オシリス・クロニクル
 原題 ; THE OSIRIS CHRONICLES(1998)
 監督 ; ジョー・ダンテ
 脚本 ; カレブ・カー
 音楽 ; カール・ランデバーグ
 出演 ; ジョン・コーベット、キャロリン・マコーミック、ジョン・パイパー=ファーガソン
「THE WARLORD: BATTLE FOR THE GALAXY」の別タイトルもあるらしい。
テレビでの活動が多くなっているジョー・ダンテ監督が手掛けたSFアドベンチャーのテレフューチャー。
内容的にシリーズ化を目指したパイロット版なのだが、本作のみで終わりストーリー的にはプロローグのみになっている。
地球からの移民が銀河共和国を設立して300年、内戦により暗黒時代に突入していた。
ジャスティン・ソープ(ジョン・コーベット)はキャラバン6号星に生まれて妹ノヴァと暮らしている。彼は悪党どもからクォーティウムを奪った。
ジャスティンがクォーティウムを物々交換している間に、留守番していたノヴァが行方不明になってしまう。
ノヴァを探していたジャスティンは、惑星の実権を握るシャン将軍(ジョン・パイパー=ファーガソン)と交渉して捜索を依頼する。
しかし外界人がコルバス地区に向かったという情報しか得られなかった。
心配した友人のマギー(エリザベス・ハーノイス)が祖父のソレンソン将軍(ロッド・テイラー)を連れてきた。
三人は恒星間宇宙船オシリスに乗り込む。
オシリスはタキオン・ジェネレーターを修理する必要があった。
ジャスティンはシャン将軍の倉庫を襲って資金を調達。異星人のエンジニア族を呼んでオシリスを修理させる。
復活したオシリスはマギーの操縦で発進した。
怒り心頭のシャンはオシリス撃墜を命じる。戦闘態勢に入るオシリス。だが、オシリスは武器が使用不能の状態だった。
ソレンソン将軍は彗星の飛来で火を噴く惑星にシャンを誘い込む。
炎を浴びたシャンの宇宙船は追跡を中断して修理せざるを得なくなった。
オシリスに、いきなりジャスティンの昔馴染みで超能力者のウォリー・プライスが乗り込んでくる。
ウォリーの手助けでオシリスのシステムもよみがえった。彼の勧めで宇宙の調停員ルラ(キャロリン・マコーミック)と助手のゼントリック星人ジョナも仲間に加わる。
しかし、ルラとソレンソン将軍の間には因縁があった。ルラはマギーの母親だったのだ。
マギーは自分を捨てて行ったルラを許すことができない。
ウォリーが異変を察知した。突如としてバリアに隠されていた惑星が姿を現す。
それはエンジニア族の隠れ家だった。一族の長老シャクロンが一行に連絡してくる。ノヴァが彼らの手元にいるという。
ジャスティン、ソレンソン、ルラ、ウォリーの4人がシャクロンのもとに転送される。ルラが彼らの頭に通信装置を埋め込み、情報のやり取りができるようにしていた。あらゆる争いを排除したというエンジニアの世界には家族という構成がない。彼らは性別をなくす単性生殖も研究していた。
ノヴァはこの世界の最高者”始祖”との合体に選ばれたという。ノヴァは神経催眠を施されているようだった。
始祖は巨大で醜いブヨブヨした塊である。魂を不活性の組織に閉じ込めて不死化したものだとシャクロンは説明する。
そのころオシリスはシャンの攻撃を受けていた。
だが、エンジニアの企みは頭に埋め込まれた通信機を通じて全世界に知らされていた。
ソレンソンはオシリスが攻撃可能なことを見せるよう指示するが、シャンと交戦中のマギーは応えることができない。
すべてハッタリと思い込み全員を捕えるシャクロン。そこにジャスティンを追うシャンが攻撃を仕掛けてくる。
混乱に乗じて脱出する一行。だが転送直前、ノヴァがシャクロンに奪われてしまう。
ノヴァを助けに戻ろうとするジャスティンをソレンソンが撃って気絶させる。
エンジニアの武力は強大であり、対抗するには崩壊した共和国の再建が必要だった。
そして共和国再建の最重要人物であるジュニアス・カベルの孫が、実はシャンであったことが判明する。
ジャスティンはシャンと面会する。電気ムチで攻撃するシャン。ジャスティンは、シャンの育ての親マシュワがエンジニアに殺されたことを伝える。
シャンも戦いに加わる決意をした。だが、期待していた共和国艦隊が実は全滅していたことを知らされジャスティンは失望する。
今度はシャンがジャスティンを説得した。それぞれの目的を果たすためジャスティンはオシリスの艦長席に座るのだった。
共和国再建とか「アンドロメダ」とかぶる部分もあるが、こっちが先。
異星人キャラが一人だけで、しかもパイロット版では殆んど活躍しないのが残念。
オシリス搭乗員にはヒロインの血縁者が多かったりして、ちょっとスケール感に欠ける部分があるが、主人公の妹救出も含めてドラマ的にはふくらませやすそう。
ジョー・ダンテの演出は手堅くまとめてあり、全体としては悪くない出来。続きが見たかった気がする。
「タイムマシン」「鳥」が代表作の往年の二枚目ロッド・テイラーが出演しているのが懐かしかった。