原題 ; OVER DEAD MY BODY(1995) |
監督 ; ライナー・マツタニ |
脚本 ; ライナー・マツタニ、セバスチャン・ニーマン |
音楽 ; ニコス・ブラティラコス |
出演 ; クリストフ・M・オールト、カーチャ・リーマン、ウド・キアー |
死んだダメ男が、再生のチャンスを与えられるドイツ製ホラー・ファンタジー。日本では東京国際ファンタスティック映画祭で上映された。 フレッド(クリストフ・M・オールト)は結婚相談所の副社長でカメラマン。社長である妻シャルロットに浮気がばれて離婚を持ち出されている。 フレッドは、候補者が一人も現れないリタ(カーチャ・リーマン)を相談所の会員を続けるよう説得する仕事を押し付けられる。 だが、それは罠だった。途中でシャルロットが雇った殺し屋(ウド・キア)に襲撃されてしまう。車が木にぶつかって意識朦朧(もうろう)のフレッドは、リタの家に辿り着いたところで力尽きる。 フレッドは舟を漕ぐあの世への案内人に出会う。彼は冷血漢として地獄へ送られる予定なのだが、チャンスが与えられ、3日間の間に彼が不幸にした3人の女を救えば地獄行きを免れることになった。 リタの家でフレッドは甦ったが1週間が経過していた。普段は普通に見えるが、鏡に映るとまるでゾンビのようになる。 死体が見つからないことに腹を立てた女社長は、殺し屋を毒の吹き矢で麻痺させ車のトランクに詰めてしまう。 社員の一人フロッシュが社長の嘘に気づいたが、シャルロットは彼を新副社長に抜擢するといってまるめこんでしまう。 フレッドはリタに事情を話して協力を求める。 フレッドの死んだママが羽をむかれた七面鳥の乗り移って助けてくれることになった。 一方、リタは実験用動物を大量に盗み出して納屋に保護していた。 フレッドは、その納屋に忍び込んで動物を殺すワルガキどもをとっちめる。 まず最初に救うのは、フレッド自身知らなかった自分の娘リザだった。彼女は口がきけず、チンピラの恋人に売春を強制されそうになっている。 アジトに踏み込んだフレッドはチンピラを鉄パイプでなぎ倒したあげく、「落とさないでくれ」と叫んで窓から身を投げる。 フレッドは死んだふりをして警官隊にチンピラどもを逮捕させる。その間にリタがリザを救い出した。 フレッドは次の女性の魂を救う仕事にかかる。それは飛び降り自殺して、さまよう魂となってしまったリザの母親だった。 リザは、母親が自殺する現場を目撃したことから口がきけなくなっていた。 自殺現場に行くと、霊がリタに乗り移ってきた。フレッドの謝罪を聞き入れ、霊は消えていった。 最後の一人は妻シャルロットだった。彼女は銃を構えて現れ、フレッドを突き落とし七面鳥の母親を射殺してしまう。 フレッドは作戦を練り、とにかく話し合うことにした。リタが彼女を迎えに行く。 シャルロットはリタを吹き矢で殺そうとするが、謝って毒矢を飲み込み自分が倒れてしまう。 シャルロットが死んだと思い込み激昂(げっこう)したフレッドはリタを罵(ののし)る。我に返ったフレッドは謝るがリタの心は晴れない。 復活したシャルロットは、フロッシュとともにリタの家を目指す。 納屋で自殺しようとしているリタを見つけたリザは、フレッドに知らせようとして声が出せるようになる。 そこに現れたシャルロットが象射ち用の猟銃でフレッドを撃つが、もちろん死なない。 フレッドはシャルロットを殴り倒し、リタの自殺を止める。 ここで3日が過ぎて時間切れとなりフレッドは倒れる。だが、彼は死ななかった。 そこにシャルロットが襲ってきた。今度は生身なので負傷してしまうフレッド。 止どめを刺そうとするシャルロットに、背後からリザがナイフを投げるがかわされてしまう。 シャルロットがリザに銃を向ける。そこに真相を知ったフロッシュの運転する車が突っ込んできた。 はね飛ばされ池に落ちるシャルロット。彼女は池に飼われていた怪魚ネモの餌食となった。 今度こそ最後と覚悟を決めるフレッド。だが、本当の3番目の女性はリタだった。 再生が許されたフレッドはリタと抱き合うのだった。 トランクの中では殺し屋が身動きできないまま、うめき続けているのだった。 クリスマス・ストーリーではないけど、ホラー版「3人のゴースト」といった趣の作品。 派手な見せ場はないが、ブラック・ユーモアを交えて軽快なタッチでまとめ、けっこう楽しめる作品に仕上がっている。 脚本も、なかなか良くまとまっている。 監督は名前からすると日系なのかもしれないが、詳細は不明。allcinema onlineを見ると、B級のSFやホラーを中心に手掛けているもよう。日本には他に「オメガ」という作品が紹介されている。 出番は少ないが、ウド・キアの怪演も笑えた。 |