NAIS卒業生とは?  作:ミッキー  戻る


 やたらと権威あるイメージをもたれ、憧れと羨望の的になっているNAIS卒業生という肩書き。人類宇宙最高学府の名前をほしいままにしているニューアヴァロン科学大学の卒業生。しかし、その実態を日本ユーザーは今一つ把握していないという状況であるようにも思います。このコラムでは、NAIS卒業生のことについて、検証してみたいと思います。

※基本的に日本語版サプリメント、3025年代(得にメックウォリアー)を基準とします。英語版では3030年以降を対象としたルールに改変されていたりして、日本語環境に合わない事が多いからです。


 ○権威
 NAISは、“中心領域最高”の教育・研究機関(P189)です。地方惑星などでも大学はあります(傭兵達の星)が、それとは一線を画す存在です。少なくとも、技術と科学のほとんどが失われた惑星で「大学です」といっているものとは桁が違います。
 現代日本の最高学府が東大、それより更にランクが上で世界的な最高学府というと・・・オックスフォードかケンブリッジか・・・あるいは、ちょっと違いますがアメリカのNASAでしょうか? 大学とは違いますが、世界トップレベルの研究機関である事は間違いないでしょう。しかし、これらも、“地球で最高”の教育・研究機関でしかありません。たった一個の惑星の一番でしかありません。“中心領域最高の”というと、500以上にもなる中心領域の主要な星系(人口の少ない後進星系を含めればこの数十倍になります)の中で一番なのです。文字どうり桁違いの権威を持つと言えます。

○NAIS入学条件の基本的な記述
 ルールブックによると入学条件(P25)は、「恒星連邦の正規軍に所属しするメックウォリアーもしくは整備兵で、知力が8以上でえある場合軍事科学部に入学を試みることが可能であるとあります。入るには2Dで11以上を振らなければならないが、作成段階で9以上の能力値が一つある毎に目標値が一つ下がる」そうです。
 (大学の授業は毎日8時間から10時間以上にもなる厳しい環境でありながら、授業にはそれだけの価値があると考えられており、競争率は10倍以上になるそうです:P189)


○能力と合格率の検討
 知力8。これは、メックウォリアーP139に、古参兵で全能力値8となっています。つまり、「作成段階で古参兵並みに頭がいい」という、非常に希な存在でなければ、入学を試みることすらできないことを意味します。
 目標値11。これは、12分の1の確率を意味します。能力値が9以上(エリート兵並みの能力値!)になる毎に目標値が一つ下がります。知力9なら目標値10で6分の1の確率です。これはNAISの設定である合格率10%と12分の1(8.33%)の間を埋めるものと考えればいいでしょう。


○恒星連邦の正規軍に所属する
 大学に入学するまえ、つまり、受験勉強を必死にしている頃というと、15〜18くらいでしょうか?
 普通に考えれば、軍に入隊前・・・徴兵されるのは大人になってから、つまり18歳か20歳くらい。それ以下となると、志願して入隊するある程度特別な人になると思われる・・・であるか、軍に入ったばかりで新兵訓練に明け暮れていなければならない時期です。
 となると、士官学校の予備軍である幼年学校もしくは士官予科学校にはいっている人か、あるいは家系的に正規軍に所属している人・・・つまり、貴族でなければいけません。
 メックウォリアー=貴族というバトルテックワールドの設定から考えると、幼年学校もしくは士官予科学校に入っている人、入ろうとする人というのは、その多くがやはり貴族もしくはその傍系と思われます。
 貴族というと通常は爵位を継いだもの、もしくは継ぐ予定の人間を指します。超のつく大貴族ならともかく、普通の貴族は傍系を貴族とは見なしません。平民として扱われることがほとんどです(P191〜)。そうでないと、際限なく貴族が増殖し、領地が足りなくなるからです。
 しかし、この場合には、嫡男だけでなく、その予備と見なされる次男三男程度までは入学条件を充分満たすと思われます。従兄弟とか、甥っ子とか、結婚した家の子供等も条件にはいるかもしれません。しかし、家柄はある程度厳しく審査されるでしょう。何しろ、バトルテックワールドは身分差別があると設定されている世界ですから。
 (現実世界でも、身分差別が世界的に払拭されつつあると言えるのは、せいぜいここ50年程度でしかありません。身分差別が無い時代のほうが珍しいのです。今が異常な時代だとさえ言えるかもしれません。いやまあ、現代でも身分差別は厳然としてあるんですけどね)


