原題 ; OUT COLD(1989)
 監督 ; マルコム・モウブリー
 脚本 ; レナード・グラッサー、ジョージ・マルコ
 音楽 ; ミシェル・コロンビエ
 出演 ; ジョン・リスゴー、テリー・ガー、ランディ・クエイド、ブルース・マッギル
冷凍庫で凍死した男の死体をめぐるブラック・コメディー。
アーニー・カナルド(ブルース・マッギル)とデイヴ・ギアリー(ジョン・リスゴー)は共同で精肉店を開業。
10年後、アーニーは店の金をくすねては女遊びにうつつを抜かしていた。妻のサニー(テリー・ガー)も若い男と不倫中。真面目一方のデイヴは、アーニーにバカにされていた。
家に金も入れず暴力を振るう夫アーニーに手を焼いたサニーは、探偵レスター・アトラス(ランディ・クエイド)に浮気調査を依頼する。
ある夜、デイヴ・はアーニーと店で喧嘩となり、冷凍庫で彼を殴って店を飛び出す。
その後やって来たサニーは、デイヴの態度に怒って彼を冷凍庫に閉じ込めてしまう。
翌日、凍死したアーニーを見つけたデイヴは自分がやったと思い込む。
思い余った彼は、サニーに告白。彼女はショックを受けて泣き出す演技をしながら、してやったりと陰でニンマリ。
そこにレスターが浮気相手を見つけたとやって来た。だが、その写真は事件当日のカツラをかぶったサニー自身だった。
彼女はデイヴを誘惑して死体を始末させようとする、さらに探偵事務所に行き写真を手に入れようとするが失敗。レスターは、アーニーと浮気相手が証拠を奪おうとしていると思い込む。
サニーは、アーニーの死体を山に捨て、狩猟中に凍死したと偽装することを思いつく。
死体を積んで山に向かうデイヴをレスターが尾行していた。レスターの報告を受けたサニーも慌ててカツラをかぶり後を追う。
サニーは、死体を発見したレスターを猟銃で射殺。彼女に頼まれてレスターの死体を運ぶデイヴ。捨て場所が見つからず戻ってきてしまう。
結局、二人で車ごと海に沈めることにした。
やがてアーニーの死体が発見され、事故で片づいた。
ところが地道に店を続けようとするデイヴと、店を売って遊んで暮らそうとするサニーが対立。サニーは、デイヴを冷凍庫に閉じ込めてしまう。
だが、今回は開店前の時間だったため、通いの店員に発見されデイヴは無事だった。しかも彼は車を海に沈める前に、トランクからレスターの死体を出し、アーニーの家の地下に埋めていた。
そうとは知らず床の修理屋を呼んだサニーは、死体を見つけられ逮捕されてしまう。
デイヴの店にも刑事が来るが、いい奴だと思われ疑われなかった。
ちょっと泥臭い演出の作品で、ミシェル・コロンビエのスコアがスマートすぎて少し浮いてしまっている。
一応退屈せずに見られる作品だが、おとなしくまとまっているため、ブラック・コメディーとしては毒が足りず見終わった印象は弱くなっている。
「未知との遭遇」「オー!ゴッド」「のるかそるか」と、困ったダンナに悩まされる奥さん役を得意としたテリー・ガーが、今回は悪女役に挑戦。悪くはないのだが、もう少しアクの強い演技をしても良かった気がする。「101」のグレン・クローズくらい、頑張ってほしかった。
ジョン・リスゴー、ランディ・クエイドも同様で、もう少しハメを外した演技のほうが、パンチの効いた作品になった気がする。
せっかく芸達者な俳優が顔をそろえたのに、ちょっと残念な作品。
アウト・コールド