危険なめぐり逢い(LA BABY SITTER;1976) CDアルバム(国内) 名匠ルネ・クレマン監督によるサスペンス・ミステリー。偽ベビー・シッターが少年を誘拐と、その背後にあり真相を描いていた。 イタリア、フランス合作でキャスティングもマリア・シュナイダー、シドニー・ローム、ロバート・ヴォーン、ヴィック・モローとそれなりに幅のあるものなのだが、出来栄えはもう一歩だった。 マリア・シュナイダーの魅力で見せる作品ではある。 フランシス・レイによる音楽の方は、なかなか良い出来だった。 1曲目の「危険なめぐり逢い」(LA BABY SITTER)は美しいメロディを陰影のある演奏で聞かせ、いかにもミステリーらしい雰囲気がある。 4曲目「アンのテーマ」(THEME D'ANN)はテンポの速いジャズタッチの曲。6曲目はテーマ曲のピアノ・ソロ・ヴァージョン、8曲目はテーマ曲のコーラス・ヴァージョンとなっている。 一曲のランニングタイムが長めになっており(全8曲のうち5曲が4〜6分以上ある)、じっくり聞けるのも嬉しいアルバム。 流れ者(LE VOYOU;1971)) 17センチ・コンパクト盤(国内) こちらも「危険なめぐり逢い」と同様誘拐をテーマにした作品だが、クロード・ルルーシュ監督作品とあって、サスペンス色は薄く洒落たタッチの軽い犯罪映画となっていた。 主演はジャン・ルイ・トランティニャンだが、脇のキャスティングはお遊びっぽく、監督夫人クリスティーヌ・ルルーシュ、「ダイヤモンドに手を出すな」の監督シャルル・ジェラール、「わんぱく戦争」の監督イヴ・ロベールなどが名を連ねている。 「ある愛の詩」が大ヒットした直後に公開されたため、映画よりも曲のほうがヒットした印象があった。 今回紹介するのは4曲入りのコンパクト盤で曲目は「流れ者のテーマ」(LE VOYOU)、アクションのテーマ(LE VOYOU EN ACTION)、「流れ者」(BALLET DU VOYOU)、「恐怖」(LA POUR DU VOYOU)。 アルバムは発売されなかった。 曲のほうも軽いタッチでまとめられており、特に冒頭のミュージカル・シーンにかかる「流れ者」はコーラスやヴォーカルをまじえ起伏に富んだ楽しい曲となっている。 ラストの「恐怖」はタイトルどおりミステリアスなタッチの曲。 この4曲は、フランシス・レイのアルバム化されなかった作品を集めたオムニバスCD「フランシス・レイEPコレクション」に収録された。(このCDでは「流れ者」が「流れ者のバレー」に改題されている) なお、今回紹介した2作品とも編曲はクリスチャン・ゴベール。 |