ジェームズ・コバーン出演作(Vol.2)
電撃フリントGO!GO作戦アタック作戦
(OUR MAN FLINT;1966/IN LIKE FLINT;1967)

CDアルバム(国内)
作曲はジェリー・ゴールドスミス。
「GO!GO作戦」と「アタック作戦」の2作をカップリングしたため、オリジナルのジャケット・デザインが生かされていないという、無駄な紙ジャケ仕様が残念なアルバム。
映画公開時に発売されたアルバムは、レコード用に再録音されたものだったが、今回は実際に映画で使用された音源をCD化しているとのこと。
当時のサウンドトラック盤は、こうした再録音物が多く、ヘンリー・マンシーニの作品などは殆どがそうらしい。日本では区別されていないが、英文のコピーではサウンドトラックではなくモーション・ピクチャー・スコアという表現を使って区別するらしい。
シリーズ2作品をカップリングしたうえに、フランク・シナトラの主演した「脱走特急」の組曲まで収録したアルバムもある。
このアルバムではなぜか2作目の「アタック作戦」から収録されている。
全体的に、お洒落で軽快なジャズ・タッチでまとめられ、電撃フリントの軽妙さが見事に表されている。
8曲目「ODIN,DVA,TRI,KICK」はモスクワをイメージした曲で「ポリュシカポーレ」と映画のテーマとが交互に使われ、クライマックスには白鳥の湖」や「二つの瞳」のメロディーまで飛び出す異色作。
11曲目「YOUR ZOWIE FACE」は甘いヴォーカル曲。007シリーズのようなケレン味がないのが残念。この曲はエンディングでもワンコーラス歌われる。
「GO!GO作戦」の1曲目に当たる16曲目「OUR MAN FLINT」では2作を通じてフリントのテーマとして使われるメロディーが速いテンポで演奏される。
19曲目「NEW YORK SKYLINE」はこのメロディーをメインに、ゆったりとしたたテンポの演奏が展開する。24曲目「THE BOILERMAKER」ではダンス・ナンバー風にアレンジされている。
なお「脱走特急」とのカップリング盤にはランディ・ニューマンと合作したグループサウンズ風の「GALAXY A GO-GO!」が収録されており、当時のレコード用音源を使用しているのではないかと思う。

地上最大の脱出作戦
(WHAT DID YOU DO IN THE WAR,DADDY?;1966)

CDアルバム(輸入)
作曲はヘンリー・マンシーニ。
こちらはミュージック・フロム・ザ・モーション・ピクチャー・スコアと謳っており、当時のレコード用録音らしい。収録時間は30分と短い。
1曲目「THE SWING MARCH」はタイトル通り軽快なマーチ曲。
タイトルも可笑しい2曲目「TARANTELLA MOZZARELLA」イタリアをイメージしたと思われるユーモラスな曲。
3曲目「GINA」はヒロインのテーマなのか、ロマンチックな仕上がり。
4曲目「IN THE ARMS OF LOVE」がテーマ曲らしく、7曲目にヴォーカル・ヴァージョンで再登場する。ゆったりとしたテンポのジャズ曲。
6曲目「SICILY FOREVER」、8曲目「ECHOES OF SICILY」、10曲目「WINE AND WOMAN」はマリアッチ風というか、ラテンのノリが楽しい曲。
11曲目「A TAVERN OF VALERNO」はマンシーニらしい美しいオーケストレーションが魅力。
イタリアを舞台にした戦争コメディということで、アルバムも小品だが、陽気でのびのびとした作品に仕上がっている。