経験値あれこれ  作:ミッキー  戻る

http://www.groupsne.co.jp/htm/htm/circus/circus9903/4yorozu3.htm

(1)問題点の把握

みなさん、メックウォリアーをやっていて、経験値の事で悩んだ事は有りませんか?
ルールどうりに経験値をやっていると、とにかく成長が遅い
 メックウォリアーP37を読むと、数回の戦闘で一般兵クラスの経験と書かれているのに、とても足りない。例として、メックウォリアーの場合を具体的に計算してみましょう。
 
同じ腕ならプレイヤーの7割程度の重量がGM側として妥当なバランスとされていますので合計140トンのメックを撃退・・・各人35点
与えたダメージの半分・・・各人40点
致命的命中毎に5点・・・・・・・・各人10点
任務経験点 200〜250・・・各人55点
判定成功経験点・・・・活躍度による
合計して・・・各人135点+
メックウォリアーは戦闘以外ではほとんど活躍できませんから、ほぼこれだけです。遭遇経験点をぬかせば、150点程度でしょうか?

なんと、20回もシナリオをクリアしないと一般兵になれません!

RPG同好会を組織して放課後毎日セッションを行える中高生ならともかく、月1回するのも難しくなる事が多い社会人になると、2年がかりです。一般兵になるためだけで!
これは、TRPGの本場アメリカと、日本というTRPG後進国の感覚の違いなのでしょうか?

数回とは、辞書で調べると2〜6回とあります。
6回として3倍以上、2回として10倍もの齟齬が生じます!
いくらなんでも齟齬で済ませるには無理がある差ではないでしょうか?


(2)翻訳者の解決法

 では、翻訳者の提案した日本版の追加ルールを使ってみましょう。
 これは、与えられる経験値を2〜5倍する、係数はキャンペーンの最初に決めておき、GMが恣意的に変更したりしない、というものです。
 2倍で10回、5倍として4回セッションを行う必要が生じます。なんと最大倍率の5倍でようやっとP37の記述・・・4回(数回の平均値)に相当する数字になるのです。ということは、最低でも5倍で経験値を与えるのが適当、という事になります。


(3)更なる問題確認

 しかしまってください。なんか、納得し難い物がありませんか?
 目標値2/3のエリート兵を倒しても、目標値6/6の新兵(※)を倒しても、経験値一緒なんです。
 自分が歩行移動で+1、相手の移動で2点、遮蔽物などで1点、中距離で+2という、ごく普通にあるペナルティを与える場合の命中確率は、新兵の場合、目標値12だから36回に1回、一般兵の場合10だから6分の1、エリート兵なら8だから5分の2。射撃ダメージの期待値だけでいうと、エリート兵の乗るメックは新兵の乗るメック15機(!!)分に相当する攻撃力を持つ計算になります。
 
 経験を積んで、プレイヤーのキャラが強くなると、GMは容赦なく強いウォリアーを当ててくるでしょう。その時、強さがまったく違う敵を倒したのに経験値が同じ。自分達は、強くなる毎に大量の経験値がないと成長できなくなっていくのに、これでは相対的にどんどん大変になっていきます。
 
 また、自分達が合計150トンのメックに乗っている時に、敵がスティンガーのみの小隊(80トン)で攻めてきた時とバトルマスターのみの小隊(340トン)で攻めてきた時では、重量比率以上に戦闘での難易度が激変します。こういった事も考慮に入りません。

※メックウォリアーP139を見ると、新兵の目標値は8/8、一般兵の目標値は5/5、古参兵は4/4、エリート兵は3/3となっています。しかしこの説では、バトルテック基準で計算しています。



(4)提案する解決法

 そこで提案するのが、敵の強さによって経験値の倍率を変える方法です。困難な敵を倒した以上、より経験になる、という訳ですね。ただし、以下の全部を適用するのはあまり勧められません。GMとプレイヤーで取捨選択して下さい。
 
