、クラウディア・ラドメーカー、クリストファー・ハート |
これは珍しいインドネシア製アクション・ホラー。 ビデオ・タイトルの通りアクション部分の展開は、まんまターミネーターで、「SHE TERMINATER」というミもフタもない別題もある。 でもってビデオのキャッチ・コピーが「これはヒドゥンだ」という無節操さ。 しかも日本劇場公開作品だと言うのが驚き。 原作「南海女王伝説」とクレジットされているが、何かの冗談だと思う。 寝た相手を惨殺する魔性の女・南海の女王。 画面だけではよく分からないのだが、後の説明によると、陰部に蛇が潜んでいて男性器を食いちぎるという、とんでもない殺し方をするらしい。 そこにやってきた霊能者が蛇を引き抜き、短刀に変えてしまう。 女王は、100年後の孫にたたってやる、と捨てゼリフを残して海底に姿を消す。 で、100年後、女子大生タニアが、卒業論文を書くため南海の女王伝説を調べ始める。 このタニア、伝説など迷信だとかいいながら、伝説の短剣を求めて海底に潜ったりする。 タニアの潜水中に乗ってきた船は大波を受けて沈没。 海底の神殿に引きずり込まれたタニアの股間に海蛇が潜りこみ取り憑かれてしまう。 海から上がったタニアは、浜辺にいた二人の男をたらしこみ惨殺。 マシンガン持ってるホテルの警備員も殺すが、インドネシアって警備員もマシンガンで武装しているのだろうか。 霊能者の末裔は、レコード・デビュー間近の歌手エリカだった。 タニアは、エリカの親友マリアンをマシンガンで撃ち殺す。エリカと同じ形のペンダントをしていたため間違われたらしい。 今度はエリカが歌うクラブを襲撃するタニア。 事件を担当する刑事マックスが偶然居合わせてエリカを救う。 タニアはショットガンで撃たれても、立ち上がって追いかけてくる。 マックスのパートナー、ジャックも犠牲となる。 マックスとエリカは警察車で逃走。だが、タニアもパトカーを奪って追う。 タニアのパトカーを警察が包囲するが、車内にタニアの姿はなかった。 ニュースを聞いたマサブ伯父が、警察署に保護されたエリカを訪ねてくる。 マサブは、エリカの祖父イリアスの知人だった。 イリアスこそ女王を封印した霊能者。マサブは、イリアスの残した短剣をエリカに渡す。 警察署を襲撃するタニア。マシンガンで皆殺しにしながら署内を進んでいく。 マサブは霊能力でタニアと戦うが返り討ちにあってしまう。 エリカとマックスは再び逃走するが途中で車が故障、野宿となり、ついでにデキちゃう。 ここらへんの展開には、とことん「ターミネーター」を利用しようという製作者の根性が感じられる。 一方、タニアは片目を痛めていた。 というわけで洗面所で目を修復する場面まで再現。自分の目玉を繰り抜いたりして、ちょっとグロい。 いつの間にか都会に戻ったマックスたちは、ショッピング・モールでタニアと遭遇。 マシンガンを乱射するタニア。二人は、周囲の客を次々と犠牲にしながら逃げまどう。 警察の攻撃ヘリが出動。ロケット弾で攻撃して空港に着陸していた旅客機まで吹っ飛ばす。 装甲車も出動して地上と空から攻撃、タニアの車はロケット弾で爆発するが、なぜか無傷。 装甲車とタンクローリーにはさまれて止まったところに、ロケット弾を打ち込み3台とも爆破。 ついにやったと喜ぶマックスと同僚の刑事たち。 炎の中から焼けただれたタニアが出現、パワーアップしていて眼から光線を出す。 光線でヘリも爆発、味方の刑事も次々と犠牲になる。 ついにマックスも追い詰められるが、タニアはエネルギー切れか光線が出ない。 管制塔らしき建物で格闘になる。 タニアは素手でかなう相手ではない。マックスは突き飛ばされてしまう。 エリカにのしかかるタニア。苦しまぎれにエリカがバッグにあった形見の短刀を刺すと、一瞬でタニアは滅び、消え去るのだった。 いろいろな意味でパワフルな作品ではあると思う。 後半は荒っぽさに拍車がかかり、無茶苦茶なのだが。旅客機1台誤爆して誰も気にしないデタラメさは「スピード」を先取りしているともいえる そのわりにラストがあまりにもあっけないのが残念。ちょっと不完全燃焼という気がした。 「ターミネーター」をパクってエログロ・ホラー・アクションに仕上げるとは、インドネシア映画もあなどれないと思う。 |