『LAMメックの実態と運用』   作:ミッキー    戻る

 

〔概要〕
 LAMメックは、星間連盟の技術に、根本的な変革をもたらしうる革新的な機種でした。しかし、LAMメックは消えつつあります。それはなぜなのか等を中心に話したいと思います。

〔弱さと高価さ〕
 LAMメックは、星間連盟の頃から、高度な偵察機として高名でしたが、正面戦闘能力はあまり認められていませんでした。
 LAMメックは通常メックの1.75倍もの値段がする上に、メックとしてみた場合10%もの死重量を持ちます。
 例えばLAMフェニックスホークのメック形態時の強さは35トンメック並みでしかありません。そんなメックが、強襲メックより高価なのです。(オウサムの652万6170コムスタービルより高価)
 気圏戦闘機としてみた場合はさらにこの死重量が増えます。
 LAMは機体中枢に10%、変形機構に10%割かれる上に、推進力を得るためにジャンプジェットを装備する必要があります。
 50トンのLAMフェニックスホークは、同じ重量と推力を持つ気圏戦闘機と比べて7.0トン(エンジンの差額)+2.5トン(ジャンプジェット)+3トン(変形機構から推進剤分差し引き)+5トン(機体中枢)+3トン(ジャイロ重量)=20.5トンほど死重量があるという計算になります。30トンの気圏戦闘機より弱いのです。
 しかも、構造強度は通常よりも1点低いのです。
 こんなに弱いのに、LV1のあらゆる気圏戦闘機より高価になります。100トン 5/8、装備73トン気圏戦闘機であるサンダーバードは653万8313コムスタービルに対し、LAMフェニックスホークは723万8000コムスタービルに達します。
 ちなみにスパッド気圏戦闘機は30トン7/11 装備重量21.5トンでLAMフェニックスホークより強いですが158万2026コムスタービルしかしません。4.5機ほど買えます。


〔LAMの生産性と開発難度〕
 これほど高価である上に複雑な構造のため生産性が悪かったため、星間連盟はなやかなりし頃でもLAMメックはごくわずかしか生産されませんでした。
 この機種は開発が難しく、しかも費用が膨大にかかるのです。
 少し考えてみればわかるのですが、LAMの設計には補修・整備=メック6LVと補修・整備=航空機6LVの両方が最低限必要なのです。メック開発の指揮を執ることが(最低限)可能な6レベルだけではとても足りないのです。生産ラインの作成やプログラムなどまで考えると、補修・整備=一般とコンピュータも6LVほしいところです。いや、複数の機能を兼ね備えた機体を開発するのですから、6LV程度では足りずに、8LV必要なのかも知れませんね。
 メック技術の革命とまでいわれた機種ではありますが、設計できないのでは意味がありません。沢山の会社が開発を途中で断念し、LAMメックから手を引きました。まともな生産ラインに乗ったLAMメックはわずか3機種でしかなかったのです。
 
※版権問題で出せなくなったのをうまく説明する実に緻密な設定だと思います。

〔戦争による状況悪化、現代の運用〕
 そこへ、戦争による破壊がこれに拍車をかけにやってきました。工場が破壊され、原料は手に入らなくなり、完成した機体と交換部品の輸送は滞り、ようやっと前線に届いたものも激しい戦いでたちまち破壊されました。

 3025年代では、LAMメックの補給部品の確保は悪夢のごとく難しくなり、運用には膨大な費用がかかるようになっていきます。
 これは、正規部品が中々手に入らない事を意味します。応急修理が必須になります。ということは、補修・整備=メック技能4LVと補修・整備=航空機4LVの両方を持ったテックが必要です。ただでさえ貴重な技術者なのに、2種類の異なる整備に精通していなければならないのです。 


〔パイロット〕
 同じように、パイロットの養成も非常に困難です。
 メックの操縦に才能を持つだけでなく、気圏戦闘機の操縦にも才能を持つ人はなかなかいないのです。しかも、訓練にかかる時間と費用は単純計算で2倍です。
 これは、LAMメックのパイロット達を経験不足にさせることにもつながりました。貴重なLAMメックとそのパイロットを投入することを、指揮官達がためらうからです。そのため、LAMからの射撃は往々にして不正確です。

