原題 ; SPACEHUNTER(1983)
 監督 ; ラモント・ジョンソン
 脚本 ; イーディス・レイ、デヴィッド・プレストン、ダン・ゴールドバーグ、レン・ブラム
 音楽 ; エルマー・バーンスタイン
 出演 ; ピーター・ストラウス、モリー・リングウォルド、マイケル・アイアンサイド
「スターウォーズ」が大ヒットしたあとに低予算B級SFアクションが山ほど作られたが、その中ではけっこう好きな作品。
特別に盛り上がる見せ場はないが、早いテンポで展開し見飽きない作品になっている。その分、一つ一つの見せ場が、ややあっけない印象なのは残念。
音楽は、なぜか「荒野の七人」「大脱走」の巨匠エルマー・バーンスタインが担当。ちょっとウェスタン調で景気のいいスコアを書いている。
宇宙船の事故で地球型惑星に不時着した3人の女性が、原住民に捕まってしまう。
救助に向かったのは宇宙のバウンティ・ハンター、ウォルフ(ピーター・ストラウス)と相棒の女性チャーマース。
3人が不時着したのはテラ・イレブン、元植民地だが現在は立ち入り禁止となっていた。
ウォルフたちが到着すると、そこではレールを走る艦船とバイク部隊が戦闘していた。
とりあえず艦船側に味方するウォルフ。
だが、3人の女性はモーター付きハング・グライダーの敵に連れ去られてしまう。(この場面、少なくとも2人は首を折られたように見えるのだが、生きている)
アンドロイドだったチャーマースも敵の攻撃に破壊された。
艦船に乗っていたのはテラ・イレブンに発生した伝染病のため派遣されて消息を絶っていた医師団だった。
一人になったウォルフは、3人の連れ去られたゾーンを目指す。ゾーンは独裁者オーバードッグ(マイケル・アイアンサイド)の本拠地だった。
途中で浮浪者風の女の子ニキ(モリー・リングウォルド)が案内人として加わった。
夜、寝袋にニキが潜り込み、臭くて目が覚めたウォルフはニキを池に叩き込む。
そこに装甲車が襲ってきた。乗っていたのはウォルフの軍人時代の部下ワシントン(アーニー・ハドソン)。彼も3人の救出のため派遣されたのだった。
ウォルフを雇おうとするワシントンを残して、ウォルフたちは出発する。
廃墟に潜り込んで寝ようとした二人は、人間がミュータント化したらしい怪物の群れに襲われる。
脱出した二人は、沼を渡ろうとして水中に潜む女人族に捕まってしまう。だが、そこに現れた竜(と言うわりに小さい。大蛇という程度の生物)に女人族は逃げ出し、レーザーで竜を倒したウォルフたちは再び脱出に成功する。
徒歩で砂漠地帯に入りニキは倒れてしまう。ウォルフは通りかかったワシントンに何でもいうことを聞くと約束して水を分けてもらう。
実はワシントンの宇宙船は壊れており、目当てはウォルフの船だった。立場の逆転したウォルフは賞金の山分けで話をつける。
敵の攻撃にあいながらもゾーンに辿り着いたウォルフたち。潜入すると、そこでは死の迷路と呼ばれる場所で捕虜を使った死のゲームが繰り広げられていた。殺人トラップの仕掛けられた迷路に放り込まれ捕虜は次々と命を落としていく。
ウォルフは3人を救出するが、ニキが捕まってしまう。
迷路に放り込まれるニキ。彼女に気づいたウォルフは救助に向かう。ニキは敏捷な動きでトラップを交わしていく。
最後のトラップでる装甲車に追い詰められたニキ。駆けつけたウォルフは装甲車を仕留めた。
オーバードッグはニキの生命力を奪って自分のエネルギーにしようとする。
ニキを助けようとするウォルフを、サイボーグ化されたオーバードッグの鉄の爪がとらえた。ウォルフはオーバードッグを高圧電線で感電させて倒し、ニキ、ワシントンとともにゾーンを脱出。ゾーンは爆発して崩れ去った。
任務に成功したウォルフは、ニキを新しい相棒にして旅立つのだった。
余談その一=ピーター・ストラウスは、映画では「ソルジャー・ブルー」が代表作だが、むしろ「リッチマン・プアマン」「ケインとアベル」のテレビ・ミニシリーズで有名になった。モリー・リングウォルドは、この作品の後で「ブレックファースト・クラブ」「プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角」に主演、青春映画の人気スターとなった。残念ながら二人とも、このところ低調で日本に紹介される作品も途絶えがちになっている。
余談その二=レーザーディスクのライナーノーツによると、本作はカナダで映画制作していたアイヴァン・ライトマンのプロダクションが初めてハリウッドと全面的に手を組んだ映画。この作品の興行的成功が評価されて「ゴーストバスターズ」の企画に着手できたとある。
スペースハンター