『矛盾点?』   作:ミッキー   戻る

 メックウォリアーの一般兵の目標値は5/5なのに対しバトルテックでは4/5でありキャラの強さが違う。
 スティンガーの後に開発されたはずのフェニックスホークの開発年度が、違う資料ではスティンガーより前になっている。
 3024年惑星ホフの研究所で作られた高性能放熱器は公式のものと違う。
 メックウォリアー(バトルテック)には、いくつもの矛盾点が散見されます。これらは、どのように考えたらいいのでしょうか?

 こういった矛盾がある場合、幾つかの仮説が成り立ちます。

 

(1)誤植
 数文字程度であれば、この可能性が一番高いです。
 数値の1字違い、などというのは、一番ありえそうなものでしょう。しかもこの程度の誤植は、気付かれずに見過ごされたままになり、その後の出版物にもそのままコピーされて誤植が増殖することが多くなります。
 ※とあるマンガで、「奴に敬意を表して」とのたまう魔王の台詞が、「奴に敵意を表して」となっていたという酷いものもありました。エンディングの感動シーンがだいなし(^_^)

 

(2)ワールド住人視点
 ワールドの中に存在するある特定キャラクターの観測した事実です。このキャラクターの視点から見れば完全に正確な事なのですが・・・
 そのキャラクターがだまされていた、あるいは観測能力が低かった、等の理由で、事実からは程遠い情報が読者には与えられます。
 例えば、ハウスブックのほとんどはコムスターの情報員が集めた情報という形を取っています。各継承王家の欺瞞工作が優秀であれば、あのハウスブックの記述には、事実と異なる記述が多数ある事になります。
 ※少なくとも、自由世界同盟のあるメックの生産数の情報はかなり低かったですし、工場も一つ隠されていました。

 

(3)改訂
 これには2種類あります。
 一つは、設定の固まっていなかった初期の資料を、設定の確定した頃に改訂するものです。一度出した設定が強力すぎた/使えなさすぎた時などに、バランスを取り直して正式なものにする、というのも含まれます。
 例:星間連盟末期に試作された1トン1装備欄の大口径レーザーなるものの噂を聞きますが、クランの中口径レーザーがこれそっくりです。

 もう一つは、時代や場所、状況によって違ってくる常識によってルールなどが改訂されるというものです。
 例:補修・整備=メック技能などの技術系技能は、3025年代には習得が困難なものに分類されていました。迷信と経験則と代々家に伝わる秘伝によって、多分コンなものだろうという修理をするしかありません。6LV未満では、メックの構造を理解していないのですし、整備マニュアルもありません。
 しかし、3030年以降であれば、科学技術に基づいたきちんとした教育を受けられます。
 そのためか、改訂されたメックウォリアーの整備兵は新兵=1LV、一般兵=2LV、古参兵=3LV、エリート=4LVになっています。
 旧版では4LVでようやっと応急修理が出来るレベルなんですが・・・


(4)実際に幅がある
 世界全体で常識、技術レベル、教育程度、流通などの条件が同じであるはずがありません。
 ですから、多少の矛盾は当然、ということです。
 例:キャラの強さですが、経験クラス毎にランク分けしたからといって砲術や操縦の腕が同じになるはずがありません。
 例:補給ですが、装甲板すら手に入らない惑星も多々有ります。
 例:技術ですが、メックをビシバシ生産し、人口100億、巨大な大学を誇る惑星がある一方で、牛に引かせた鋤で畑を耕すしかない(耕運機すらない!)惑星もあります。
 ちなみに、牛に引かせる鋤すらない国民の上空で超音速ジェット機が飛び交っているという国が、現代1990年代の地球に沢山あります。なんて歪んでいるのでしょう・・・


(5)作者の勘違い(笑)
  何しろアメリカンな人達だし〜〜〜と説明これだけ(^^) で充分なところもあるかもしれませんが、より詳しく言うと、非常に膨大なバトルテックワールドのサプリメント群をすべて把握できるとは思わないほうがいい、という事です。しかも、古いサプリメントは改定されたりもして、これにも対応しなければならないとなると・・・全てのサプリメントに対して矛盾がない作品を新規出版するというのはものすごく大変なこととなります。
 よって、「作者の勘違いにより矛盾した&間違った記述のサプリメントが出版される」というのは、十二分にありえることなのです。
 これに、(1)にちらりと書いた誤植の増殖現象などが加わったりすると、間違いが果てしなく増殖し、その間違いのほうがオフィシャル化してしまうこともある様です。

例としてはスティンガーとフェニックスホークの関係でしょうか? テクニカルリードアウトによるとフェニックスホークはスティンガーの拡大強化バージョンだったはずなのですが、なぜか開発年度がスティンガーの前になっているのです。そして、このテクニカルリードアウトの開発年度を元にフェニックスホークの活躍の数々がワスプ開発前に設定されてしまいました。スティンガーはワスプの成功を元に開発されたはずなんですが(汗)

 

 ま〜〜、とにかく、矛盾があってもうまい解釈は何かしら見つかることが多いですね。