『エンジンと燃料/推進剤』  作:ミッキー  戻る


バトルテックワールドには、各種の航宙・航空ユニットが登場します。それらの推進機関と燃料はどうなっているのか、今回は書きたいと思います。

宇宙ステーション=? (2000〜250万トン)
航宙艦=イオンジェットおよびKFドライブ(5万〜50万トン)
戦闘艦=核パルスエンジンおよび第2世代KFドライブ(10万〜250万)
長球降下船=核パルスエンジン(200〜10万トン)
航空機型降下船=核パルスエンジン(200〜3万5千トン)
小型艇=熱核ロケットエンジン(100〜200トン)
気圏戦闘機=熱核ジェット/ロケットエンジン(10〜100トン)
メック=熱核ジェット/ロケットエンジン(10〜100トン)
在来型戦闘機=タービンエンジン(10〜50トン)


 熱核ジェット/ロケットエンジンと言うのは、 吸い込んだ空気または、搭載している推進剤を、核融合炉から取り出したエネルギーで暖め、ノズルから噴射する、という構造です。
 真空中でもメックはジャンプを行えますが、その時は、少量の水銀を搭載し、推進剤とするのだそうです。気圏戦闘機は液体水素です。
 LAMは、推進剤タンクが無いにもかかわらず推進剤を2トン分搭載しています。液体水素はかさばる上に冷却機構を厳重にしないとまずいです。以上から、LAMの推進剤は水銀ではないかと思われます。
 

 核パルスエンジンというのは、水素を核融合させ、その一部をノズルから噴き出して反動推進を行うと言うとんでもないもので、推力1毎に降下船で船体総重量の6.5%が、戦闘艦は6.1%が必要と統一されており、気圏戦闘機やメックとは根本から違います。

気圏戦闘機と降下船については、推力1につき0.5Gの加速度を出すことが可能です。現代の最新鋭ジェット戦闘機クラスで1Gをちょっと超える程度の推力ですが、こういった気圏戦闘機や降下船は、1.5G〜7.5Gなどというとんでもない推力比を誇ります。

 
 イオンジェットエンジンというのは、気化した原子に電荷を与えてイオン化し、それを電磁的に加速して噴射するというエンジンです。航宙艦全体の1.2%が必要です。


 宇宙ステーションの推進機関はどういうタイプかわかりませんが、ルール上は航宙艦と同じで、船体総質量の1.2%が必要です。ですから、おそらくはイオンジェットエンジンと思われます。
 ほとんど姿勢制御用のもののようです。


 降下船が核パルス推進をしているときは、1日に数トンの水素で1G加速を続けられると言う、とんでもない効率を誇ります。
 1G加速というのは1秒あたり約10メートルの加速です。つまり、1時間加速すれば秒速36キロに達します。
 普通、ジャンプポイントから地球型惑星までの距離は1週間前後です。つまり、3.5日加速して3.5日減速するということです。1日の加速で毎秒864キロメートル、3.5日で秒速3024キロメートルになります。
 地球圏からの脱出速度が秒速11キロメートルである事を考えると、凄まじいとしか言いようが無いですね。
 もっとも、戦闘事などの急制動・急加速等には、非常にロスの多い推進剤の使い方をしなければなりませんが。

 一方気圏戦闘機は、ルールをそのまま読むと10分飛べない機体が出来たりして、かなりデンジャラスです。航続距離が、とにかく短い。翻訳バトルテック小説第3巻を読めば分かりますが、惑星にものすごく近づいた状態でしか、降下船の迎撃が出来ません。ちょっと吹かしすぎると、ガス欠になって降下船に迎えに来てもらわないといけなくなるんです。持っている人はごらんあれ。


 気圏戦闘機やLAMメック(気圏戦闘機モード)のエンジンは、基本的にメックのジャンプジェットと同じような構造をしているようですので、大気圏内であれば空気を吸い込んで推進剤のかわりに出来るはずなのですが・・・・

これについては、推進剤を失った気圏戦闘機は、毎ターン1ヘクスしか動けなくなるという話を聞きますから、多分、これがそうなのでしょう。

推力1で低速巡航しているときは、推進剤を使わないでもすむ、という。これならば、何とか納得できるような気もします。