原題 ; THE SOUTHERN STAR(1968)
 監督 ; シドニー・ヘイヤーズ
 脚本 ; デヴィッド・パーサル、ジャック・セドン
 音楽 ; ジョルジュ・ガルヴァランツ
 出演 ; ジョージ・シーガル、ウルスラ・アンドレス、オーソン・ウェルズ
ジュール・ヴェルヌの「南十字星」を映像化した冒険アクション。
1912年仏領アフリカ、エリカ・クレイマー(ウルスラ・アンドレス)は、駅で婚約者ダン(ジョージ・シーガル)の到着を待っていた。
駅の手前で汽車が爆破される。転覆した客車からダンと相棒のマタキットが脱出するとダイナマイトが見つかった。
エリカが駆けつけ、ダンと抱擁を交わす。軍の警備隊長カール(イアン・ヘンドリー)はプランケット(オーソン・ウェルズ)率いる強盗団の仕業と睨むが、ダンは別な犯人の暗殺計画と考えていた。
エリカの父はダンとの結婚に猛反対。ダンをペテン師と疑っているのだ。
爆破の犯人はカールで、実行犯は部下のホセ(ミシェル・コンスタンタン)たちだった。カールはクレイマー家の財産を狙ってエリカと結婚しようと企んでおり、ダンの存在が邪魔だったのだ。
エリカの父はパーティ会場で550カラットある世界最大のダイヤを披露。エリカは「南方の星(サザンスター)」と名づける。
一瞬停電が起こり「南方の星」が紛失した。盗癖のあるマタキットに疑いがかかり、彼は逃亡する。
カールはダンに主犯の嫌疑をかけた。
ダンは逮捕されたが、エリカはジープで留置場の壁を崩し彼を助け出す。
エリカは、ダンにマタキットを追わせダイヤを取り戻させることにした。
ダンが止めたにも関わらず、エリカもこっそり汽車に乗り込んでついていく。
カールが汽車を止めて捜索を始める。ダンたちは連結器を外し先頭の機関車を奪って逃走。カール一行は先回りするが、やって来た機関車はもぬけの空だった。
一方、情報を得たプランケットもマタキットを狙い始める。
自分と出会う前にエリカの結婚相手がカールに決まりかけていたことを聞き、ダンは犯人がカールであることに気づく。
マタキットはピューマに襲われたりしながらもジャングルの中を逃げ回っていた。彼はプランケットの手下に捕まってしまう。
ダンはサバンナに火を放ち、猛獣を暴走させてカールたちを襲わせる。カールの部下一人が負傷した。
プランケットは、交易所を乗っ取って待ち伏せる。彼は前の警備隊長だったが、カールに地位を奪われていた。プランケットにとってダイヤは二の次、カールへの復讐が第一目的である。
ここでエリカがコブラに狙われる場面があるが、見るからに合成画面。
裏切りがあり、カールの部下はホセ一人になる。
ロープを張って河を渡っていたダンがワニに襲われた。エリカはライフルでワニを仕留める。
カールたちは裏をかいて吊り橋の下を伝って渡り、交易所に忍び寄った。橋を見張り続けていたプランケットを捕らえ手下を武装解除させる。
ダンは、カールに先を越されたことに気づく。彼はエリカに泳いで川を渡らせ、自分一人で吊り橋を渡る。
カールに脅され銃を捨てるダン。マタキットはダイヤを盗んだのは自分ではないと主張する。
そこにエリカが乱入。撃ちあいとなり、ホセも死ぬ。
草むらを回り込もうとするカールをダンが撃つ。
しかしカールは生きていた。油断してダンたちが吊り橋を渡っていると、その吊り橋を落としてしまう。
そのカールを背後から射殺したのはプランケットだった。
無事戻ったダンはクレイマー氏からエリカと結婚する許可を得た。
「南方の星」はどこに消えたのか。どうやらクレイマー氏が飼っている駝鳥が飲み込んだらしいという話になる。
皆で追いかけるが駝鳥は逃げ去ってしまう。だが、本当はダイヤを盗んだのは、やはりマタキットなのだった。
原作ではジルコニアなどない時代に書かれ、人類が初めて作り出した巨大人工ダイヤをめぐる冒険小説となっいる。現在では模造ダイヤなど価値もないので、この映画では本物のダイヤの話になっている。
ストーリー自体も、はぼ別物と言っていい。
せっかく個性派の俳優を揃えたキャスティングなのだが、残念なことに十分生かせていない。
特に退屈というほどではないにしても、全体的に平凡な出来ばえに終わってしまった。
印象に残る見せ場に欠けるし、ラストのオチもそれほど決まっていない。
主題歌をマット・モンローが歌っている。作詞はドン・ブラックで、この点だけはジェームズ・ボンド映画並み。

サファリ大追跡