原題 ; NO RETREAT NO SURRENDER(1985) |
監督 ; コリー・ユエン |
脚本 ; キース・ストランドバーグ |
音楽 ; フランク・ハリス |
出演 ; カート・マッキニー、ジャン・クロード・ヴァン・ダム、J.W.フェイルズ |
アメリカ映画を装った香港映画(多分)だが、ジャン・クロード・ヴァン・ダム出演作では一番好き。と言っても敵役のロシア人格闘家だが。 あきらかに「ベスト・キッド」の影響で作られた作品で、日本のキャッチコピーは「戦えジェイソンロッキーのように」。ビデオは「ノー・サレンダー」のタイトルで再リリースされたらしい。 主人公を指導するのがブルース・リーの霊というアイデアが、とにかく面白い。 監督が「クローサー」、「ロミオ・マストダイ」(アクション監督)のコリー・ユエンだから格闘シーンもしっかりしている。 ジェイソン(カートマッキニー)の父はロスで空手道場を開いていた。 そこに道場をのっとり全米制覇を目指す組織が乗り込んでくる。 父は拒絶するが闘いでロシア人格闘家イワン(ジャン・クロード・ヴァン・ダム)に足を砕かれ、家族の安全のために廃業してシアトルに引っ越す。 ジェイソンはダンスのうまい黒人少年RJ(J.W.フェイルズ)と知り合い、一緒にブルース・リーの墓参りをしたりする。 もともとRJと仲の悪かった近所のデブ、スコットはこれが気に食わず、仲間とRJに嫌がらせをするがジェイソンに返り討ちにあう。 武道家を目指すジェイソンは全米チャンピオン・イアンが経営する町のジムに入門しようとするが、門下生にスコットがいたため痛めつけられて追い返されてしまう。 ジェイソンは1年前にロスで知り合ったイアンの妹ケリーの誕生パーティーに出席するが、ここでもケリーに横恋慕する門下生に痛めつけられ、逃げ出していく。 泣きながらブルース・リーの墓に、強くなりたいと願をかけるジェイソン。夜になって家に帰ると父に理由も聞かずに叱られ、ガレージに作った練習場を取り上げられブルース・リーのポスターも破かれてしまう。 ジェイソンはRJに相談し、町の廃屋に練習道具を運び込む。 一人残って訓練を続けるジェイソンの前に現れたのはブルース・リーの霊だった。 このブルース・リーの霊、一応そっくりさんとして「死亡の塔」に出た役者らしいが、無理に真似していないところに好感が持てる。 こうして「武とは暴力を収めること」と説くリー特訓が始まる。ただし、はたから見ると一人芝居。RJに正気を疑われたりする。 そのころ組織はシアトル進出を図り、親善試合と偽ってイアンに試合を受けさせていた。 「武道の精神は身についた」とリーの霊は光の中に去っていくが、ジェイソンの猛練習はさらに続く。 バーテンをしている父に、店で追い出したチンピラが仲間を連れて仕返しに来るがジェイソンが撃退。父もようやくジェイソンの武道を認める。 そして試合当日、会場は組織の人間に仕切られてしまう。イワン一人でジムの選手3人を倒し、権威を失墜させて乗っ取ろうというのだ。 チャンピオンであるイアンも、イワンの反則攻撃に敗れてしまう。 会場から飛び入りで挑戦するジェイソン。一時は劣勢に立つが、RJの「退却なし、降参なし」の声援に奮起しイワンを倒すのだった。 余談=コリー・ユエン監督は続編として「レイジング・サンダー」を撮っている。未見だがカンボジアを舞台にした冒険アクションで、主人公名はスコット(まさか本作のデブの後日談ではあるまい)ということなので、実質的なつながりは無い作品のようだ。 |