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[545] (無題) 投稿者:ミッキー 投稿日:2007/01/30(Tue) 22:00

お久しぶりです。まあ、ぼちぼちやっていけたらいいな、とは思っておりますが・・・・
ツリー掲示板については現在IDとパスワードを必要とするものを設置するため試行錯誤しております。
現在のところテストは順調、ではあるようなのですが・・・
さてさて、本当にうまくいくのかな・・・・?


[544] やったー、戻った〜。(でも、いつまでもつの?) 投稿者:レオン 投稿日:2007/01/30(Tue) 03:21

ようやっと、まともに機能するようになったみたいですね。ほぼ、1年ぶりでしょうか。
しかし、抜本的な解決は出来たのでしょうか?ツリーには早速スパムが届いていますし。
これはもう、司法手段に訴える事も検討しなければならないと思います。


[543] テスト 投稿者:ミッキー 投稿日:2007/01/29(Mon) 01:00

テストです


[517] こんなの作ってみました 投稿者:レオン 投稿日:2006/03/19(Sun) 23:51

えー、ビークルファクトリーというソフトを使ってドールハウスを作ってみました。
以下にデータを載せます。
ちなみに、このソフトを使えば戦車やホバーの他、気圏戦闘機をデザインする事も出来ます。
最新バージョンではドロップシップやジャンプシップをデザインする事も出来るらしいですが、うちのパソコンでは稼動しませんでした。
↓ここでダウンロードできるので、試してみてください。

http://www.chaosmarch.com/

ドールハウス
総重量:100t
キャタピラ 巡航時MP:1 全速時MP:2 
エンジン:核融合
放熱器:10
砲塔:4t
装甲:264点
前面:54
後面:50
砲塔:40
左/右側面:60
武装:
5連長距離ミサイル×20 砲塔
弾薬(5連長距離ミサイル)×20

M−鈴木さんが以前デザインした超重長距離支援戦車です。
ちなみに、このソフトだとM−鈴木さんが作ったデータでは重量オーバーになってしまいました。


[515] 気が付いた点・・まあ、いつものごとく重箱の隅になりますが 投稿者:リオン 投稿日:2006/03/19(Sun) 18:12

・・・5月編成表、統合再編計画による機種変更が反映されていないようです・・・

あと、レオンさんの指摘通り、なんか変更されてますね・・・
死の天使のSSが入ってると
カウツ編終了〜ブライスランドでの仕事探し〜メルチャー編・・になるはず・・・ですよねえ・・・。

あと、あだ討ち組みの大半の故郷をメルチャーとすると、同じあだ討ち組みの気圏戦闘機乗り2人はどう言う扱いになるのでしょう?
エゥアもカーティスもそれぞれ違う惑星の出身ですが・・・


えと・・あと質問。
SSでは惑星の状況が把握しにくいです。
・・・と、言うか・・・
新興貴族の側にドラコの手が入り込んで反乱(一揆)を誘発させる要因を作ったのはわかったんですけど。
そこまで手の込んだ事をするなら反乱(一揆)の方にドラコの手が入っていないとは考えにくいんですけど・・・
最低限、反乱部隊の強硬派との戦闘は避けられないのでは・・・

あと・・・エンドウ大尉が巡察官だというなら、演説をはじめ、公爵との交渉等、政治上の表に出るのはエンドウ大尉であるべきで、BHは顔を出すべきでは無いと思います。
書類上の構図だとエンドウ大尉(巡察官)>アンジェリーナ一行(復権貴族)>BH(復権貴族指揮下の傭兵)の順になりませんか?
一番まずいのはBHの過去を持ち出されて「リャオ出身の傭兵がドミニオン家・・メルチャーを食い物にしようとしている」当の流言を流されることだと思います。


[513] ところで。 投稿者:レオン 投稿日:2006/03/19(Sun) 12:43

私が以前書いていた、死の天使小隊のメンバーはどうしましょうか?
メルチャ−で合流した事に変更しましょうか?
あるいは、眼前に立ち塞がる強敵として。
(オウサム×2、ハイランダ−改、アトラス改で編成されているので、加奈子小隊を遥かに上回る強敵になりますよ。)


[512] 伯爵の帰還 投稿者:ミッキー 投稿日:2006/03/17(Fri) 01:47

風呂に入ったら眼がさえてしまったのでこれだけのっける。


伯爵の帰還

 「あの紋章は!」
 「まさか・・・」
 「ドミニオン家のバトルマスターか!」
 「帰って・・・帰ってこられたのですね!」

 バトルマスターがアップで映されたとき。新任領主達の暴政にあえいでいたアキテーヌ大陸の住人達は、歓声をあげ、あるいは感涙に咽び泣いた。
 このバトルマスターこそ、アキテーヌ大陸が平穏な統治を受けていた時代の象徴だったのである。

 「これで・・・これであのろくでなしどもから開放されるんだ!」
 「どんなにこの日を待ちわびたことか・・・・!」
 「待て、プロフェッサー・ドミニオンは甥っ子ごと殺されたはず。」
 「ということは・・・どなたか別の親戚が?」
 「主だった親戚は皆殺されたはず。残っているのは教授の娘、アンジェリーク様くらいのはず。」 
 「なに? しかし、まだ12歳のはずだぞ?」
 「まさか、あのお嬢様が!?」

 カメラはアングルを切り替え、中央の通路を向いて5機ずつ計10機のメックが並んでいる様子を再度アップで映し始めた。先ほどと違うのは、コクピット内の様子を画面分割して映していること、そしてナレーションが入っていることである。
 「マローダーのリリム・フェイ少佐、シルバーホークのクラウディア・バートン大尉、ヴィンディケイターのオットー・バイヤーバルツ少尉、スティンガーのジェイムズ・フット准尉、メルデゲンガーのゼッキード・ノス曹長。」
 右側の5機については、名前を呼ぶだけのかなりおざなりな紹介だった。メックを映す時間も短い。対して、左側の5機については、実に入念に、たっぷりと時間をかけて紹介が行われた。 
 
 「カルミア・シュバルツワルド曹長! アンドレ・ドミニオン教授の助手を務めていたライフス・シュバルツワルド中尉の妹です! 今回、仇討ちを終えてNAISに帰還した兄君の名代として、F型ジェンナーを伴い参加されております!」
 「クラーク・エアハルト曹長! 特殊部隊員として加奈子中隊を何度も苛んで作戦全体を有利に導き、仇討ちの初期段階で多大な戦果を上げました! さらに、ユニオン旧降下船ザムジード号とシャドウホークを奪還する作戦でも先頭にたち大いに活躍しました! 仇討ちの最終段階で、加奈子自身に止めを刺したのもクラーク曹長であります!」
 「エカテリーナ・エアハルト少尉! エアハルト家のクラーク曹長とご結婚なさり、家伝のヴァルキリーを伴って仇討ちにも参加なされました!」
 「ファーファリス家息女、ロメーヌ・ファーファリス少尉! 加奈子小隊の裏切りにより大破した家伝のクルセイダーを修理し、加奈子・フジカを始めとする裏切り者達を撃滅するため、数次の作戦にて多大な戦果を上げました!」
 「ウルヴァリーンを駆るのは、アルベルト・ファーファリス中尉! ライフス中尉の友人として、仇討ちに最初から最後まで力添えをいたしました! フェイム・ファーファリス様と結婚してファーファリス家に入りました! 細君のフェイム様は現在妊娠3ヶ月でございます!」
 「そして・・・バトルマスターを駆るのは、アンジェリーク・ドミニオン嬢!」
 金髪碧眼の華奢な少女が、第一種礼装をまとい、巨大なバトルメックの操縦席に立つ姿は、その対比と危うい均により、人々に大きな感銘を与えるようにライティングや化粧などなど、試行錯誤した苦心の結晶であり、カメラ写りは実に良かった。
 「2年前までアキテーヌ大陸を治めていたドミニオン伯爵家の息女であります! このたび、仇討ちを終えられ、復権を許されてメルチャーに帰ってまいりました! 無法者、加奈子からバトルマスターとザムジードを取り戻し、帰ってきたのであります!」
 
 ナレーションが終わるとともに、全てのメックの頭部装甲が開き、メック戦士達が立ち上がり、敬礼する。カメラは、メックの上で敬礼しているメック戦士達を、順に映していく。
 カメラが切り替わり、バトルマスター上のアンジェリークのアップに戻ると、再びナレーションが入った。
 「それでは皆様、アンジェリーク様よりお言葉をいただきましょう!」
 ナレーションとともに、それまで生放送だった映像が、数時間前までに撮影し、編集した録画と切り替わった。生放送の臨場感は人々に与える印象がまったく違うから、とここまでは生放送だったのである。しかし、アンジェリークお嬢様が、演説を間違えずに完遂できるかというとこれは無理と判断されたために、録画での放送となっているのである。

 「皆さん、私は、ザ・ライト・オノラブル・ドミニオン・カウント・アンジェリーク・オブ・アキテーヌ。このたび、敵討ちの達成により、L・ピーター副大臣の承認を得て、称号と領地を父から継承し、メルチャーへと帰ってまいりました。2年前のあの日、新兵器の実戦テストをしていた、NAIS教授たる私の父と、配下のアキテーヌバトルメック中隊は、護衛に雇っていた加奈子小隊に裏切られて全滅、研究成果と何機ものメック、そして降下船ザムジードを奪われました。メックを、メック戦士を、何よりも開発中の新兵器とその情報を奪われたことにより名誉を失い、全ての家が爵位を失いました。私達は、復権のために仇討ちを申請し、受理され、探索に出ました。長く、苦しい探索の旅の中、仇にめぐり合うこともできずに露と消えた者たち。返り討ちにあったもの達。いまだ行方不明のままとなっている一族もたくさんいます。しかし、私達はカウツVにて裏切り者、加奈子達を見つけ出し、新兵器を奪い返し、仇討ちを成し遂げることができました。」
 カメラは、時折切り替わり、アンジェリークの正面アップだけではなく、横から、ロングからと視点を変えて映している。威厳も包容力も、今はまだほとんど無い。しかし、けなげな少女が懸命に自分の義務を果たそうと努力している様子は、アキテーヌ大陸で新任領主達の暴政にあえいでいた人々の心を揺さぶるには充分なものであった。
 「アキテーヌ大陸の皆さん、私は、謝らねばなりません。私達アキテーヌの貴族達が、加奈子の反乱を許してしまったばかりに、統治権を失い、新任の領主達がアキテーヌを好きにさせてしまったのは、全て私達の責任です。私達がふがいないばかりに、皆様には辛酸をなめさせてしまいました。領民を統治し、その生活を保障し、外敵から守るという貴族の義務を、果たせなかったのです。ここに、公式にアキテーヌ大陸の皆様に謝罪いたします。どうか、許してください。」
 そう言って、アンジェリークは率直に頭を下げた。
 「そして・・・もし、私達を許してくださるのでしたら、アキテーヌ大陸に秩序をもたらし、発展させるために、力を貸していただきたいのです。私達は、アキテーヌ大陸を以前の状態に戻すために、最大限の努力を行うことを誓います・・・」
 アンジェリークの演説は続いていった。そして、その演説は、反乱をおこしている者たちに、武器を捨て家に帰る事を促した。反乱はいかなる理由があろうと重罪であり、アキテーヌにブラッドハウンド艦隊が降下した後も反乱を続けていれば、アンジェリーク自身が反乱民を処罰せねばならない。そのような悲しい事をさせてくれるなと。軍には反乱民を攻撃することを止め、ドミニオン家の指揮下に戻るようにも命じた。地上軍はアキテーヌの民を守るために存在するのであり、領主に浪費をさせるために存在するのではない、と。
 
 これらの演説と命令は、アキテーヌの人々に変化の風を感じさせた。これまでの暴力と恐怖による搾取に取って代わり、誠実と慈愛による復興という名の変化の風を感じさせたのだ。

http://www10.plala.or.jp/cgi-bin/wforum/wforum.cgi/BHHQ/BHHQBBS4?no


[511] (無題) 投稿者:ミッキー 投稿日:2006/03/12(Sun) 21:46

ちなみにSSツリーのほうにものっけました。
まだまだ続きを書く予定ですがよければこちらもお願いします↓

http://www10.plala.or.jp/cgi-bin/wforum/wforum.cgi/BHHQ/BHHQBBS4?no=262&reno=124&oya=124&mode=msg_view


[510] (無題) 投稿者:ミッキー 投稿日:2006/03/12(Sun) 21:36

レオンさん、SSありがとうございます。
なるほど、オットーたちも参加、ですか。
了解しました、では、オットーたちも参加させる方向で調整してみます。
※本来の予定では仇討ち組のみの予定でしたが、数えなおしてみたら7機ではなく6機しかいなかったので修正を迫られていたんです。7機から11機に拡張します(w