 これらの理由から、LAMメックは戦略的な価値が高いにもかかわらず戦場ではほとんど見かけられなくなっています。

 戦場でLAMメックが見られなくなった理由も状況も、ZガンダムやZZガンダムの頃には大量に開発された変形モビルスーツと同じように思えます。シャアの反乱の時代には変形モビルスーツは全く見られなくなっていた理由も、高価さ、開発難度、構造的な弱さなどが上げれています。


 〔LAMのエアメックモードは強いのか?〕
 断言します。強くありません。
 もちろん、「負けない戦いをする」という一点においては弱くありません。
 しかし、ジャンプ移動によって命中目標値に3点のペナルティを常に受けることを宿命付けられた上に、パイロットの腕が低いのが普通ではどうしようもありません。
 移動力が高いといってもヘリと同程度の移動力でしかないのですから、強さも高が知れています。同じ値段でヘリを買うのであれば一個中隊くらい買えますし、バトルバリューでも同じようなことになります。
しかも、LAMメックのジャンプ移動による修正は、「地上ユニットからの射撃の場合1点のボーナスがある」のです。つまり、ジャンプ移動による命中修正に+1というのが相殺されてしまいます。


 〔LAMメックのプレイヤーレベルは3:バトルテックの場合〕
 LAMメックのプレイヤーLVは3です。これは「参加プレイヤー全員の同意がなければ使えない選択ルール」なのです。
 それより低いプレイヤーLV2は公式大会で使用可能なものであり、XL融合炉やガウスライフルと言った装備を使用できます。
 対戦相手がLV3のLAMメックを使用するのであれば、こちらもLV2や3の装備を使う事に問題があるはずありません。
 通常技術程度では弱すぎてLAMに対抗できないと嘆く必要はないのです。 XLエンジンやガウスライフル、パルスレーザー、対航空照準装置、遠距離用照準装置、ダブルヒートシンク、Narcミサイルビーコンなどがあなたに味方します。
 そのぶんバトルバリューも高くなりますが、エアメックをも圧倒する性能に納得するでしょう。
LAMメックを使いたいと要求する対戦相手には、こういった機体をぶつけてやりましょう。敵は反論する術を持ちません。

 〔LAMメックのプレイヤーレベルは3:メックウォリアーの場合〕
 バトルテックではなくメックウォリアーでプレイする場合・・・対戦相手はこのように反論すかも知れません。
 「LAMメックは3025年代にもあるがLV2の装備は3025年代にはない。だからLAMメックは使ってもいいがXLエンジンやERPPCは使用禁止だ」
 しかし、LV2の装備を使う限り、これに耳を貸す必要はありません。
 なぜなら、こういった高度な部品を使ったバトルメックは星間連盟期にLAMメックよりもはるかにたくさん生産され、あちこちの遺跡に眠っているからです。LAMメックよりはポピュラーな存在なのです。
 LAMスティンガーがクリタのイレースで細々と作られているのが例外ですが、それでもなおLV2の装備を持ったメックのほうがありえます。
 ルールブックをきちんと読んでみましょう。今の継承国家は星間連盟期の倉庫に補給のかなりを頼っています。つまり、そこからLV2のメック達がけっこう出てくるのです。
 ※LAMメックと同じく代えのきかない貴重なメック達です。滅多に出てくることが無いのはどちらも同じなのですが。

 〔再びバトルテックの場合〕
 そして、敵がプレイヤーLV2の装備をつけたLAMメックを新規設計して持ち出したら・・・思うつぼだと思われます。XLエンジンなどは非常に高価で、バトルバリューも価格も凄まじいことになります。なるべく安価で良い遠距離攻撃力を持ったメックを大量にぶつけてあげましょう。上手に選べば、5倍から6倍程度のメックで対抗できます。
 例えば、ストームプリンセスはエンジンの費用だけで1020万コムスタービルに達します。これだけでエンフォーサーが3機近く買えてしまいます。

 バトルバリューで戦力を計算する場合でも同じ方法が通用します。LAMメックのバトルバリュー通常の1.75倍とかなり高いのです。
 安価なライフルマンあたりを群れなして襲い掛からせてあげましょう。オートキャノンは航空目標に対しての射撃で命中に1点のボーナスがあります。さらに、ライフルマンのD2j対空レーダーは、航空目標に2点(資料によっては3点)のボーナスがあります。これはプレイヤーレベル3ですが、LAMメックも同じLV3なのですから文句を言われる筋合いはありません。
 つまり、合計3点のボーナスで攻撃できるようになるのです。