原題 ; SUNDOWN(1991)
 監督 ; アンソニー・ヒコックス
 脚本 ; ジョン・バーゲス、アンソニー・ヒコックス
 音楽 ; リチャード・ストーン
 出演 ; デヴィッド・キャラダイン、ブルース・キャンベル、モーガン・ブリタニー
ビデオ版のサブタイトルは「ボクたち、二度と血は吸いません」。
人間との共存を図る吸血鬼の内部抗争を描いたアクション・ホラー。
吸血鬼同士の戦いがテーマという点では「ブレイド」や「ウンダーワールド」の先駆的作品と言えるかもしれない。
荒野に囲まれた町パーガトリー、町民全員がサングラスを掛け日傘をさして暮している。
町民は吸血鬼だが、人間との共存を図る町の支配者マルデュラック伯爵(デヴィッド・キャラダイン)は吸血行為を禁じていた。
そんな町に引っ越して来たのはデヴィッド・ハリソン(ジム・メッツラー)一家。妻のサラ(モーガン・ブリタニー)、娘のグエンドリンとジュリエットを連れ、殺伐とした都会暮らしから逃れてきたのだ。
町民は皆、デヴィッドを待ちかねていた。
デヴィッドは人工血液の研究者。この町で人工血液を大量生産しようとしている学生時代の友人シェインに招かれたのだ。
その夜、サラはコウモリに襲われる。コウモリは一瞬シェインの姿に見えたが、子供たちが騒いだので逃げていった。
マルデュラックを探す男ロバート(ブルース・キャンベル)がやって来た。
グエンドリンとジュリエットは屋敷で隠された地下通路を発見、通路奥の棺桶にはマルデュラック伯爵が眠っていた。
マルデュラックは、地下墓地にある母の墓参りをしていたと言いつくろう。
町にはマルデュラックに反抗し血を吸って生きようとする一派があり、シェインもその一味だった。
反逆者一味は吸血鬼を滅ぼすことの出来る弾丸を開発していた。
ロバートの正体は吸血鬼ハンター。ヴァン・ヘルシングの孫だった。だが、ロバートは女吸血鬼サンディーによって血を吸われてしまう。
一味による襲撃が開始された。町民の異常さにあきれて町を出ようとしていたデヴィッド一家も巻き込まれてしまう。
銃弾に次々と倒れる町民たち。連絡を受けたマルデュラックは決戦に立ち上がる。
血液工場を舞台に激しい銃撃戦が展開。このあたり完全に西部劇のパロディー。音楽も、それ風になっている。
デヴィッド一家はシェインに襲われるが、武装した伯爵たちが駆けつけてきた。つまり騎兵隊。
サラは、シェインに追われ屋敷へと逃げ込む。デヴィッドは、すでに吸血鬼の仲間入りをしたロバートに聖水を貰い、地下通路を抜けて救出に向かう。
デヴィッドは、シェインを撃つが弾丸は心臓を撃たなければ効果なかった。デヴィッドは聖水でひるんだシェインの心臓を撃ち抜く。
マルデュラックは、一味の首謀者ジェファーソンに一騎打ちを挑む。
マルデュラックはジェファーソンの両手を撃ち、自らの正体がドラキュラ伯爵であることを明かすが、弾切れになっていた。ちょっとマヌケな展開でドラキュラ伯爵は危機一髪。
その時、デヴィッドが板切れで作った巨大な十字架を掲げた。ジェファーソン一味は滅びていくが、ドラキュラと仲間たちは無事だった。
神に許されたことを知って涙するドラキュラ。
事件は終わり、デヴィッド一家は町を後にするのだった。
多少雑な印象も残るが、ブルース・キャンベルの怪演を含めて、それなりに楽しめる作品。
コウモリのクリーチャーなど造型は今一歩。
余談その一=デヴィッド・キャラダインの父ジョン・キャラダインは最低中の最低映画「ビリー・ザ・キッド対ドラキュラ」でドラキュラを演じた。親子2代のドラキュラ役者、と言いたいが二人とも雰囲気に欠けている気がする。
余談そのニ=アンソニー・ヒコックス監督は、B級SF、サスペンスの分野で活動を続けているが、近年はドルフ・ラングレンが女王様に責められる珍作サスペンス「ジル・リップス」とかイマイチ。
サンダウン