・・・・・・そうすると片側5機、奥に一機ですか。
 1機10メートルとして60メートル・・・
 いや、高度2LV基準で幅6m、強襲型でも16mとして幅8メートルくらいか?
 ならば50メートルもあれば何とかなるか・・・
 よし、OK!
 ザムジードはそれくらいのでかいベイをもっている生産型のユニオン級ということにしよう!

http://www10.plala.or.jp/cgi-bin/light/light.cgi/BHHQ/BHHQBBS01


[509] 放送作戦 投稿者:レオン 投稿日:2006/03/12(Sun) 19:28

む〜、なかなか面白い作戦ですね。
と言うわけで、慣れない任務に四苦八苦するオットー達の姿を描きました。
久々なので、うまくいっているかは判りませんが・・・・・
==========================
 メルチャーWの家庭に送られている映像は、中継に参加しているメックの通信モニターにも映し出されていた。
 中継中にNGを出す事を防ぐ為の処置だが、オットーは映っていない方が集中出来ると感じていた。
 というのも、中継されているメックは通常なら使われない派手な原色系のカラーリングが施されており、胸部や肩など目立つ場所にはメルチャーWの旧領主家の家紋が書き込まれていた。
 家紋はともかく、派手に塗装する必要がどこにあるのだろうか?しかも、中央に立つバトルマスターに至っては飾り羽根付きの白いマントまで羽織っているのだ。
 テレビに映し出された異様な姿のメック群にあんぐりと口を開けているメルチャーWの人々を想像して、オットーは小さく吹き出した。
『オットー少尉、笑っていないで真面目にやりなさい。もうすぐコクピットの映像が流れるから気を引き締めて。』
 声を出さないように気を付けていたが、直接の上官であるクラウディア・バートンにはしっかり聞こえていたようだ。
「了解。しっかし、ここまで大げさにやる必要がありますかね?」
『今回の作戦は、可能な限り流血を避ける事が求められているわ。そもそも、無抵抗の市民に銃を向けたりしたら私達は無法者になってしまうわよ。』
「それぐらい判ってますよ。だけど、もしお嬢ちゃんのバトルマスターが使い物にならない事を知ったら、連中はどう出ますかねぇ・・・・・」
 それはクラウディアも危惧していた。
 戦闘可能なメックを所持しているからこそ、貴族という地位が保証されているのが現代の常識である。いくつかの不具合があっても、戦闘が行えるなら周りから文句は言われない。しかし、アンジェリークが乗り込んでいるバトルマスターは加奈子小隊との戦闘で大破した上に修理不能の状態だ。
 見た目こそ新品同様の姿だが、本来なら立つことすらもままならない有様なのでる。
 今回の放送作戦は、その事実を隠す意味も兼ねていた。
『おしゃべりはそこまでだ。いよいよコクピット内の放送だぞ。せいぜい、威厳があるように振舞ってくれ。』
 ザムジードの艦長、エルネスト・バイスベルガーから促され、オットーとクラウディアは手早く準備を済ませた。
 オットーはヘルメットのバイザーを降ろして表情を隠し、クラウディアは真面目な士官という表情を作った。
 もっとも、慣れていない為か口元が微妙に引きつっていたが・・・・・・・・・


[508] 告知 投稿者:ミッキー 投稿日:2006/03/05(Sun) 22:08

え〜〜、というわけで、スパム投稿対策にこちらのほうに移転しました。いご、こっちの掲示板に書き込んでください。

http://www10.plala.or.jp/cgi-bin/light/light.cgi/BHHQ/BHHQBBS01


[507] (無題) 投稿者:ミッキー 投稿日:2006/03/05(Sun) 19:37

テスト2

問題はないようだな?


[506] (無題) 投稿者:ミッキー 投稿日:2006/03/05(Sun) 19:37

テスト


[505] (無題) 投稿者:ミッキー 投稿日:2006/02/27(Mon) 22:59



 その一方で、別のメンバーも、準備に終われていた。撮影作業の準備である。シナリオを作り、効果的なアピール方法をもとめて台詞を試行錯誤し、カメラアングルを考え・・・今回の反乱鎮圧任務は、力押しよりもはるかに効果があると思われるだけに、熱の入れようは圧倒されそうなほどであった。
 
 「はい、カットカット! だめだよ、アンジェリークちゃん、もっとこう、けなげに、一生懸命な表情で!」
 「は、はい!」
 「おい、ちょっとバトルマスターのマントがめくれてる! 直せ!」
 「了解!」
 「よし、じゃあ12回目行くよ!」
 
 こうして準備は進んでいったのである。
 Xデイ−1日。
 ブラッドハウンド艦隊は惑星メルチャーの周回軌道にまで降下していた。
 「大佐、全艦、惑星メルチャーの低高度周回軌道に乗りました。」
 「よし、気圏戦闘機を発進させろ。」
 「了解。」
 クロフォード大佐の命令の元、気圏戦闘機達が次々と発進していく。全機、機体下部に数個の機械を搭載している。
 「メルチャー首都パドルピーより入電、テリー・ドリトル・メルチャー侯爵からです。つなぎますか?」
 「つないでくれ。」
 少し粒子が粗いものの、穏やかな顔つきの老紳士がモニターに移る。クロフォード大佐は先に挨拶をした。
 「お初にお目にかかります、ブラッドハウンドの総指揮官、クロフォード・ユウキ大佐と申します。」
 「うむ、メルチャー侯爵、テリー・ドリトル・メルチャーじゃ。」
 「早速ですが、ご用件は何でございましょうか? 現在我が部隊は鎮圧任務のための準備に忙殺されておりまして。真に失礼ながら、あまり長時間の通信はできかねる状況です。」
 「うむ、それじゃよ。ブラッドハウンドがいかなる方法で反乱を鎮圧するのか。私はその報告を受けていないのじゃよ。説明してくれるかね?」
 「は、申し訳ありませんが、それは軍機に属しまして、この場でのお答えはできません。」
 「なんじゃと? 侯爵のわしにもか? わしはこの惑星をあずかる身として、領民を守る義務がある。たとえ反乱をおこしたといえども我が領民であることには変わりないのじゃ。反乱民だからといって虐殺されたりしては困るのじゃよ。きちんと説明してもらおう!」
 「は、しかし、このような盗聴・暗号解読される可能性の高い通信で作戦を漏らすことはできません。どこに敵の目が光っているかわかりませんもので。」
 「むむ・・・それはわかるが、しかしじゃな・・・」
 「侯爵、慣例として、恒星連邦は傭兵部隊に対し、作戦の目標を通達するのみです。目標の達成方法は傭兵部隊に任せています。そして、今回L・ピーター副大臣より命ぜられた作戦目標は、できる限り被害を抑えて反乱を収めることです。虐殺するなどというのでは、作戦目標を外れます。また、今回の騒ぎの大元である新任領主達を含めて、できるだけ角が立たないように収めるようにとも通達されています。もとより、われわれは民衆の恨みを買うなど真っ平ごめんと考えています。侯爵の送ってくださった情報を元に、最小限の犠牲で反乱を収める作戦を準備しております。そう、100%うまくいけば無血での鎮圧が可能でしょう。どうか、安んじて我々に任せていただけませんか?」
 「むむ・・・」
 さらにしばらくの後、クロフォード大佐はメルチャー侯爵の説得に成功した。
 「やれやれ、なんとか第1関門は突破だな。」
 「大佐、気圏戦闘機部隊全機、衛星の射出に成功しました。」
 「軌道は大丈夫か?」
 「誤差はコンマ3以内、許容範囲かと。」
 「情報コマンド隊、状況知らせ!」
 「感度良好、作業進捗率も極めて良好、後5分もあれば充分です!」
 「よし、それでは10分後をもって電波ジャックを開始する!」
 
 その時・・・惑星メルチャーでテレビを見ていた者たちは、皆、突然番組が中断し、臨時ニュースとなった事に驚いた。どのチャンネルに換えてみても、皆同じ臨時ニュースである。さらには、ラジオまでおなじ臨時ニュースを放送していた。
 「皆さん、現在メルチャーの周回軌道に、傭兵部隊の艦隊が展開しています。メルチャー侯爵の要請を受け、L・ピーター副大臣が派遣した艦隊との事です! この艦隊の司令官が、メルチャーの住民全てに対してメッセージを送るとの事です!」
 アナウンサーの興奮した解説の後、30代後半とおぼしき精悍な男が画面に現れた。

 「惑星メルチャーの諸君、私は、ブラッドハウンド混成連隊指令、クロフォード・ユウキ大佐である。われわれは、惑星メルチャーで起こった反乱を鎮めるために、メルチャー侯爵の要請を受け、ファロン行政管区長であるL・ピーター副大臣により派遣された。しかし、武力鎮圧という手段は避けたいと思っている! 国民こそが国の力であり、国民を殺すことはすなわち国を弱体かさせ、敵国の力を相対的に強める利敵行為に他ならないと考えるからである! また、諸君らは反乱を起こすに充分な理由をももっている。いかなる理由があれど反乱は厳罰に処さねばならぬとはいえ、情状の余地は充分にあると考える! そのため、我々は、いまもっとも諸君らが欲しているのではないかと考えるものを伴ってきた! さあ、諸君。見たまえ。これが、今諸君らが最も欲しているもののはずだ!」
 画面が切り替わり、明るく照明された艦内が映し出される。そこには、多少つぎはぎが見えるものの、ペンキを塗りなおされ、鮮やかにお化粧直しをした数機のメックがずらりと並んでいた。
 ナレーションとともに、カメラが、それぞれのメックを順にアップで撮影していく。カメラが、メックの胸に大きく描かれた紋章を映していく。それらの紋章は、ほんの2年前まで、惑星メルチャーのアキテーヌ大陸を支配していた貴族家達のものだった。中央の通路最奥にカメラ正面を向いて、白いマントを羽織ったバトルマスターが、いかにも貴族ぜんとしてたたずんでいる。
 バトルマスターの胸にはドミニオン家の紋章、「剣を構えた天使」が描かれ、白いマントの右には惑星メルチャーの紋章が、左には恒星連邦の紋章が描かれている。


[504] (無題) 投稿者:ミッキー 投稿日:2006/02/26(Sun) 23:34

さて、次はアンジェリークお嬢さまの演説シーンじゃのう。


[503] (無題) 投稿者:ミッキー 投稿日:2006/02/26(Sun) 23:33

 「ええ!? 宇宙空間で再編成のためにメックの載せ替えを行う!?」
 通達を聞いたバーナード・マッキンタイヤー大尉待遇少尉は悲鳴をあげた。
 「ただでさえ整備スケジュールが遅れまくっているのにそんなことしていられる余裕ありませんよ!だいたい宇宙空間でどうやってメックの載せ替えなんてするんですか!」
 対するのは、40代の恰幅の良い体をした女性だ。整備大隊長のシェリル・マーカライト少佐だ。普通なら懲罰ものの反論だが、ブラッドハウンドはかなりアットホームな部隊で、この程度は特に問題視されることは無い。
 「やれるやれないじゃあなくてやるんだよ。戦場でやれないなんて泣き言は通用しないんだよ! 宇宙空間での補給なんてどこでもやっていることだろ。それと、シャドウホークを元に戻すのも忘れるんじゃないよ。」
 「し、しかし! どうしても人手が足りません! とても無理です!」
 「不可能な事なんて命令しやしないよ。泣き言言わないでやりな。」
 そういうと、シェリル少佐からの通信は切れた。バーナード大尉は、絶望的な表情で後ろを振り返った。アントン・プレスコット中尉待遇少尉も、顔を青くしている。
 「どうしろってんだよ・・・」
 「レナード准尉が来てくれたから何とか少し持ち直してきたけど・・・」
 「今のままじゃあ絶対に無理だ。何か方法を考えないと・・・」
 「ああ・・・シェリル少佐はできるといったんだ。なら、できるはずだ。」
 「メック戦士にも手伝ってもらって二交代でやっているのにか? 歩兵達にだって助整兵としてがんばってもらってるんだぜ? これ以上は無理だ。」
 「何か見落としがあるんだ。とにかく、時間が無い。整備をしながら考えよう。」
 二人は必死で考え、先輩達に相談し、頭を下げ、なんとか正解へと近づいていった。
 メック整備能力がないと思って除外していたリリム少佐がコンピュータの操作に長けていることを聞き込んでメックのセットアップを手伝ってもらい、新しくザムジードに移ってきたクラウディア大尉やセリア少尉にも整備を手伝ってもらい、作戦目的上効果直後に使う必要性の薄い機体の整備をきっぱり中止し、外側だけまともそうに見えるようなその場しのぎの修理を行うメックを決め、ドッキングアームを接続してのメックや人員の移動を行い・・・メルチャー到着前日には、とりあえず取り繕えるだけの体裁を整えたのである。
 その一方で、別のメンバーも、準備に終われていた。撮影作業の準備である。

http://www10.plala.or.jp/BHHQ/ss_data/09hennsei5.htm


[502] 作戦会議(改訂版) 投稿者:ミッキー 投稿日:2006/02/26(Sun) 23:31

 カウツVを離れたブラッドハウンドの艦隊は、一路ジャンプポイントへと向けて加速を開始した。
 安定した1G加速が始まると、船はエンジン駆動音を響かせるのみで振動すらあまり無くなる。整備が良くされていることの証である。そんな中、艦隊旗艦オヴィンニク号のラウンジに、部隊の主だった顔ぶれが集まった。中尉以上小隊指揮官以上で、比較的古参の者たちである。もっとも、急速に規模を拡大したこの部隊では、1年も誠実に勤めれば古参の端っこくらいには入れるのであるが。
 
