『メック輸送ヘリ』 作:ミッキー 戻る
※以下の文章には、大量に未翻訳ルール、ならびに自分で翻訳の出来る人から聞いた話などが使用されます。そして、これらの未翻訳ルールは、版によって内容がまったく変わっていたり、ルールが削除されていたりすることが頻繁にあります。
これらを前提としてご覧ください。
グレイ・デス小説2巻、トレルワンのサンダー断層での決戦において、メックを輸送してきた『頑丈な輸送用大型ヘリ』というものが登場します。
ローリーカルマーの推測でしかないのですが、「歩兵はもちろんメックを1機か2機載せてきた」かもしれないとされています。
その直後の襲撃で、先頭に立っていたのが橋戸・リコル公爵の乗るマローダー(75トン)です。さらに、シャドウホークとスティンガーが新たに加わっていました。
ですから、最大の見積もりで135トン、最小で25トン程度を運搬してきたと推測されます。
しかし、です。ルール上ヘリの重量限界は30トンなのです。これでメックを輸送できるのでしょうか?
まずは、ヘリ作成ルールの面から検証してみましょう。
検証1
ヘリ(VTOL)の作成ルールは、「車両作成ルール」を使用します。特にホヴァー車両に酷似しており、ローター機構に10%必要、特定トン毎にエンジン出力にボーナスがつくというのが主な違いです。
サスペンション点でなくリフト点、浮上装置でなくローターに10%という名称上の違いがあるだけです。
なんと、ヘリは『車両の一種』なのです!
また、運用上の違いも、上昇と降下等の追加、着陸と離陸等のルールが追加されているくらいです。あとは、空中なのでどこででもスリップのルールが適用される辺りでしょうか?
(これ以上の説明は、当該サプリメントをご覧ください)
ルール上から言うと、『ヘリは航空機でなく車両』なのです。
車両というのは、メックと同じく自重の2倍までの荷物を搭載して運搬することができます。もちろんこれは超過重量であり、本来の機能の全てを使えなくなります。操作性がわるくなったり移動力がおちたりします。
メックウォリアーにもこのあたりがちょとだけ出ています。P118を読んで下さい。
という事は!
ルール上ヘリ重量の上限はは30トンまでですが、自重の2倍・・・60トンの荷物を搬送可能なのです! さらに、自重を減らしてカーゴスペースとして確保しておけば、あら不思議、マローダーを運搬可能なのです!
また、ルール上、重力の高い惑星でも低い惑星でもメックや車両の移動や運搬能力の変化などを規定したルールがない点も注目したいです。2G惑星で自重+荷物で合わせて90トンの質量を運搬可能なら、0.5G惑星では合計360トンの質量を運搬して飛行可能なのです!
・・・嘘です。惑星重力によって運搬能力が変わらないなら、0.5G惑星でも90トンしか運べません。
※重力の高い惑星は気圧が高い必然性があり、重力の低い惑星は気圧が低い必然性などもありますので、その点が多少はこの疑問に回答を与えてくれるかもしれません。もっとも、常識が通用しないのが宇宙なんですけど。
※実際のところ、人間が自然状態で生活可能となると、0.8G〜1.5Gくらいがまともなところと思いますので、ここまで極端な問題にはならないとも思うのですが・・・採掘惑星などの人間が自然状態で生活することをいとわない環境での戦闘を睨んで設計しておかないと使い物にならないのがバトルテックワールドの常識でもあったりします。
仮設計:メック輸送ヘリ
中枢:3トン
ローター:3トン
操縦装置:1.5トン
内燃エンジン40:2トン
装甲:0.5トン
小計:10トン
カーゴ:20トン
最大運搬可能重量:80トン/1G
結論1:トレルワンは0.86Gなので強襲型も運搬可能である。
なお、このヘリが実際に使い物になるかどうかの反論はご遠慮願います。
「ありうるかどうか」がこの考察の目的ですので。
検証2
さて、次の検証に移ります。
上記の検証は、戦闘機動が出来る構造のヘリ作成ルールから見たものです。
という事は、戦闘機動の出来ない、ただの輸送ヘリであったらどうなのでしょう?
たとえば、核融合炉を搭載しないタービンエンジンを積んだ在来型の戦闘機は、50トンが設計限界です。小型機・・・つまり往還シャトルなどの重量限界も200トンしかありません。しかし、現代のジャンボ機でももっと重いです。
ボーイング777ですら全長63.7m、全幅60.9m、135.6トン、最大離陸重量229.5トン、経済速度マッハ0.84、航続距離7350Kmに達します。
マッハ3.5を出せる超音速偵察機のブラックバードですら自重30.6トン、燃料搭載量46.2トンです。
ど〜考えても、もっと重い機体の作成は可能です。
同じように、ヘリももっと大きい期待の作成が可能なのでしょう。
ただし、メックの戦闘支援などに使えるような機体としては30トンが限界、という事なのだと思います。
そう思って改めて当該ヘリの表現を見てみると・・・『頑丈な輸送用大型ヘリ』となっています。
結論2:ただの輸送用であれば、もっと大きな機体も可能(かもしれない)