歌うスター(Vol.1)
輝かしき男の世界/バート・レイノルズ(1977)
ASK ME WHAT I AM/BURT REYNOLDS

アナログ盤アルバム(国内)
男性ヌード・グラビアで一躍セクシー男優としてトップスターになったバート・レイノルズ(その時、グラビア・モデルの第一候補だったのがジェームズ・コバーンだという話もある。断ってくれてよかった)。
人気絶頂の頃に発表されたのが本アルバム。「ロンゲスト・ヤード」撮影直前のレコーディングだったらしい。
曲はシブめのカントリー・ウェスタン。
語りかけるようなヴォーカルは決して上手くはないが、人間味を感じさせる味わいで悪くない。
だが、メリハリに欠ける地味な曲が多く、アルバムとして通して聞くのが多少つらいのも事実(英語が理解できれば印象が違ってくると思うが)。
ライナーノーツによれば、バート・レイノルズはレコーディングにあたって、単に自分が歌を歌えることを立証しようとか金儲けしようとかではなく、ただ自分で言いたいことがあった、と語ったという。
収録された11曲のうち8曲がアルバムのためのオリジナルで、バート自身がライターのもとに赴き、自分の半生や人生観を語って作詞作曲させる熱の入れようだったとか。
タイトルも、「チャイルドフッド1949年CHILDHOOD1949」「おもいでの女たちTHE FIEST ONE THAT I LAY WITH」「息子のための部屋A ROOM FOR A BOY NEVER USED」など、それらしいものが多い。
このアルバムが評判になったというニュースは伝わってこなかったので、残念ながら本人の表現したかったものと、ファンの期待するものにギャップがあったのかもしれない

ポートレイト/リンダ・カーター(1978)
PORTRAIT/LYNDA CARTER

アナログ盤アルバム(輸入)
愛する者のため単身アメリカへと渡り、正義のために闘う不老不死のアマゾネス王女ワンダーウーマン。
このアメコミ・ヒロインをテレビで演じたのがリンダ・カーターだった。
この作品以外では、ほとんど目立った実績がないのだが、当時日本のテレビでも彼女のラスベガス・ショーの模様が、ライザ・ミネリのステージとカップリングで放送されたこともあった。
もしかしたらショービジネスの世界では、それなりの評価を得ていたのかもしれない。
軽いタッチにまとめられ明るくカラフルな出来で、気楽に楽しんで聴ける好作品に仕上がっている。
リンダ・カーターのヴォーカルも、強い個性には欠けるが艶やかで伸びがあり悪くない。
ビリー・ジョエルの「シーズ・オールウェイズ・ア・ウーマン」など既成の曲に加えて、リンダ・カーター自身がクレジットされた曲もある。多分作詞なのだろうが、やはり意欲作なのだと思う。