 そんな中、どうにもこの場にそぐわないと思っている人間も何人かいた。その筆頭が、まだ年端も行かない一人の少女である。アンジェリーク・ドミニオン。金髪碧眼の12歳の美少女だ。
 「あの・・・アルベルトおじ様」
 そういって、隣に座る士官の袖を引く。
 「なんだい、アンジェリークちゃん?」
 「その、わたくし、なぜこのような席に呼ばれましたのでございましょうか?」
 「さて・・・」
 アルベルトはしばし逡巡する。
 彼女は加奈子小隊に殺されたNAIS教授の娘だ。その教え子のライフス中尉に保護され、代理で仇討ちをしてもらい、奪われたメックと降下船はブラッドハウンドが鹵獲したものをクロフォード大佐の海より深く空より高い温情によって「取り返したのちブラッドハウンドに貸与している」という体裁を整えてもらっている=実際には半永久的にブラッドハウンドが所有しているに等しい という立場である。
 メック戦士としても修行中で、つまり実質的には何の財産も能力も無いただの女の子となる。NAISに連行されていったライフスに泣きつかれ、アルベルトが後見しているが、それだけの立場でしかない。

 「この会議は、たぶん次の任地に関してのものだと思う。今まで何の説明も無かったけど、機密保持が楽な宇宙に出てまで秘密にしたら、準備も部隊員の心構えもできやしないからね。」
 そういって、周りを見回す。この場には整備兵の指揮官たちも何人もいる。
 「メックのセットアップのことですわね?」
 「そう、メックは使う惑星の環境に合わせてセットアップしておかないと。それには1週間ほどもかかる。宇宙に出たらすぐ始めないと。現地惑星のGに合わせた加速での行動訓練、大気組成に体を慣らす時間、予防接種や現地生物の勉強。やることは山ほどある。けど、なぜ、君が、となると・・・」
 その時、アルベルトのとなりに座る男が口を開いた。
 「そんなことは決まっている。アンジェリークの他にそぐわない参加者は誰だ?」
 「カナヤ大尉?」
 アルベルトは、話を聞いていたらしい直属の上官を見てから、ラウンジを見回した。ふと、目が止まる。
 クラーク・エアハルト軍曹。なぜ彼が? そう思ったとき、クロフォード大佐たちが入室して会議が始まり、話はそこまでになった。

 
 「さて諸君、ここに集まってもらったのは次の任地についての説明と、準備のための作戦会議が目的だ。」
 クロフォード大佐は手元のハンドコンピュータを操作しつつ話を始めた。ラウンジの中央にあるホロヴィジョンが起動し、ドラコニスマーチ辺境付近の星図が表示される。もっとも明るいのは現在地であるカウツ星系である。秘書官のロッキード・ノスが資料を配って歩く。
 「目的地はここ、メルチャーWだ。」
 「ええ!?」「なに!?」「まさか!?」
 アルベルトやアンジェリーク達が思わず驚愕の声を漏らす。そこは、彼女の生まれ故郷であり、爵位喪失に伴い失った領地のある惑星だったのだ。騒がずにいられようか。
 それにつられて、幹部達がざわり、と騒いだ。事情を理解しているものも多かったのである。すかさずメイスン中佐が怒鳴った。
 「静粛に! 君たちの私的な事情についてはわかっている。心配しなくても大方は説明されるか資料にある! もう少し待て! 他のものも騒ぐな!」
 ざわめきは、一瞬で静まった。


 ホロヴィジョンの表示は、ブライスランドPDZ(多層防衛地域)内のカウツ星系からブレイモンドPDZ内のメルチャーWへの跳躍経路になり、メルチャー星系図に、最後に惑星メルチャーWの立体映像になった。脇には各種惑星データが大きく表示されている。地表Gは1.02、気圧0.9、大気組成はやや二酸化炭素が多いくらいでごく標準的、気温は日照量と比べれば少し暖かい程度か。現住生命は藻類どまりで人類が持ち込んだ生命が大半を占める。海はだいぶ組成を異にして有毒だが猛毒というほどでもない。海洋比率は45%でやや乾燥気味、緑化率は低く砂漠がちなもののごく普通の地球型惑星である。
 「自然状態で農業が可能な、まずまずの優良物件です。ワクチンなどは途中のリチャージステーションで受け取る手はずになっています。」
 クライバーン少尉が立ち上がり、さらに詳しい説明をしていく。彼は惑星学者並みの生態学を学んでおり、本業と任ずる農業に遺憾なく応用している。このような席には必ず呼ばれる人材だ。
 「各担当者はデータに従い任地惑星への適応作業を進めてくれ。」
 大佐の指示に、技術士官たちや艦の乗員たちもうなずく。

 表示は立派な服を着た老人に切り替わった。『テリー・ドリトル・メルチャー侯爵』と表記されている。茶色の髪に青い目の白人で、あごひげを蓄えたいかにも人のよさそうな人物であある。
 「メルチャーを統治しているのはメルチャー侯爵。若い頃はブラジオンと名づけたウォーハンマーでメック大隊長を勤めたこともある。動物好きで医学、獣医学の心得もあり、動物の調教に長けている。家臣兵団にはウォードックを配備した部隊もあり、首都メルチャーでは競馬やウサギレースも盛んだ。ファロン行政管区首都fallonUにはショートジャンプの距離であり、ブレイモンドPDZの中心ブレイモンドへも近い。いつでも上に頼れるという立地条件からか、実に人の良い御仁でな。いきなりあちこちで反乱がおこったのでこりゃ手におえんと上に泣きついたわけだ。」
 居並ぶ参加者たちが、良くそれで侯爵が勤まるな、といった顔をする。本来こういった反乱の鎮圧は為政者の義務の範疇だ。

 「反乱の内容と侯爵がさじを投げた理由はどういったもので?」
 マディック大尉が質問する。
 「この惑星は、少し前に貴族がごっそり失脚した。理由は、私よりも彼らのほうが詳しいだろう。」
 そういうと、クラーク軍曹やアンジェリークの方を見やる。皆が納得してうなずいた。促され、アンジェリークが立ち上がった。実が伴わないとはいえ、彼女はドミニオン家の当主であり、元メルチャー貴族達の中では最上位なのだ。
 「ご存知の皆様が大半と思いますが、改めてご説明いたします。新兵器の実戦テストをしていたNAISのアンドレ・ドミニオン教授、私の父と配下のバトルメック8機を中心とする部隊は、護衛に雇っていた加奈子小隊・・・彼女達を含めて中隊規模でした・・・に裏切られて全滅、研究成果と何機ものメック、そして降下船ザムジードを奪われました。メックを、メック戦士を、何より名誉を失い、全ての家が爵位を失いました。開発中の新兵器とその情報は、それほど重要だったのです。私達は、復権のために仇討ちを申請し、受理され、探索の旅に出ました。そして・・・カウツVにて、皆様のご協力の下、仇討ちを成し遂げることができました。改めて、皆様にお礼を申し上げます。真にありがとうございました。」
 深深とアンジェリークが頭を下げる。まだ12歳の少女ではあるが、しっかりした物言いだ。
 その後を、クロフォード大佐が引き継いで説明した。
 「うむ。こうして貴族達が罷免され、領主不在となったわけだが。当然、その後任を恒星連邦は送り込んだ。がしかし新たに送り込まれるような連中、つまりは新興の家ばかりだ。領地経営経験のまったく無い家も多い。領主になることの覚悟・・・・多くの権利と特権と同時に『多大な義務を負う』事の意味を知らないやつも多い。かくして、(経済成長率を上回る)無茶苦茶な高税をかけるやつ、税金全部でメックや戦車を買おうとするやつ、最低限必要な経費を使い込むやつとやりたい放題でな。当然反乱が起きましたと。」

 クラークやアンジェリークなど、メルチャーを故郷とするものたちが蒼白になっている。故郷には知己も親戚も、再就職先を世話してやれなかった家臣達もいる。何より、自分たちが守らなければならなかったはずのたくさんの民がいる。彼らが辛酸をなめているのは、自分(の家)がふがいなかったからなのだ。

 「この無茶苦茶な経営、裏があるようでな。こういった新任貴族の乱脈経営は当然恒星連邦とて何度も経験している。ちゃんといい執事を雇うことなどのマニュアルは渡していたしお目付け役もつけていた・・・はずだった。しかし、お目付け役は数人が別人と摩り替わっていたらしい。摩り替わっていなくても、怪しい側近がお目付け役を煙たがるようたきつけていたりしたらしい。ドラコの陰謀だと見たほうがいいだろうな。侯爵もきちんとした経営をするよう命じたり自腹を切って裏から援助をしたりもしていたらしいが、らちがあかないので調べてみたら驚愕の事実が判明し、その頃には反乱が手をつけられなくなっていたそうだ。」
 クロフォード大佐は先ほどの星図を呼び出すと、ドラコ連合領域内の星系一つを明滅させた。
 「となればドラコの目的は何かだが。ブレイモンドPDZから程近いドラコ領域には、ウルフ竜機兵団2個連隊が駐屯しているカペラ星系がある。他にも油断できない相手がいくつもある。おそらくは、このいずれかが攻め込む隙を作るための陽動。というのが大方の予想だ。ならば正規メック連隊は動かせん。致命的な隙を見せることになる。故に、われわれの出番というわけだ。」

 クロフォード大佐がまたハンドコンピュータを操作すると表示は惑星メルチャーに戻る。
 「メルチャーの人口の大部分は北の中緯度にあるメルチャー大陸、南の中緯度にあるアキテーヌ大陸に集中している。反乱が起きているのはアキテーヌ大陸だ。われらの目的は、この反乱を鎮圧すると同時に、ドラコの陰謀の暴くこと、暴政を行った新任貴族たちの悪事の証拠を固めること。そして・・・荒廃したアキテーヌ大陸を復興することだ。ここまででなにか質問は?」

 アキテーヌ大陸が拡大され、詳細なマップになる様子を見ながら何人もが手を上げ、発言しようとする。その中には当然決死の形相のアンジェリークやクラークたちがいたが、そちらのほうは少し待つように申し渡し、他のもの達を指名した。しばらく淡々と質疑応答が続く。その後、決定的な質問をクラウディア大尉が行った。

 「ありがとうございます。私はこの任務に矛盾を感じます。普通反乱を鎮圧するとなれば貴族の味方をすることになりますが貴族の証拠固めもするとなれば貴族に敵対することになります。貴族を罰するとなれば反乱を起こした民衆の味方をすることになりますが、任務では反乱の鎮圧となっており、さらに、大陸の復興などとなれば長期任務は避けられず、その期間のブラッドハウンドの立場も不明です。ただの傭兵部隊が貴族に対する処断の権利を持つはずもありませんし。下手を打てば四面楚歌になってしまうのでは?」
 「確かにそのとおりだ。一揆の鎮圧というのは、実に頭の痛い任務だよ。民衆を殺せば税収が減り、怨嗟を作り統治が難しくなる。統治の不手際で領主も罰ねばならんが一揆に味を占められるほどはまずい。」
 クロフォード大佐の言葉に、皆一様に顔をしかめた。とてつもなく厄介な任務である事を理解したのだ。
 「ただまあ、今回の件はファロン行政管区長のL・ピーター副大臣も重要視してくれてな。エンドウ大尉を臨時の巡察官に任命してくれた。」
 どよめきが走る中、エンドウ大尉が立ち上がり一礼して口を開いた。
 「どうもみなさん。本来ならこの任務を引き受けた部隊長であるクロフォード大佐が任命されるべきなのかもしれませんが、一介の傭兵にはさすがにまずい、ということらしいです。私は恒星連邦中央から派遣された連絡将校という立場ですからね。大役を押し付けられてしまいましたよ。名目上は、ブラッドハウンドは巡察官の私の指揮下に入ってもらう事になります。」
 ここでついに我慢できなくなったのだろう。参加者たちがてんでに私語を始めてしまった。
 「そ、そういやそうだった。」
 「ええ!? エンドウ大尉ってブラッドハウンド員じゃなかったんですか!?」
 「いや、心情的にはそうなんだろうけど。」
 「公式的にはブラッドハウンドのお目付け役兼要望受付係って言うか。」
 「つまり連絡将校だったわけだね。」
 「こんな技術の高い部隊から離れるのはいやだって居座ってるんだよ。」
 「普通は担当の傭兵部隊と馴れ合わないように短期間で配置換えになるからな。」
 一旦静寂が破られると、一斉に皆が私語を始めてしまった。
 「静粛に!」
 クロフォード大佐が怒鳴る。いつもならメイスン中佐の役目だが、大怪我で入院中のためカウツVにの越して小猿を得なかった以上仕方ない。