○卒業時の年齢
 NAISは凄まじいまでの権威を持つ大学です。何しろ“中心領域最高”ですから。
 となると、金持ちなら馬鹿でも入れる東大程度の簡単な試験とは思えません。
 18歳未満で入学するというのは、希なことと考えられます。
 非常に優秀な人で浪人も留年もせずに一発入学した人で18歳から4年間、22歳で卒業する・・・つまり、現役入学して現役卒業するだけで、すさまじく優秀であることの証といえるのではないかと思われます。
 卒業後は、32歳まで正規軍か大学に奉仕することになります。それまでは自由に動くことはできません。

 なお、“普通の”メックウォリアーは、物心ついた頃から科学知識や軍事教練などを叩き込まれ、“英才教育”を受けた人達(バトルテックP13)です。一般人よりも遥かに優秀な人達です。
 例えば、「士官学校」の最低限の入学条件は“高等教育卒業程度の学力”であることが通常です。日本の場合で言うと士官学校というのは「防衛大学」のことです。つまり、士官学校とは通常「大学」のことです。この士官学校(大学)の卒業生なのに、16歳の小娘(6回も飛び級!)しているような天才的な人達が、メックウォリアーの中には多数います。それくらい、優秀な人達なのです。
 ところが、NAISの入学条件は、これらよりも遥かに高い(P25)のです。
 最高学府であること、知力8以上が入学の最低条件で有るある事、9以上の能力が一つある毎に目標値が一つ下がるだけであること・・・
 幼い頃から英才教育を受けているのが当然のメックウォリアー候補生達の中でも抜きんでて優秀であると自信を持てるような人がNAIS入学にチャレンジしてみようと考えるわけです。そんな人達ですら、競争率は10倍以上です。
 これだけの条件が提示されているとなると、心体ともにすさまじく優秀であるのでもない限り、NAISに18才未満で入学したり飛び級で卒業したりすることはまず無理だと思われます。卒業できるのは、通常22歳以降となるでしょう。現役入学現役卒業という経歴自体すさまじく優秀であることを示すと思われます。


○ライラ共和国からの留学
 ライラ共和国からも入学できますが、設定上ごくわずかだけですので、例外と思うべきでしょう。少なくとも、ライラに所属しているからといって無条件に入れるとは思わないほうが良いでしょう。また、次の項目をよく読んでから入学の試みをすることをお勧めします。かなり致命的なことが判明しました。


○卒業年度や奉仕終了時期
 NAIS卒業後は10年ほど恒星連邦に奉仕することを義務づけられて(P189)います。NAIS設立は3016年後半で、3022年からはライラからもごく少数の学生を受け入れています。
 恒星連邦正規軍所属の(通常の)1期生で卒業が3020年、10年間の奉仕が終わるのは速くても3030年となります。
 ライラ共和国正規軍所属の場合速くても6期生からの入学となり、卒業は3026年、恒星連邦への奉仕が終わるのは3036年です。
 つまり、『例外を除いて、3025年代に恒星連邦の正規軍もしくはNAIS以外の所属であるNAIS卒業生はいない』ということです。
 ライラ共和国の正規軍所属だからといってNAIS入学を試み、成功してしまった場合は、『そのキャラは今恒星連邦にいるから君のキャラはここにいないよ』ということになってしまいます。3025年代から殆ど年代が進まないサザエさんモードでプレイしていることの多い日本語環境では・・・さらに、違う惑星上で別れてのプレイなどもあまりしない環境では・・・事実上のキャラクターロストでしょう。
 (年代を進めてはいけないとか同一の場所でプレイしないといけないとはどこにもかかれていないのですが、なぜかそういう傾向があります。こういうものすごく特殊な環境では、結構致命的です)
 その他の国や所属では、基本的にNAISに入学できませんから、もちろん大学パックは使用できません。

しかし、大学パックは非常に人気があり、恒星連邦正規軍でなくてもNAIS卒業生になりたいという方は非常に多いようです。ですので、次の項からは、例外事項として、その他の所属でNAIS卒業生を3025年に無理矢理使用するための指針などを書いて見たいと思います。

 連邦正規軍以外のNAIS卒業生