『ワスプLAM』  作:M−鈴木    戻る

 今回は唐突にも「ワスプLAM」の考察であります。

 サークルウォーハンマーさんが刊行している日本語訳TRによると(自分で翻訳していないところが我ながら不甲斐ない)ワスプLAMは比較的良好な開発経緯を辿ったスティンガーLAMに比べ、変形機構の開発に難航し、決定版が出るまでに並々ならぬ苦労を様々な企業・研究機関が強いられたとあります。(アメリカ版のデザインじゃそっくりなのにね)

 では、何故難航したのか?
 スティンガーLAMはフェニホLAMと「どれほど異なる変形」を行うものなのか?

 私の妄想におつき合い下さい。

 話は日本語版のデザインを前提に進めます。

 まず、元となるフェニホLAMとスティンガーLAM(フェニホLAMは後発だが)ですが、これは拙作「S−TECH」をお持ちの方には言うまでもなく。
 膝から下の脚部は人型以外では前後に分割される。
 エアメック形態では大きく前後に開いたジャンプユニットであり、飛行形態では上下に平行に開き、核融合炉の熱交換ユニットとして推進部を形成し、胴体左右後方に位置する。
 翼は背面に背負った格好で、可変翼であり、エアメック形態では前進翼、飛行形態では後退翼である。
 胴体は胸部を跳ね上げるオーソドックスな変形で、Zガンダムとほぼ同じ、シールドの代わりに手携行大型火器がそのまま機首を形成する。
 腕部は携行火器と胴体先端を左右から挟む形で胴体前方にて機首パーツを形成する。

 と解釈しています。
 この2機種は胴体が前後に長いのも話を単純にしてくれる処で、変形は比較的あっさりしたもので、悩み所も無いのですが・・・
 問題はワスプの胴体です。
 あれ見ると同じパターンは無理かなぁ?とも思案する処。
 テクニカルリードアウトの記述を考えても意図的にワスプのみメックのデザインも変えたのかしらん?
 ときに、あの日本語版メックのデザインが行われた時期を考えると丁度河森氏はヴァルキリーの各種デザインを模索していた時期と重なります。
 ムック本等を見ても「あれ」はあの頃から可成りの纏まりを見せていたはず。

 「あれ」ちゅうのは・・・YF−19ヴァルキリーでございますよ、御同輩。
 YF−19の胸部形状は、考えて見ればワスプと基本ラインが見ていなくもありません。
 するとスティンガー・フェニホLAMと意図的に変形パターンを変え、開発が難航した一方で完成したそれは非常に洗練された空力的特性を持つに至ったと言うワスプLAMの設定を踏まえ、元となった事になるワスプのデザインを「ああ言ったものにした」のかな?と妄想も激しく突き進む次第。

 脚部外側には主翼かぁ・・・

 さて、どないでしょう?