 「我々は、あくまでもドミニオン伯爵家等の復権貴族達の護衛団、という形になる。復権したのだから新任領主達には領地替えをしてもらうという形で現在の新任馬鹿貴族どもを追い出す。そして、級領主達が以前どおりの統治を行うことを宣言して圧政に苦しむ領民達をなだめ、反乱をやめて家に帰るよう促す。いいか、今回の鎮圧任務の肝は、マスコミを使った広報戦だ! これより、細部を詰める。」

 こうして、会議は白熱した議論へと移っていった。その過程で出された案の中には、部隊編成を大幅に変更することまで含めた実に念入りな広報活動まであったのである。

http://www10.plala.or.jp/BHHQ/ss_data/09hennsei5.htm


[501] (無題) 投稿者:ミッキー 投稿日:2006/02/25(Sat) 22:03

編成表5月、やっと完成しました。
遅くなってすいませんm(_ _)m

皆様、ご意見だめ出だし間違いチェックのご協力、お願いいたしますm(_ _)m


WEEDさんへ
ねぎらいの言葉は何よりの励みです!
ありがとうござゐますm(_ _)m
ジム&レナードやバーナード、アントンも編成表に載せました!
あとは、これをもとにPC等を隊員名簿にのっけていく段階ですが、これは後回しにして、いよいよ会議と整備兵の哀愁SSを書くほうに移りたいかな、等と思っています。

http://www10.plala.or.jp/BHHQ/ss_data/09hennsei05.htm


[500] ご苦労様でした 投稿者:WEED 投稿日:2006/02/25(Sat) 21:19

ミッキーさん、お忙しい中さっそくの更新本当にご苦労さまです。それと同時に、どうもありがとうございました。本当に頭が下がる思いです。
こう頑張られますと、こちらも頑張らなければならないと言う気にさせられますね。今一生懸命プロットを練っておりますので、いましばしお待ちいただければ幸いです。


[496] (無題) 投稿者:ミッキー 投稿日:2006/02/24(Fri) 22:15

WEEDさんへ
ジム&レナード載せました。
遅くなってすいませんm(_ _)m

隊員名簿や編成表は・・・・現在編集作業中です(汗)


[495] (無題) 投稿者:ミッキー 投稿日:2006/02/21(Tue) 21:30

HC-V]さん、ありがとうございますm(_ _)m
早速行ってきました。お手軽なものからCGIまでいろいろ載っていますね。とても参考になります。
しかし、ううむ、CGI・・・やってやれないことも無いような気がしますが、ぱっと応用できるというものでもなさそうですね。

腰を据えて取り組んでみたいと思います。

WEEDさんへ
ありがとうございますm(_ _)m
それでは、このバージョンで乗せようと思います。


[494] いえ、大丈夫かと思います 投稿者:WEED 投稿日:2006/02/21(Tue) 21:01

ミッキーさんへ。
削ぎ落とし過ぎた、と仰られましたが、私が読ませていただいたところ、そうでも無いと思われます。それどころか、私の書いた文章の「くどい」部分が綺麗に整理されて、随分とわかりやすいかと。私としては、そのように思います。
そのようなわけですので、これで決定稿で良いのではないかと思うのですが。


[493] 荒らし対策 投稿者:HC-V] 投稿日:2006/02/21(Tue) 00:05

ttp://swanbay-web.hp.infoseek.co.jp/index.html

なんかこんなの見つけました。
URLの入力を禁止すればいいんじゃないかと。


[492] (無題) 投稿者:ミッキー 投稿日:2006/02/20(Mon) 22:01

WEEDさんへ。SSによって省略できる設定を殺ぎ落としたバージョンにしてみました。殺ぎ落とし過ぎなきもしますので、修正お願いします。

姓名:ジェイムズ・フット准尉
作成職種:メック戦士 官名:第7メック小隊員
搭乗機体:スティンガー
投稿者:WEED
HP:WEEDの雑草畑(http://www.geocities.jp/the_botany/)

年齢:17 性別:男 タフ 宿敵(父の仇のダミアン) 第六感 右利き、メック戦士養成校卒業、メック獲得ロールに−6修正
能力値(入隊時):体力度:9 敏捷度:7 知力度:8 魅力度:4

技能(入隊時):
操縦=メックL2(6) 砲術=メックL3(5) 砲術=間接攻撃L2(6) 戦術L2(6) 指揮・命令L1(9) 補修・整備=メックL2(6) 生存L1(7) 個人戦闘=ピストルL1(7)
総経験点:1500
利用可能経験点:50(200点は以前の冒険で『消費』)

自己紹介:
 恒星連邦出身の若きメック戦士。熊か牛と形容されるほど巨漢の上に老け顔で30過ぎに間違われては落ち込む。無駄にタフ。
 その巨体はスティンガーのコクピットから自力で出られなくなることもあるほど。まだ成長期でこれ以上背が伸びたらと戦々恐々の日々。 草花を愛し、小動物を愛でる温厚な性格とのギャップが激しい。
 代々由緒正しい着弾観測員の家柄で、傭兵中隊ドミナール砲撃隊で着弾観測をなりわいとしてい
た。後を継ぐべくロビンソン戦闘士官学校にて修行中、若部隊長ダミアンの裏切りにより部隊消滅。
 カズネゾフを拠点とする第17ゲイルダン連隊にいると推測されるダミアンへの復讐の機会をうかがっている。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
姓名:レナード・ドゥ准尉(少尉待遇勤務)
作成職種:整備兵 官名:砲兵小隊員
投稿者:WEED
HP:WEEDの雑草畑(http://www.geocities.jp/the_botany/)

自己紹介:
年齢:62 性別:男 ガラスの顎 宿敵(息子と主の仇のダミアン) 天性の左(右利き)

能力値(入隊時):体力度:4 敏捷度:4 知力度:8 魅力度:7
技能(入隊時):
補修・整備=メックL5(3) 補修・整備=一般L3(5) 砲術=間接砲撃L6(2) コンピュータL2(6) 医療・応急手当L2(6) 指揮・命令L2(6) 交渉=聞きこみL1(7)
総経験点:9200
利用可能経験点:900(1550点は以前の冒険で『消費』)

 メック戦士ジェイムズ・フットの忠実な郎党。小柄な好好爺。間接砲撃を信奉している。連邦東北部出身で辺境惑星訛りがひどい。
 息子をダミアンに殺されたため、主と同じく復讐を誓っている。
 
 ジェイムズ様が一人前になるまでは死ねないと奮闘中。←結婚するまでは、子供が生まれるまではと欲が出そうな目標である(w


[491] (無題) 投稿者:ミッキー 投稿日:2006/02/18(Sat) 21:30

申し訳ありません、返事が遅くなって

レオンさんへ
そうです、荒らしです。一応手動で消すようにはしていましたが、ここ数日風邪等のため体力的にメンテナンスも無理でした。
いや、完全に無理ではなかったんですが体力的にちょっと・・・
現在マスクして作業しています。
この掲示板消して新しく立て直すのを検討しています。

レオンさんへ
パソコンのトラブル、大変でしたね。
そのトラブルですが、多分チップセットの質が低かったのでは、と思います。

以下、しろーとの駄文です、読み飛ばしてください(w
 ソーテックなどの安いパソコンを売っているメーカーでは、時折ほぼぎりぎりな能力しかないチップセットの載ったマザーボードを使うことで安く作るということをします。
そういうマザーボードは能力が低く、
出荷時の構成+ごくわずか、の拡張にしか対応できません。
ですので、カタログ限界までの増設にすら対応できないで悲鳴をあげる(止まったり暴走したり)こともあるとか。

 限界メモリーですが、普通、販売当事に出ている最も容量のでかいメモリーを最大まで挿した状態をそのまま書くのが普通だそうで。その場合、メーカーでは、純正品の中でもっとも相性のいいメモリーで動けば嘘を書いたわけではないので、文句をつけることも難しく、泣き寝入りをする人もいるとか。

ミッキーも現在使ってるパソコンでメモリー増設に失敗して泣きを見ましたorz
 認識してくれませんでしたのです。
 やっぱNECはな〜〜〜
 


[490] 転載 投稿者:ミッキー 投稿日:2006/02/18(Sat) 21:15

[474] パソコンのトラブル 投稿者:レオン 投稿日:2006/02/16(Thu) 00:03

今やメモリが128MBではあまりにも遅いので、メモリを増設する事にした。
ただ、購入してから5年も経っているので使えるのは旧式のSDRAMだけ、それでも何とか使えそうなものが見つかったのでくっつける事にした。
増設後のメモリは512MB、これなら何とかなるだろうと思って起動させてみた。
すると・・・・・・・・出てきたのは何とブルースクリーン!!
何じゃこりゃー!!と、2日ほど悩んだ。

システムのトラブルかと思ったのでプロダクトリカバリーCDでHDを初期化したがそれでも治らない。
もはや絶望的な気分になったが、もしやと思いメモリを256MBに落とした。
そしたら元通りに起動したのだから、世の中よくわからない。
ちなみに、以前トラブルを起こした内臓HDも元通りになった。何が何やらさっぱりわからん。
いずれにしろ、もう1度512MBにする勇気は起きないので256MBで運用していく。

それにしても・・・・・ソーテックのマニュアルは絶対サギだ。
マニュアルには512MBまで増設出来ると書いてあったのに。
ちなみに、ブルースクリーンの画面には英語でBIOSがどうのこうのと書いてあった。BIOSを更新しないとダメだということかな?
参考までに、パソコンとメモリの型番を記しておく。

パソコン:ソーテックPCステーションG3100AV
メモリ:エレコムES133ー256


[489] なんなんだ、こいつら? 投稿者:レオン 投稿日:2006/02/16(Thu) 22:28

訳の判らんアドレスをずらずら並べて、何が言いたいんだろう?
これって、荒らしだよね?


[474] パソコンのトラブル 投稿者:レオン 投稿日:2006/02/16(Thu) 00:03

今やメモリが128MBではあまりにも遅いので、メモリを増設する事にした。
ただ、購入してから5年も経っているので使えるのは旧式のSDRAMだけ、それでも何とか使えそうなものが見つかったのでくっつける事にした。
増設後のメモリは512MB、これなら何とかなるだろうと思って起動させてみた。
すると・・・・・・・・出てきたのは何とブルースクリーン!!
何じゃこりゃー!!と、2日ほど悩んだ。

システムのトラブルかと思ったのでプロダクトリカバリーCDでHDを初期化したがそれでも治らない。
もはや絶望的な気分になったが、もしやと思いメモリを256MBに落とした。
そしたら元通りに起動したのだから、世の中よくわからない。
ちなみに、以前トラブルを起こした内臓HDも元通りになった。何が何やらさっぱりわからん。
いずれにしろ、もう1度512MBにする勇気は起きないので256MBで運用していく。

それにしても・・・・・ソーテックのマニュアルは絶対サギだ。
マニュアルには512MBまで増設出来ると書いてあったのに。
ちなみに、ブルースクリーンの画面には英語でBIOSがどうのこうのと書いてあった。BIOSを更新しないとダメだということかな?
参考までに、パソコンとメモリの型番を記しておく。

パソコン:ソーテックPCステーションG3100AV
メモリ:エレコムES133ー256M


[471] (無題) 投稿者:ミッキー 投稿日:2006/02/09(Thu) 23:55

さて、そうすると、問題なのが、軍事系の技術者機関士過程で学んだのに卒業後傭兵部隊に入る場合・・・でしたよね?

