ジェリー・ゴールドスミス作品(Vol.1)
未来警察(RUNAWAY;1985)
CDアルバム(輸入)
テレビで人気の出たトム・セレックを主演にマイケル・クライトンが脚本・監督を手がけた近未来ポリス・アクション。
傑作と言うわけではないが、ハイテクを使った暗殺武器や、KISSのジーン・シモンズの悪役ぶり(メイクを取ったほうが怖い、と評された)など見所も多く、楽しめる作品。
曲もシンセサイザーを多用してSFアクションっぽいイメージをふくらませている。シンセサイザーのプログラミングは息子のジョエル・ゴールドスミスが担当した。
全体的に厚みに欠ける演奏という気もするのだが、「ALLEY FLIGHT」、「LOCKONS」といったテンポの早い、緊張感を高めた曲に魅力を発揮している。
次第に緊張感を高めていき低音を強調したドスの効いた演奏になる「SUSHI SWITCH」も面白い。

風とライオン(THE WIND AND THE LION;1975)
CDアルバム(輸入)
ジョン・ミリアス監督がショーン・コネリー、キャンディス・バーゲンを主演に撮った歴史アドヴェンチャー。
風はルーズベルト大統領をさし、ライオンがショーン・コネリー演ずるリフ族の首長ライズリ。ルーズベルトはブライアン・キースなので、少々貫禄負けしていた。
1904年モロッコを舞台に、アメリカ人母子を誘拐したリフ族の首長とルーズベルト大統領の政治的駆け引きを描くのだが、首長と母子の交流の描写にも力が注がれていた。
これまた傑作とまではいかないのだが、骨太の演出で見ごたえのある作品だった。
音楽も中東風な味付けをした厚みのあるオーケストレーションで、ゴールドスミスの代表作の一つにあげられる作品。
ラヴ・テーマの「I REMEMBER」や映画のテーマ曲に位置づけられた「THE RAISULI」、戦闘を表現した「RAISULI ATTACKS」、アルバムの最後を飾る「SOMETHING OF VALUE」「など雄大に展開する曲目が並んでいる。
ジェリー・ゴールドスミスは本作品でアカデミー作曲賞にノミネートされた。
オーケストレーションにはアーサー・モートンという人がクレジットされている。