 @、敵の強さによる修正

 8/8・・・×1倍
 7/7・・・×2倍
 6/6・・・×3倍
 5/5・・・×4倍
 4/5・・・×5倍
 3/4・・・×6倍
 2/3・・・×7倍
 1/2・・・×8倍  
 0/1・・・×9倍
−1/1・・・×10倍
−2/−1・・×11倍
一般兵はもっともありふれたレベルの敵です。これを、基準にしています。


 A、メックの質による修正
 遺失技術を使ったメックは、非常に強いです。また、オフィシャルメックの中には完成度が低く、重量に比べて弱いメックが多いです。
 これを考慮します。
 
 PCがLV1メックで、敵がLV2メックだった・・・重量を2倍で計算します。
 PCがLV2メックで、敵がLV1メックだった・・・重量を半分で計算します。
 PCと敵が同じ技術水準のメックだった・・・修正は有りません。

 効率的な改造メック・・・GMの判断により、重量を10%〜30%増しとして計算します。
 効率の悪い改造メック・・・GMの判断により、重量を10%〜30%減として計算します。 
 
 PCがLAM(LV3ルール)に乗っており、敵がLV1メックに乗っている場合、重量は3倍として計算します。エアメックモードを封印して、変形機構を遠距離への緊急展開専用とするなら、LV1ルールのメック扱いして、重量を−15%してあげましょう(笑)。本当は、10%の死重量というのは、さらに大きなペナルティなんですけどね(^^)


 B、重量差による修正

 まず、メックの重量比率を計算します。これを基本経験値に掛け合わせます。
 例:PC側200トン対敵100トン・・・0.5倍の敵です。
 例2:PC側200トン対敵140トン・・・0.7倍の敵です。
 例3:PC側50トン対敵200トン(!)・・・4倍の敵になります。
 
 例1は、作ったばかりのキャラには丁度いい試練となるでしょう。
 任務経験点で150点、重量で100点、ダメージで80点、クリティカルで20点。合計で350点を4人で分けて、さらに重量係数で半分になりますから44点ですね。

 例2は、同じ腕同士を想定しています。このくらいの戦力差なら、スリルを楽しみつつ勝利になるでしょう。
任務経験点で200点、重量で140点、ダメージで160点、クリティカルで40点。合計で540点。4人で分けて一人当たり135点です。

 例3は、戦闘後、最も損傷の軽微な機体の修理を最優先で終わらせ、新たに攻撃してきた敵小隊をなんとか一人で足止めする、というシチェーションのつもりです。滅多にない状況です。
 しかしそれだけに得られる経験値も膨大な物になります。
 重量200トン、ダメージが80点×4÷2=160点、クリティカルが5×8=40点、任務は250点、合計で650点です。自分は一人ですから、人数割りをする必要が無いですね。そして、重量比率で4倍になり2600点獲得できます。


 C、係数を使用
 訳者の提案している方法です。キャンペーンを通じて2倍から5倍を与えます。お勧めは5倍です。
 
 
 D、遭遇経験点を沢山やる
 これはごく最近気付いた事ですが、日本人は遭遇経験点を軽視し過ぎているのではないか? と思うのです。
 メックウォリアーの記述はほぼ正確で有るとの証言があります。
 「NPCや色々な生物と遭遇する」「パーティがNPCと戦う事無く、信頼関係を結んだり維持した場合、GMはプレイヤーキャラクターに遭遇経験点を与える事が出来ます」
 
もし、これを厳密に解釈しNPCとの遭遇に対してきちんと遭遇経験値を与えたら・・・ミッキーの試算では、シナリオ毎に数百点から(状況によっては)数千点もの遭遇経験値を稼げるようになりそうです。
 
この、遭遇経験値を厳密に計算してキャラクターに与える方法は、オリジナルルール使う必要なく、妥当な成長が可能です。
 完全にルール準拠で、比較的テンポよく成長できます。ぜひ、お試し下さい。