 う〜ん
 う〜〜ん
 う〜〜〜ん・・・・
 
 恒星連邦は信用のできる傭兵部隊を正規軍並に扱ってくれる面が色々ありますから、そっち方面で許可下りた、というのはどうでしょう?
 あるいは、ブラッドハウンドの高名を聞いて勉強に着た場合。
 さすがに違うかな? まだ名前が売れていない頃の入隊だし。
 卒業間際に問題起こして放校になった場合(w というのもありえますね。
 これなら、正規軍に就職できなくて傭兵部隊に入った理由になる(w
 ・・・・・・

 クライバーンと同じく、入隊した正規軍追い出されて仕方なくとかもありえますか?
 西洋の会計年度の始まり=入学式の時期は9月ごろでしたでしょうか?
 となると、夏休み期間の休暇=年度間休暇は西洋では2ヶ月ほどありますから・・・・卒業は6月以前?
 8月に入隊となると、1ヶ月くらいで問題起こして除隊になったことに(w

 まあ、他に手はもあるとは思いますが、一考してこんな感じでした。


[470] (無題) 投稿者:ミッキー 投稿日:2006/02/09(Thu) 23:51

WEEDさん、作業ありがとうございましたm(_ _)m

学校については、ミッキーの見たところでは場所が明記されていませんでしたので、好みで決めてもいいと思います。
あるいは、マップを丹念に調べて該当する名前の星系を探すという手もあるかと思いますが・・・

授業内容については、建前が建前なので、当然主目的の教育はちゃんとあります(w
AFFS入隊を求めている人なら無条件で入学可能!
一般人も非軍事過程への入学が可能です。


[468] ジム&レナードその3・東北弁バージョン 投稿者:WEED 投稿日:2006/02/08(Wed) 21:22

レナード台詞、東北弁バージョン、上がりました。
ツリー掲示板の方には、どのツリーに入れるのが良いのでしょうね。

さて、「戦慄!トリプル・バーニィ(仮題)」も書かないと……。
バーナード・マッキンタイヤーはフィルトヴェルト士官学校かキルボーン士官学校のどちらか、カウツVに近い方が良いのではないか、と思います。
主目的が「教育を受けられない者のための学校」とは言っても、たてまえである技術士官養成カリキュラムも、おそらくはきちんと存在するでしょうし。
普通高校に1クラスだけ理数科が含まれているみたいな感じで。

――――――――――――――――――――――――――――――

 恒星連邦は、大きく3つの宙域に分けられる。
 ドラコ連合方面を防衛する「ドラコニスマーチ」。
 カペラ大連邦国方面を防衛する「カペランマーチ」。
 この二つに守られた「クルーシスマーチ」。

 ジェイムズ・フットの学ぶロビンソン戦闘士官学校は、ドラコニスマーチ主星、惑星ロビンソンにあった。
 この学校は、第一次継承権戦争でドラコ連合に惑星が奪われた最に叩き潰されたという歴史を持つ。その後、第2次継承権戦争時にロビンソンは奪回され、学校の再建もなされた。恒星連邦はこの学校の卒業生を基幹人員として選択した2個師団を創設することで大戦中の粘り強いゲリラ戦に報い、ロビンソン人たちを大いに満足させた。3020年まで学校の完全な復興はなされなかったが、ロビンソンが好景気になったのを背景に、惑星公爵にしてドラコニスマーチ長官、ジェイコブ・サンドヴァル大臣がNAISの軍事科学部にも匹敵する学校にしようと奮闘中であり、新校舎の建設やあちこちから引き抜かれた教官の新任は日常の風景だ。
 
 だから、ジェイムズは、1機のスティンガーが運び込まれるのを見たときも、新規訓練機の搬入だとしか思わなかった。幼い頃彼にメックの構造や電子工学の基礎を叩き込んでくれたレナード・ドゥが会いに来るまでは。

「こんなところまで来るなんて、どうしたんだい、爺さん? 無茶しちゃいけないぜ? 確か、去年60になって息子のレオナールに跡目を譲って隠居したんだろう?」

 老骨に、惑星離脱や大気圏突入時の高Gは応える。年をとったものは、大抵安全な後方宙域の惑星上で余生を過ごすものだ。

「そんただ訳にも行がねぐなってよぉ、坊ちゃん」
「なに?」
「ドミナール砲撃隊ばぁ、全滅すたってやぁ」
「な!?」
「若隊長のダミアンがぁ裏切ってよ、ドラコ連合さ下りやがったっぺや。それもよぉ、激戦の最中さよ!」

 契約期間が満了した後なら、敵側につこうととがめられない。それが傭兵だ。しかし、契約期間中に、それどころか激戦の最中に裏切ったとなれば、それは無法者だ。その仲間として、ジェイムズまで逮捕されていてもおかしくない。それが、今まで何の知らせも無い。訳を問いただすと、レナードは元隊長ドミニクの最後を、ポツリ、ポツリと語った。又聞きでしかなかったが、腹部大出血のまま指揮を取り続け、ドラコの侵攻を食い止めて死んだドミニクの死に様は、すさまじいとしか言いようが無かった。

「そんただわげでよぉ。ドミニク様がよ、何とがすてくれだっちゅう事だべや」
「そうか……特殊メイクとボイスチェンジャーでダミアン大尉達に化けてメックを強奪したということにしたのか……」
「まあ、うすうすはぁよ、本当の事ばぁ解ってんのも多いんでねがどは思うんだどもな。なんせダミアンもよ、惑星軍さぁ動揺させんべって、あっちこっちさ出で来たっつうべすやぁ。んだども、それさ認めだらやぁ、士気崩壊ばすてすまって、惑星軍はぁ総崩れに成ったがも知ぇねえべす。最後まで、偽者っつう事で押し通したってやぁ」
「そうか……」
「中隊長家はぁ潰れでよ、火力小隊長家はぁ裏切ってぇ、ジェローム様ばダミアンさ殺されだっけよぉ、今はぁドミナール砲撃隊の隊長さ、坊ちゃんだべさ。……んだどもよ。オラ方さ知らせば来て、駆げつけだっけよぉ。ズタボロのメックがわずか3機ばり残ってだばっかでよぉ。こごさ来る途中、なんとがフット家のスティンガーば修理したっけんともよぉ……。なじょすっぺや、坊ちゃん?」

 ジェイムズ・フッドは、残った者たちと話をし……部隊の解散を決めた。傭兵部隊という後ろ盾を失ったジムでは、彼らの生活を守れないからだ。
 裏切り者達の離反に続く激戦で郎党達のかなりが死亡し、メック戦士も2人だけとなっていた。ジェイムズは同期生に頭を下げ、彼らのほとんどに雇用先を世話してもらった。
 レナードもその話を持ち掛けられたが固辞した。

 「息子ばぁダミアンさ殺されだっけよ。オラにはぁもう身寄りも無っぺすよ。坊ちゃんさよ、お仕えさせでけらいやぁ」

 レナードはジェイムズが一人前のメック戦士になるまでは死ねないと心に誓っていた。もう、心の支えとなるものは、ジェイムズしか残っていなかったのだ。

 学校に事情を説明したジェイムズは、残り少なかった修学期間を早めに切り上げ戦場に立った。ちゃんとした部隊に入隊したのではなく、そのつどフリーの傭兵を集めてやるような任務をこなしていったのだ。フリーの傭兵の短期任務では、さすがの恒星連邦でも扱いが悪いかったし、着弾観測員、間接砲撃手としての働きもできなかったが、二人はじっと耐えた。
 経験のない新米を受け入れてくれる条件のいい部隊は少ないのもあったが……裏切り者を出した部隊の生き残りという黒い噂だと気付いたからだ。

 そう、仇は……。
 不確かな情報を総合しての推測だが、ダミアン達はカズネゾフを拠点とする第17ゲイルダン連隊に組み込まれたのではないかと思われた。新兵が多く、小隊の補強に腕の立つ連中を入れて錬度強化に勤めているらしい。信頼されている部隊だから、こういった要望は比較的通りやすいのだという。
 
 そんな時、彼らは、ブライスランドのコムスターの仲介オフィスで、実に魅力的な部隊を見つけ……そして、カウツVに駐屯するブラッドハウンドへと向かったのである。


[466] (無題) 投稿者:ミッキー 投稿日:2006/02/08(Wed) 01:21

おし、お約束のものです、WEEDさん、後をよろしくお願いします。
学校もよろしく〜〜〜


[465] 改訂版ジム&レナードその3 投稿者:ミッキー 投稿日:2006/02/08(Wed) 01:21

恒星連邦は、大きく3つの宙域に分けられる。
ドラコ連合方面を防衛する「ドラコニスマーチ」
カペラ大連邦国方面を防衛する「カペランマーチ」
この二つに守られた「クルーシスマーチ」

ジェイムズ・フットの学ぶロビンソン戦闘士官学校は、ドラコニスマーチ主星、惑星ロビンソンにあった。
 この学校は、第一次継承権戦争でドラコ連合に惑星が奪われた最に叩き潰されたという歴史を持つ。その後、第2次継承権戦争時にロビンソンは奪回され、学校の再建もなされた。恒星連邦はこの学校の卒業生を基幹人員として選択した2個師団を創設することで大戦中の粘り強いゲリラ戦に報い、ロビンソン人たちを大いに満足させた。3020年まで学校の完全な復興はなされなかったが、ロビンソンが好景気になったのを背景に、惑星公爵にしてドラコニスマーチ長官、ジェイコブ・サンドヴァル大臣がNAISの軍事科学部にも匹敵する学校にしようと奮闘中であり、新校舎の建設やあちこちから引き抜かれた教官の新任は日常の風景だ。
 
 だから、ジェイムズは、1機のスティンガーが運び込まれるのを見たときも、新規訓練機の搬入だとしか思わなかった。幼い頃彼にメックの構造や電子工学の基礎を叩き込んでくれたレナード・ドゥが会いに来るまでは。

 「こんなところまで来るなんて、どうしたんだい、レナード? 無茶しちゃいけないぜ? 確か、去年60になって息子のレオナールに跡目を譲って隠居したんだろう?」
 老骨に、惑星離脱や大気圏突入時の高Gは応える。年をとったものは、大抵安全な後方宙域の惑星上で余生を過ごすものだ。
 「そうも行かなくなりましてな、ぼっちゃん。」
 「なに?」
 「ドミナール砲撃隊は、全滅しました。」
 「な!?」
 「若隊長のダミアンが裏切って、ドラコ連合に下ったんですよ。それも、激戦の最中に!」
 契約期間が満了した後なら、敵側につこうととがめられない。それが傭兵だ。しかし、契約期間中に、それどころか激戦の最中に裏切ったとなれば、それは無法者だ。その仲間として、ジェイムズまで逮捕されていてもおかしくない。それが、今まで何の知らせも無い。訳を問いただすと、レナードは元隊長ドミニクの最後を、ポツリ、ポツリと語った。又聞きでしかなかったが、腹部大出血のまま指揮を取り続け、ドラコの侵攻を食い止めて死んだドミニクの死に様は、すさまじいとしか言いようが無かった。
 「そういうわけでな。ドミニク様が何とかしてくださいましたそうじゃ。」
 「そうか・・・特殊メイクとボイスチェンジャーでダミアン大尉達に化けてメックを強奪したということにしたのか・・・」
 「まあ、うすうす本当のことをわかっとるもんもおおいとはおもいますけどなぁ。なにしろ、ダミアンがその後も惑星軍を動揺させようとあちこちに出てきましたそうで。ですがまあ、それを認めたら士気が崩壊して惑星軍は総崩れになりかねません。最後まで、偽者で押し通したそうですよ。」
 「そうか・・・」
 「中隊長家は潰れ、火力小隊長家は裏切り、ジェローム様がダミアンに殺された今、ドミナール砲撃隊の隊長は、坊ちゃんです。とはいっても、わしが知らせを聞いて駆けつけたときには、ズタボロのメックがわずかに3機残されていただけでしてな。ここに来る途中、なんとかフット家のスティンガーは修理しましたが・・・どうします、ぼっちゃん?」

 ジェイムズ・フッドは、残った者たちと話をし・・・部隊の解散を決めた。傭兵部隊という後ろ盾を失ったジムでは、彼らの生活を守れないからだ。
 裏切り者達の離反に続く激戦で郎党達のかなりが死亡し、メック戦士も2人だけとなっていた。ジェロームは同期生に頭を下げ、彼らのほとんどに雇用先を世話してもらった。
 レナードもその話を持ち掛けられたが固辞した。
 「息子がダミアン達に殺された今、わしには身寄りがありません。坊ちゃんに仕えさせてください。」
 レナードはジェイムズが一人前のメック戦士になるまでは死ねないと心に誓っていた。もう、心の支えとなるものは、ジェイムズしか残っていなかったのだ。

 学校に事情を説明したジェイムズは、残り少なかった修学期間を早めに切り上げ戦場に立った。ちゃんとした部隊に入隊したのではなく、そのつどフリーの傭兵を集めてやるような任務をこなしていったのだ。フリーの傭兵の短期任務では、さすがの恒星連邦でも扱いが悪いかったし、着弾観測員、間接砲撃手としての働きもできなかったが、二人はじっと耐えた。
 経験のない新米を受け入れてくれる条件のいい部隊は少ないのもあったが・・・裏切り者を出した部隊の生き残りという黒い噂だと気付いたからだ。

 そう、仇は・・・
 不確かな情報を総合しての推測だが、ダミアン達はカズネゾフを拠点とする第17ゲイルダン連隊に組み込まれたのではないかと思われた。新兵が多く、小隊の補強に腕の立つ連中を入れて錬度強化に勤めているらしい。信頼されている部隊だから、こういった要望は比較的通りやすいのだという。
 
