ブルークリスマス(1978) 17センチ・コンパクト盤 脚本・倉本聰と監督・岡本喜八が組んだ超異色のポリティカル・フィクション。まとまりが悪く岡本喜八作品中では不満の残る出来だが、キャスティングも豪華でインパクトは強い作品。 UFO信者である倉本聰が、異質な存在をむやみに排除しようとする人間の愚かさを描いた作品とも言われている。 音楽はベテラン佐藤勝が担当。17センチ33回転のコンパクト盤ながら、各曲が短く10曲も収録されている。 A1の「ブルークリスマス」はヴォーカルと編曲をCharが担当。多分軽快なギター演奏も彼の手によるものと思う。この曲が一番長いのだが、それでも2分半弱。阿久悠の詞を英訳して歌っているのだが、佐藤勝のメロディーに英詞は合わなかった気もする。 その他は、いかにも佐藤勝らしいオーソドックスな楽曲。 主題歌のヴァリエーションはA5「U.F.O.との遭遇」、B1「人類の未来」など数回使われているが、B2「クリスマスの夜」、B5「ブルークリスマス愛のテーマ」がメロディーの美しさを生かした曲となっている。 スケール感のある導入部を思わせるA2「彼方から」。 ギターとパーカッションで不安感をあおるA4「謀略」。 どことなく日本的な楽曲のB4「雪は降る」。 それぞれ悪くないのだが、全体的にはやはり小品という印象。 喜談・南海變化玉(1978) 17センチ・コンパクト盤 長嶺高文監督による独立プロ製作の青春コメディ。タイトルは「なんかいかわりだま」と読ませる。 突然スプラッター描写が飛び出したりして、まとまりは悪いが印象的な作品だった。オートバイが走る場面に「ワイルドで行こう」が流れたりするあたり、いかにも自主製作っぽい気がした。 大竹まこと、壇ふみ、亀淵友香に特別出演・楳図かずおとキャスティングも異色。 長嶺監督作品では第2作「歌姫魔界へ行く」一番好き(主題歌としてヒカシューのヒット曲「20世紀の終わりに」が使われていた)。 第3作「ヘリウッド」はラストに向かって拡散していく作品を目指したということで、確信犯的にまとまりがなかった。若き日のデーモン小暮が人間の仮の姿で出演していたらしい。 その後の消息は知らなかったのだが、今回調べたところビデオ用作品の監督として活動を続けていた。特に「けっこう仮面」「まぼろしパンティ」といった永井豪作品の実写化にこだわりを見せているらしい。 通常のコンパクト盤と同じ4曲収録。 A1は主題歌「レインボー・ドロップ」。アイドル歌謡風の曲なのだが、微妙にノリが悪く、「血を吸う唇」の歌う天気予報風な公園の場面に流れる挿入歌と並ぶ居心地の悪さを感じる。 A2「祭りでバイよ!」は軽快でリズミカルなインストゥルメンタル曲。楽しい楽曲に仕上がっている。 B1は「レインボー・ドロップ(インストゥルメンタル)」。こっちのほうが落ち着いて聞けるジャズっぽいアレンジ。 B2「變化玉音頭」は古いタイプの男女コーラスをフューチャー。リズミカルではあるが、音頭とは言いがたい。 作曲は坂井紅介(後の資料では坂井正幸と表記されている)、歌曲の作詞は長嶺監督自身が行っている。 |