 そんな時、彼らは、ブライスランドのコムスターの仲介オフィスで、実に魅力的な部隊を見つけ・・・・そして、カウツVに駐屯するブラッドハウンドへと向かったのである。


[464] 改訂版ジム&レナードその2 投稿者:ミッキー 投稿日:2006/02/08(Wed) 01:20

 第21ゲイルダン連隊長ジャービック・ドルマッサリー小将は、あせっていた。
 早く惑星軍をけちらし、この星を掌握しなければ、近々来るであろう恒星連邦の増援に対処できない。それ以前に、戦いが長期化すれば長期化するほど物資が足りなくなる。彼の指揮下にある師団は、毎日の食料などの生活物資だけで1日100トン以上を必要とする。弾薬や機械の交換部品、燃料等まで含めれば、日々費やされる物資の量は膨大なものになる。マンモス級降下船を補給物資輸送のためだけに随伴して来たが、とても充分とはいえない。
 それ以前に、戦争とは経済活動だ。利益を得るに見合った投資で済まさなければ意味が無い。既に出費額は、かなり危ないところまで来ていた。

 「急がねばならん。戦場で勝つは下策。戦う前に勝てるように算段をつけるが指揮官の義務。敵をも味方にできれば最高だ。あれの進捗は、どうなっている?」
 「は、報告によると、昨夜急に態度を軟化させたとのことです。」
 「昨夜? 恒星連邦の連絡将校が物資の着服をしている可能性で揺さぶりをかけたのは、3日も前ではなかったか?」
 「は、そのあたりは不明です。が、向こうは条件を出してきました。ライラ側領域に配属してくれとのことです。」
 「ふむ、今までのスポンサーに武器を向けるのは気に食わんか。よかろう、その程度では腹は痛まん。」
 「了解しました。では、交渉を進展させます。」
 
 
 こうして、惑星防衛軍にとって悪夢の一日が始まった。
 その日は朝からドラコ軍に押されぎみだった。なぜかとる策とる策ドラコ軍に読まれ、あるいは罠を迂回され、何度も何度も戦線の後退を余儀なくされた。左翼を守るドミナール砲撃隊だけは、間接砲撃の支援の元良く健闘していたものの、昼過ぎには突然連絡が取れなくなったのである。
 
 防衛軍左翼最前線からわずかに奥まったドミナール砲撃隊野戦司令部兼補給ポイント。左翼の指揮をとり、装甲の交換と弾薬補給の拠点となる地点。そこから、火力メック小隊が再出撃していく。どのメックも、弾薬は満タンにしたものの装甲は完全ではない。ひどい打撃を受けた部分だけ装甲を交換しただけで、中枢の損傷も各所の細かい不具合もほうっての再出撃だ。完全に修理するほどの余裕がないのである。指揮小隊ですら、今日は2度の出撃をしている。今彼らは、指揮車両の中で会議中だった。

 ダン!
 ダミアンが、憤然と指揮卓をたたいた。ドミニクの説教をさえぎり、猛然と反論する。
 「親父。こんな時まで、部下の前で俺を叱り付けるのか!?」
 ドミニクを見すえ、底冷えのする声で続ける。周りの部下達は、かつて無かった新隊長の反論に驚き、動けないでいる。
 「なんだと?!」
 「俺は、我ながら良くやってると思うぜ? 右翼も中央も後退しまくってるのに、俺のドミナール砲撃隊はこんなに持ちこたえてるじゃないか。俺の指揮は、こんなにも適切じゃないか! なのに・・・なのに!!」
 「馬鹿者! 底辺を見て自分がましだと満足してどうする! 我らのような弱小部隊はメック1機がか欠けただけで中隊にも満たない規模だからと足元を見られて契約条件を下げられる! おまえが指揮するようになってから予備メックは減る一方で」

    パン!

 ドミニク元大尉が、驚愕の表情で腹を抑え、くず折れる。腹を抑えた指の間から、とめどなく血が流れ出る。
 「やっと、踏ん切りがついたぜ。馬鹿なことはするまいと思っていたが。もうたくさんだ!」
 ダミアンは悲鳴のように叫ぶと、手に持つピストルを油断なく周りの者たちに向けて牽制した。
 「おい、お前等、俺と親父と、今すぐどっちか選べ! もし俺を選ぶなら、お前等全員正規軍に入れてやる。補給の心配もなく、弱小と馬鹿にされることも無い、維持費の欠乏に汲々とすることも無い生活を保障してやる! もちろん、地位は今以上のものが保証される。赴任場所も、ライラ方面だ。裏切り者といきり立って追ってくる奴らにおびえる心配も無い!」

 ダミアンはドラコのジャービック・ドルマッサリー小将率いる第21ゲイルダン連隊に寝返った。同じく代替わりして鬱積していた若者達や、腕利きだが新参で扱いに不満を抱いていた者等など、およそ部隊の半分ほどを率いて、である。

 「ダミアン・・・ダミアン・・・なんと愚かなことを・・・」
 「ドミニク大尉、無理をしないでください、すぐに治療を!」
 飛んできた恒星連邦軍の連絡将校が、指揮車両の指揮卓に収まったドミニク元大尉に懇願する。
 恒星連邦は、傭兵部隊に真摯な態度で向き合う。傭兵達の要望をできる限り聞こうとし、補給を正規軍に準じるほどに優遇し、命令も目標を伝達するだけで方法は傭兵達の指揮官にゆだねる。それが、優秀な傭兵部隊を惹きつける事になり、ひいては勝利に貢献すると信じるからだ。彼も、連絡将校の名に恥じない、実に誠実な人物だった。補給物資の到着の遅れや部品のちょろまかしは、彼のせいではない。補給部の中に横領を働いているものがいるのだ。もっとも、神ならぬ身の彼が、そんなことを知りえるはずも無いが。
 「わしは、多くの部下の死を見てきた。一発の銃弾で、成す術なく死んでいった者も多い。腹部大出血。この傷では、助かるまいよ。」
 ドミニク元大尉は、キッと、指揮卓の戦況図をにらむ。
 「死の覚悟も、家が途絶える覚悟もすでに終えた。今のわしにできることは、この裏切りによる戦況の悪化を可能な限り抑えること。そして、部隊に残った部下達が、裏切り者の同僚と後ろ指を指されんよう、胸を張って生きられるようにしてやることだけじゃ・・・」
 痛みに必死に耐えながら、死を覚悟したもののみがもてる、すさまじいまでの鬼気を、ドミニクは全身から発して言葉をつむぐ。
 「じゃから・・・連絡将校殿・・・わしの、最後の望みを聞いてくだされ・・・!」
 連絡将校は、ふっと笑って、頷いた。
 「末期の頼み、聞けなくして何で漢と言えましょうや。私にできることなら、可能な限り!」

 
 第21ゲイルダン連隊の中央指揮所で、ジャービック・ドルマッサリー小将は舌打ちをした。
 「戦況が、思ったより好転しないな?」
 「は、プランAではダミアンは左翼全てを引き込める、との前提でしたが・・・報告によると良くて半分がいいところのようですね。」
 「プランC−2に変更、突入部隊6−5−3はダミアンの援護に回せ。」
 「了解。」
 「裏切りで惑星軍に動揺は見られないのか?」
 「は、少々お待ちください、調査します。」
 5分ほどして、結果が出た。
 「惑星軍は、裏切りではなく、DESTの工作員がドミナール砲撃隊の隊員と摩り替わり、メックを強奪した、という情報操作を行った模様です。」
 「なに?」
 「卑怯なドラコに報復を、としきりにプロパガンダを流していますね。」
 「確かに、それなら裏切りよりは動揺を抑えられるか。これで戦力比を3対9から2対10、5倍にまで持っていった上に動揺を誘って一気に踏み潰すつもりだったが。そううまくはいかんか。厄介なことになりそうだな。」
 実際、厄介なことになった。素早い通報と情報操作によって、ダミアン達の裏切りの影響はほどほどに抑えられたのである。さらに、ドミナール砲撃隊の生き残り達が、死兵となって壮絶な戦いを展開し、第21ゲイルダン連隊は大きな被害を受けていた。
 
 
 「くそ! 民兵達とは言え、なんて照準が甘いんだ!」
 ドミナール砲撃隊偵察小隊長、ジェローム中尉は、スティンガー2機となってしまった偵察メック小隊で、必死に間接砲の着弾観測を行っていた。敵勢力圏深くでの着弾観測は、機械化歩兵ではとてもできない危険な任務であり、それ故に効果は高い。彼は、この危険な役目を、喜んで享受していた。糊塗したとはいえ、裏切りという汚名を返上するには、これしかないのだ。
 だが、それにも限度がある。ようやく布陣を終えた民兵の間接砲撃部隊。正確な着弾観測でもなければとても使い物にならない錬度の低さ。当然ながら、ちゃんとした観測情報を送っても、しばしば誤射をやらかす。
 「だが、やらねばならん! ロビンソン士官学校で修行しているジェイムズのためにも・・・しまった!」
 味方の間接砲が、至近に着弾する。爆風に巻き込まれ、スティンガーの右脚部がズタボロになる。アラームがなり、脚駆動装置の不調を警告する。
 「くそ! 一旦下がるしかないか!」
 ジェロームは、損害報告をすると部下とともに撤退にかかった。
 
 だが、運は彼に味方しなかった。いや、ダミアンの裏切りとともに、ドミナール砲撃隊の命運そのものが尽きていたのかもしれない。
 
 「よう、ジェローム。」
 「ダミアン!」
 ダミアンの駆る重メックが、間接砲撃で巻き上げられた砂塵の中から現れる。ついで、さらに数機のメックも現れた。全て、裏切り者達のメックだ。
 「部隊全部を率いて裏切れなかったんでな。手土産が足りないんだとよ。」
 狂気にも似た目をしたダミアンが、吼える。
 「お前も寝返らなかった以上、親父と同じで俺を馬鹿にしているんだろう! 容赦はしない! 死んで俺の手柄になりやがれ!」
 ジェロームは、この戦いでダミアンに殺された。脚部に受けた損傷の影響で逃げきれなかったのだ。幸い救援がきたためにスティンガーは奪われなかったが、ドミナール砲撃隊は間接砲を有効に機能させるための切り札を失った。
 その後、戦況は悪化の一途をたどることとなる。
 だが、かろうじて、かろうじてだが、惑星軍の抗戦は、その目的を達した。
 大規模な増援が惑星外から来るまでの時間かせぎに成功したのである。ジャービック・ドルマッサリー小将は、これ以上粘っても得るものは少ないと判断し、撤退した。多くの戦利品を得たものの、作戦の失敗によってジャービック・ドルマッサリー小将は降格され、准将に落とされたのである。少将に昇進してわずか1年後の降格であった。
 


[463] 改訂版ジム&レナード1 投稿者:ミッキー 投稿日:2006/02/08(Wed) 01:18


恒星連邦ドラコニスマーチRamanPDZ内ベネットVは今、ドラコ連合の攻撃を受けていた。侵攻してきたのはジャービック・ドルマッサリー小将率いる第21ゲイルダン連隊を基幹とする混成師団だ。野戦を得意とするこの部隊は、短期間のうちに集結の間に合わなかった惑星軍を圧倒し、すでに首都付近まで迫っていた。ここを抜かれれば、ベネットVは落ちる。状態はそこまで切迫していた。
  
 危機的状況にあるベネットVを守るのは、惑星軍所属のバトルメック1個中隊・・・その全てが別の任地に出兵している本隊の予備機だ・・・と、傭兵メック中隊が2つ。そして2個大隊ほどの戦車、1個支援砲撃大隊や通常航空戦力を中心とした混成旅団である。急遽編成された民兵隊が旧式極まりない間接砲を配備されたりもしているが、集結すらままならない現状では数に入らない。

 防衛線の左翼を守る傭兵メック中隊の名は『ドミナール砲撃隊』である。間接砲支援下での戦いを得意とする、今の時代としては珍しい部隊である。その司令部では、今、深刻な会議が行われていた。

 「と、いうわけで、すでに交換部品は残り少なく、装甲ですら戦車用の備蓄をまわしてもらって応急修理している現状です。いかがいたしましょう?」
 中隊の整備兵を一手に預かるレオナール少尉が、中隊長のダミアン大尉を見て質問する。
 「うむ。連邦の補給部がまた物資の遅配をしていなければ、まだまだ持っていたはずなのだがな。」
 二人とも若い。レオナール少尉は30前、ダミアン大尉に至っては20台半ば、といったところだろうか。この年で、二人はメック中隊と整備兵隊を預かる身なのである。
 そのまま数秒レオナール少尉は待ったが、ダミアン大尉は続きを言わない。レオナール小尉は、ちらりと、ダミアン大尉の右斜め後ろに座る老齢の人物に目を向けた。ダミアン大尉の父、ドミニク元大尉である。

 「!!」

 その視線を見てとったダミアン大尉は、とたんに機嫌が悪くなった。また、「いつものパターン」になろうとしているのがわかったからである。案の定、即座に説教が始まった。
 「ダミアン。それでは命令にも回答にもなっておらんぞ。どうしようもない現状をぐだぐだ言うだけでは返事にならん。いや、会話になっとらん。そんな事では部下を不安にさせるだけじゃ! まず行うべきは現状の把握じゃ。物資の残存量と種類の確認、その物資で運用可能な期間、それが作戦の必要に耐えないなら物資調達方法の考案じゃ。そもそも部隊長たるものは・・・・」
 ドミニク元大尉は、ほんの半年ほど前、息子ダミアンに家督と部隊長としての地位を譲った。60近くになり、さすがにバトルメックの操縦や部隊長としての激務に耐えられなくなったからだ。故に、助言役としての役目に徹するようにしてはいるのだが・・・

 おとなしく引退した父の説教を聴きながら、ダミアンは心の中で毒づいていた。
 まただ。親父は引退したとか言いながらでしゃばりすぎる。
 部下達も古参の者たちは皆俺のことを軽んじている。
 俺の命令になど従わない。
 俺の命令を聞いた後、必ず親父の顔を見る。
 そして、親父がうなずくと、やっと問題の無い命令だと安心して従う。
 親父は基本的にわずかにうなずくだけだ。だが時折俺の命令を少し修正したり付け足したりしてから指示を出しなおす。そのたびに、部下達は陰で言う。
 やはりドミニク隊長は頼りになるな。
 若隊長は、どうにも頼りなくってね。
 ご隠居がいてくれてよかったよ。
 
 そのたびに、ダミアンは心の中で毒づいた。
 くそ、くそ、くそ! これでは誰が隊長だかわかりゃあしない!
 せめて叱るなら部下達のいないところでやってくれ! 部下の面前で叱責されるたびに俺の面子は丸つぶれだ!

 ダミアンは鬱屈していた。父を、古参の部下達を恨んでさえいた。
 父がそばについているのは、いきなり部隊を受け継いだダミアンが重圧で潰れてしまわないよう、心配してのことだとは気付いていない。もし間違った命令で部下達を死なせてしまったら。部隊が壊滅するようなことになったら。ダミアンは深く傷つき、指揮官として潰れてしまうだろう。そうさせたくない。そんな配慮に、気付いていなかった。
 弱小傭兵部隊ではごくわずかなミスが借金地獄への一本道となることも多い。故に、新米指揮官に完璧を求めるという無理難題。故に部下の面前だろうと命令の修正や叱責が必要だったのだ。
 しかし、ダミアンは、それが父ドミニクの、捨てきれない権力欲ゆえなのだと思っていた。
 父が厳しく指導するのは、ダミアンにより早く成長してほしいからだとは思わず、嗜虐心によるものだと思っていた。
 部隊を受け継いだ半年前と比べれば、格段に「命令を修正」される回数が減り、父のドミニクは頷くだけの場合が増えていることにも気付かないでいた。
 

 だから・・・ダミアンは、あの誘いに乗ってしまったのだ。


[462] (無題) 投稿者:ミッキー 投稿日:2006/02/06(Mon) 23:35

フィルトヴェルト士官学校
キルボーン士官学校
いずれも辺境で主に技術教育を中心に行っている士官学校。との名目だが、むしろ基本的な教育を与えられない人たちを教育するのが主目的とも言える。ちょっとイメージが違いますね。


移動学校
輸送任務に耐えないほど老朽化した航宙艦を改造した移動学校。
辺境で充分な教育を受けられない12〜13歳の少年少女に9ヶ月の集中的かつ高度な教育を与える。
ケンブリッジ、ワシントン、オックスフォード、ソルボンヌ、ノートルダム、トロンヘイムは南十字星境界域
ダカール、クラコス、カペラ境界域
ストラスブールはドラコ境界域、
ザルツブルクは修理中、ケネディは500人以上の人員と消失


[461] 『Reinforcements!』 投稿者:WEED 投稿日:2006/02/05(Sun) 22:40

ネタが浮かんでからモノになるまでちょっと時間がかかりましたが、なんとか書きあがりました。
問題点とかあれば、お教え願えれば幸いです。
なお同時に、BHSS用BBSにもUPしておきます。

――――――――――――――――――――――――――――――




『Reinforcements!』





 ユニオン級降下船ザムジード号のバトルメック格納庫では、たった今本日分の作業が終了した所だった。疲れた顔をした整備兵達が、三々五々散っていく。正直な話、予定された作業時間をかなりオーバーしている。ぶっちゃけた話、残業だったのだ。

 そんな中、2名の青年整備兵がふらふらとした足取りで、格納庫脇に設置されている整備兵詰所へと入っていった。彼等は詰所の扉を閉めたとたん、力尽きたように椅子に崩れ落ちる。彼等の作業ツナギには、大尉と少尉を表す略章が縫い取りされていた。彼等は整備兵たちの監督役なのである。だが彼等は、その階級に比してずいぶんと若い。二人とも、まだ20代前半ぐらいにしか見えなかった。彼等の顔には、疲労と寝不足による濃い隈が浮かんでいる。

 2人の内、やや年かさに見える方が、もう1人へ弱々しく問いを発した。



「……アントン、現在の進捗状況は?」

「40%弱の遅れ……。民生メックは他の星で使う事が前提になってない設計だから、調整に手間がかかるんだよね。それにさ……」

「民生メックは後回しでもいいんだぞ。次の任地で、訓練生が即座に実戦投入される可能性は低い。まあ、間に合えば使えるようにしておけ……と言う話だからな」

「うんにゃ、民生メック後回しにしても、まだ20%強のスケジュール遅れがあるんだわ。……アンジェリーク嬢ちゃんのバトルマスターだよ」

「あれか……」



 彼等の名は、大尉の方がバーナード・マッキンタイヤー、少尉がアントン・プレスコットと言う。ちなみにアントンの方は、中尉待遇勤務だ。彼等はそれぞれザムジード号に乗り組んでいる第3整備中隊の中隊長と、ザムジード号付き艦船整備兵兼整備中隊長補佐である。彼等は一般の整備兵達が作業を終えた後にも様々な雑務があり、まだまだ延々と残業を続けなければならなかったのだ。

 彼等の前にあるテーブルの上には、大量の書類が散乱していた。それらの書類の中で一際目を惹くのは、作業工程表……いわゆるスケジュール表である。本来見やすいように書かれているはずのその表は、赤ペンによる修正が大量に書き込まれ、目を覆いたくなる有様である。アントンは手元のプラコップからコーヒーを一口すすり、表にあらたな赤ペン修正を入れた。彼はぶつくさとぼやく。



「どうせ現状では部品足りないんだろ?直せない物に手をかけてもさぁ……」

「いや、上手く行けばメ……じゃ無い、次期任地にアレの補修部品が一足先に届いてるはず。『上手く行けば』な。貴重品だしな……。来てるかな……。
 まあそれはともかく、向うに着く前に直せる部分を直しておけば、着いてから最短の時間で修理が完了する」

「メ……って次の任地?まあ下っ端には到着直前になるまで明かせないのは分るけどな……。ま、いいけどさ。
 話戻すけどさ。ぶっちゃけあのバトルマスターが作業工程上でガンになってんのはアンタもわかってんだろ?どうしてもダメ?」

「こちらもぶっちゃけた話なんだが……。最低限見栄えだけでもいいし……もし可能ならば、多少は動かせるようにしておけと指示が来ている。バトルマスターのネームバリューは、外部の素人さん達にはやはり大きい。宣伝効果があるのさ。
 向こうのバカ貴族どもに睨み効かす意味でもげほごほげほっ!!」



 バーナードは噎せ返る。うっかりこう言う席で言うべきでない事を口に出しかけ、慌てたのだ。アントンは急いで、手元のプラコップを差し出す。



「おいおい、落ち着いてよ。ほらコーヒー」

「す、すまん……。んぐ、んぐ」

「あ。ゴメン。それ俺の飲みかけだった」

「ブハッ!?」



 アントンはバーナードの吹きだしたコーヒーで茶色に染まった。

 もう色んな意味でベタベタだった。






 アントンがタオルで顔を拭き終わった頃、彼等の耳に人の話し声が入ってきた。人数は二人。片方はどうやら砲兵小隊の指揮官、ゲオルグ・ノルトマン中尉のようだった。砲兵特有のキンキン耳に響く声でよくわかる。だがもう一人、おそらく老人らしい方の声には、彼等は聞き覚えが無い。



「お前さんみたいな腕利きの砲手が来てくれるとは嬉しいね。いや正直、心底嬉しい」

「だー、そんただ誉められっと照れっぺさ、ノルトマン中尉。おしょすぃじゃや」

「???……あー、はは。お前さんの御主人も、着弾観測員の資格や経験を持ってるそうじゃないか。頼りにしてるぞ」



 そして整備兵詰所の扉をノックする音が響いた。バーナードは返事を返す。



「……どうぞ?」

「失礼。ああ、ほらやっぱりここに居た。ほら准尉」

「失礼すますっ!第3整備中隊長マッキンタイヤー大尉殿と、中隊長補佐のプレスコット中尉待遇少尉殿だべすか?自分はこの度砲兵小隊がら整備部隊さ出向すますた、レナード・ドゥ少尉待遇准尉でありますっ!」



 突然の事にバーナードとアントンは驚く。だがアントンは、急に焦った表情をすると、テーブルの上に散乱している書類をひっかきまわす。やがて彼は、一枚の書類を引っ張り出した。



「ああ!あんたがレナード……さん?いや、新人が来るとは聞いてたんだ。けど新人だって言うから、てっきり若造が来るとばかり……。いや、こんないかにもなベテランが来てくれるなんて」

「おい、私は聞いてないぞ?」

「わりぃ。今朝方少佐から書面で通達があったんだが……。忙しくて忘れて……いや言い訳にもならねえな。本当、申し訳ない」



 アントンは頭を下げた。バーナードは少々不機嫌そうな表情をしていたが、すぐにそれは苦笑に変わる。そんな中、ゲオルグが声を掛ける。



「それじゃ俺はこれで。ドゥ准尉、これから忙しくなるとは思うが、原隊の方にも時々は顔を出せよ?」

「ほう。わがってっぺす。んではぁ、まだ今度」



 ゲオルグはメック格納庫を出て行く。それを見送ったレナードは、バーナード達に向き直った。彼はそのまま口を開きかけたが、ふとその視線がテーブルの上に留まる。そこには赤ペンで真っ赤に染まった、修正だらけの作業工程表があった。



「……ありゃ?……こりゃ、酷ぇなや。いってぇなんじょしたべさ?」

「あ、そ、そりゃ……」



 アントンは口篭った。バーナードは一瞬躊躇したが、頭を振りつつ答える。その口調には、苦い物があった。



「何、単純に腕前が足りないんだ。この第3整備中隊は、寄せ集めて新規編成されたばかりだ。このザムジード号には訓練中隊である第3中隊が乗っているからな。オヴィンニク、オルトロスはそれぞれ実戦部隊である第1、第2中隊を乗せている。そこに配備されている第1、第2整備中隊から、そうそう腕利きを引き抜くわけにはいかなかった。
 ……それでも、これがブラッドハウンドじゃなく他の傭兵部隊だったら、余裕で合格点を与えられる腕前の面々なんだがな」

「それに加えて、組織の新しい第3整備中隊じゃあ、個々の整備兵たちの連携も上手く行ってるなんて、口が裂けても言えない状況でさ。
 あとはブッ壊れたバトルマスターだよ。これの修理をできるだけ進めとかなきゃならねえんだよ。ほんとなら腕利きの乗ってる他の船に載せればよかったんだがな。他の船は実戦部隊とそいつらの予備メックとか戦車隊とか乗せたら、さっさと一杯になっちまって。
 あと、なんか詳しい事はよくわからねーんだが、なんか書類上このザムジード号とバトルマスターは扱いが一組になってるとか言う話でね。一緒になってると、寄港の際の手続きとかが楽なんだってさ」



 言い難かった事をバーナードが口にしてしまったため、アントンも気持ちの箍が外れたようだ。彼は一転して一息にべらべらと事情を話す。バーナードはそれを見て苦笑いした。一方のレナードは、妙な顔をしていた。だがすぐに彼は、ああなるほど……と言った表情になる。そしてレナードは口を挟んだ。



「んだばよぉ、マッキンタイヤー大尉。オラ方で、バトルマスター手伝うが?オレはぁ開発資格どがは持ってねぇどもよ、一応第2種、第1種、それど特殊資格はぁ持ってんべす。本当の専門はよ、偵察メックどがジャンプジェット周りどがだども、何とがなんべぇよ」

「「おお……!」」



 バーナードとアントンの顔色がやや明るくなる。彼等はつい半時ほど前には予想もしていなかった強力な援軍に、ほっと一息つけたのだ。その様子を見て、レナードはにやりと笑みを浮かべる。どうやらレナードは、クロフォード大佐やリリム少佐、整備大隊長のシェリル少佐達の狙いに、うすうす気付いているらしい。亀の甲より年の功とは、良く言った物である。

 大佐達がバトルマスターをこの船に載せたのは、実は適当な理由をつけてわざとやった事である。本来の業務以外に、難易度的には比較的容易でなおかつ面倒くさい仕事を与え、それを乗り越えさせる事でバーナード達や第3整備中隊の面々に、自信と連帯感とを持たせようとしたのだ。

 バトルマスターは今現在部品が手元に無いため、もともと完全な修理は不可能である。それ故、ある程度直っていれば充分にこの仕事は成功と言える。その事さえしっかり認識できていれば、実はたいした仕事では無いのだ。それに実際の話、他の船に載っているメックも色々と問題を抱えている。だから別にこの船の整備中隊ばかりが負担を抱えているわけでは無いのだ。

 しかしその内、バーナードは再び暗い表情になる。それに気付いたアントンもまた、複雑な顔になった。レナードは眉を顰めた。バーナードはぽつりと呟く。



「特殊資格、か……。凄いな。私はようやく第1種に手が届くかどうか、なのに……」

「……なじょしたべさ?」



 レナードは不審そうに問うた。言葉の意味はよくわからなくても、その様子で”どうしたのか?”と訊いているのは大方理解できる。

 バーナードは自嘲気味に苦笑して頭を振る。彼の苦渋を知るアントンは、つらそうに見つめていた。レナードはしばしそのまま待つ。本当なら指揮官であるバーナードが、初対面であるレナードにその内心を漏らすような事は無い。だが、今彼は心身ともに疲労の極みにある。また彼は大尉とは言え若輩でもあった。レナードの醸し出す好々爺じみた雰囲気に流され、バーナードは重い口を開き始めた。



「私は……大して腕があるわけじゃない。この新設の第3整備中隊ですら、私より上の腕の者は多い。そんな彼等を差し置いて、私が中隊長になるのはどのような物かと……」

「バーニィは――ああ、マッキンタイヤー大尉の事ね。大尉はさ、ついこないだ大尉になったばっかなんだわ。
 ウチの部隊が、何ヶ月前だったかな?この俺達が乗ってる降下船を手に入れてさ。で、ついこないだ正式にこの船が部隊編成に組み込まれたんだわ。そのあたりの詳しい経緯は、まあ追々」



 アントンは一息入れた。彼は淹れ直したコーヒーを飲み干す。深くため息を吐き出したその顔は、随分とやつれていた。



「そんでさ。整備大隊はそれまで降下船の数に合わせて2個中隊だったんだけど、これを3個中隊に分割、再編成してね。けど、第3整備中隊中隊長のなり手が居なかった。で、バーニィがいきなり大尉に昇進させられてね。同時に中隊長任命。
 おまけとして俺は、中尉待遇勤務にさせられてザムジード付き整備兵兼第3中隊長補佐。……ま、俺はまだいいんだけどね。俺がザムジード付きになったのは、まだそれに比べりゃ順当な人事だし。それまでもオヴィンニク付き整備兵の補佐だったから……」

「けれど私などが整備中隊長になっても、結果は見ての通りだ。この工程表……酷いよな、この遅れ。頑張ってはいるつもりなんだが……。
 所詮私では……」

「ごしゃぐなっ!!」



 突然、レナードが一喝した。砲兵特有の耳障りな大音量の怒声が耳に突き刺さる。バーナードもアントンも、目を丸くして硬直した。レナードの表情は、まるでクリタの伝統的建築様式にまれに見られる『オニ−カワラ』の様であった。

 だが、顰められていたその顔は、やがてゆっくりとクシャクシャな笑顔に変わって行った。レナードはゆっくりと、柔らかい口調で語りかける。



「怒鳴ってぇ失礼すますたべ。んだども、おめ様方よぉ。かっこ付け過ぎだでば。最初っがら上手ぐやろうったって、空回りするばりだ。大体よ」



 レナードはそう言って、真っ赤に染まった作業工程表を指差す。



「こんただぐらいの遅れで、なーに深刻さなってら?聞いだ話すだどよ、ブラッドハウンドだばこんただ遅れはぁ珍すぃらしいどもよ。はっきり言ってよぉ、当だり前だでば、この程度。こっから頑張ればよ、いぐらでも取り返し付ぐべや」

「は、はあ」

「む……」

「それによマッキンタイヤー大尉、おめ様……。整備の腕が悪いって言ってただども、だがら何だべや?上の人はぁ指示したりよ、計画はぁ立でだり、スケジュール管理すたりよ。それが一番大事だぁ。技術の事さ解ってんのに越した事はぁ無いどもよ。隊長にとって一番大事なのは違うべや。整備の事は最低限知ってらばよ、そんでかまわねんだ」



 レナードはバーナードの肩を、ぽんぽん叩く。皺だらけで傷だらけの骨ばった手だったが、それはバーナードにはとても柔らかく、暖かく感じられた。レナードは続ける。



「まあ、元々整備兵っつうのはよ、職人の徒弟制みでえな所あるども。んだがら、職人として技が無ば、普通はあんま上さは行げねえべ。んだども、それぁ不合理な所も有んべさ。大佐がマッキンタイヤー大尉を抜擢すたのもよ、プレスコット少尉を補佐さぁすたのもよ、皆を引っ張ってげる人材だど思ったがらだべや。そっちの方の才能ば有んべぇ、ど思ったがらだべよ」

「「……」」

「下の方の仕事ばよ、オラ方さ任すとぐべさ。おめ様はぁ、どっしりゆったり……っつう感じで構えでおげば、ええんだべすよ。
 それによ?」



 レナードは、すっかり冷め切ったコーヒーを啜りこむ。そして彼は顔を上げた。満面の笑みが、その顔に浮かぶ。



「また煮詰まった時にはよ。オラ方で良がば、何時でも愚痴でもなんでも聞いでやるでばよ。はは……」






「……じゃあ、本日の作業内容は以上。各自安全に注意して作業するように。では今日の重点注意事項!私達は指差し確認を怠りません!」

「「「私達は指差し確認を怠りません!」」」

「私達は声出し確認を怠りません!」

「「「私達は声出し確認を怠りません!」」」

「安全第一!安全第一!安全第一!!」

「「「安全第一!安全第一!安全第一!!」」」

「コムスター体操第1、はじめっ!」



 レコーダーから流れる音楽にあわせ、第3整備中隊が一斉に体操をはじめる。やがて体操が終わると、朝礼終わりの挨拶と共に彼等は自分の担当機へと散っていった。バーナードは足元に置いておいた資料を拾い上げると、作業の進行を監督するために各メックの繋留場所を巡回し始めた。

 そんなバーナードの所に、アントンが小走りで駆け寄ってくる。



「悪い悪い。朝礼、終わっちまったな」

「いや、かまわん。船の生命維持装置は正、副、予備があるとは言っても、3つとも万全に動いてるに越した事は無いからな。そっちの仕事を優先するのは当然だ」

「サンキュ。……それ、何?」



 アントンは、バーナードが抱えている書類のうちの1束を指差す。バーナードはその資料を引っ張り出すと、アントンに示して見せた。



「ドゥ准尉の家系の秘伝書、さ。特にジャンプジェット系や中軽量の機体、それにセンサー系に関する技術が多い。ひまを見て、隊のマニュアルに編集、挿入しないと」

「へぇ……。レナードさんみたいなベテランは、自分の技術の流出を嫌がるかと思ってたんだけどな」

「……いや、彼には後継ぎが居ないそうだ。このまま断絶してしまうよりは、どんな形であれ技術を継承してくれる方がいい、との事だよ。ブラッドハウンドの若者達のためになるならなおさらだ、と嬉しそうに言っていた。
 私も目を通している所なんだが、なかなか勉強になるよ。……技術者としての上達を諦めたわけじゃないし、な」



 そう言って、バーナードは笑う。アントンもそれを見てにやりと笑った。アントンは友人の様子に安堵していた。最近のバーナードは、心理的に安定している。悩み辛み全てが解決したわけでは無いのだが、それでも随分心に余裕が出たらしい。それに伴って彼の指揮ぶりにも安定感が増した。それにより部下の者達も働きやすくなり、作業効率も上昇している。残業もほとんど必要無くなっていた。

 バーナードは元々このぐらいの指揮能力は持っていたのである。だがこれまでは心理的プレッシャーが大きく、それにより能力が阻害され、発揮できずにいたのだ。だが今現在、第3整備中隊の歯車は上手く噛み合って回ってきていた。

 ふとアントンは、バーナードの眉間に寄った縦皺に目を留める。彼は一瞬不安に思ったが、だがさほど深刻な事態ではなさそうだ。アントンはバーナードに訊ねる。



「……何か心配事かい?」

「ああ、うん……。いや、一寸な」



 バーナードが渡したのは、先ほどのレナードの秘伝書だ。アントンはそれを受け取って目を通す。彼は固まった。



「……読めねえ」

「……だろう?」



 レナードの家の秘伝書は、彼の出身地の極めて訛の強い方言で書かれていたのである。目の前で喋られていれば身振り手振りや言葉の抑揚で、なんとなくかろうじて意味は取れる事が多い。だが書面でそれを理解する事は、とても難しかった。アントンは言った。



「う〜ん、こりゃ辞書が必要だよな……。『坊ちゃん』呼んでこいよ。あいつのスティンガーん所にいるだろ、きっと」

「うむ……。それしか無いか」



 レナードの主であるメック戦士ジェイムズ・フット准尉……彼はレナードから『坊ちゃん』と呼ばれている。その呼び名は、第3整備中隊内に定着しつつあった。だが彼はレナードからならともかく、他の者から『坊ちゃん』と呼ばれるのは気恥ずかしい。ジェイムズは彼が知らない所で、微妙に不幸になりつつあったりした。

 ブラッドハウンドの整備マニュアルに、恒星連邦東北部外れ近辺の方言辞典――お手製である――が添付されたのは、それからしばらく後の事であった。

――――――――――――――――――――――――――――――
(あとがき)

部隊再編には色々とトラブルもあるだろうな、とのお話です。
まあ、そこまで深刻な話じゃないんですが。
それと第3中隊に民生メックが何機かある事にしましたが、編成表に載ってますから大丈夫ですよね?


[460] 魅力的なお話、どうもありがとうございます 投稿者:WEED 投稿日:2006/02/05(Sun) 22:38

わざわざジム&レナードの過去話を感動的に書いてくださって、本当にありがとうございます。
修復作業がお忙しい中、本当に頭が下がる思いです。
各描写など、とても素晴らしいと思いました。

ところで『続 ジム&レナード 過去話』におけるレナードの方言ですが、レナードの台詞だけ此処にUPしましょうか。
それとも『続 ジム&レナード 過去話』全文を再UPした方がよろしいでしょうか。
なお、広島弁ではなく東北弁ですので(笑)


[459] (無題) 投稿者:ミッキー 投稿日:2006/02/05(Sun) 21:04

これで、ジム&レナードの過去話は終わりです。
なお、レナードの広島弁はミッキーの手に余るため、そのあたりはWEEDさんに修正をお願いしたく思います。
 お手数ですがよろしく〜〜〜m(_ _)m


[458] 続 ジム&レナード 過去話  投稿者:ミッキー 投稿日:2006/02/05(Sun) 20:59


恒星連邦は、大きく3つの宙域に分けられる。
ドラコ連合方面を防衛する「ドラコニスマーチ」
カペラ大連邦国方面を防衛する「カペランマーチ」
この二つに守られた「クルーシスマーチ」

ジェイムズ・フットの学ぶロビンソン戦闘士官学校は、ドラコニスマーチ主星、惑星ロビンソンにあった。
 この学校は、第一次継承権戦争でドラコ連合に惑星が奪われた最に叩き潰され、第2次継承権戦争時に奪回、学校の再建された。恒星連邦はこの学校の卒業生を基幹人員として選択した2個師団を創設することで大戦中の粘り強いゲリラ戦に報い、ロビンソン人たちを大いに満足させた。3020年まで完全な復興はなされなかったが、ロビンソンが好景気になったのを背景に、惑星公爵にしてドラコニスマーチ長官、ジェイコブ・サンドヴァル大臣がNAISの軍事科学部にも匹敵する学校にしようと奮闘中であり、新校舎の建設やあちこちから引き抜かれた教官の新任は日常の風景だ。
 だから、ジェイムズは、1機のスティンガーが運び込まれるのを見たときも、新規訓練機の搬入だとしか思わなかった。幼い頃彼にメックの構造や電子工学の基礎を叩き込んでくれたレナード・ドゥが会いに来るまでは。
 「こんなところまで来るなんて、どうしたんだい、レナード? 無茶しちゃいけないぜ? 確か、去年60になって息子のレオナールに跡目を譲って隠居したんだろう?」
 老骨に、惑星離脱や大気圏突入時の高Gは応える。年をとったものは、大抵安全な後方宙域の惑星上で余生を過ごすものだ。
 「そうも行かなくなりましてな、ぼっちゃん。」
 「なに?」
 「ドミナール砲撃隊は、全滅しました。」
 「な!?」
 「若隊長のダミアンが裏切って、ドラコ連合に下ったんですよ。それも、激戦の最中に!」
 契約期間が満了した後なら、敵側につこうととがめられない。それが傭兵だ。しかし、契約期間中に、それどころか激戦の最中に裏切ったとなれば、それは重大な裏切りだ。ジェイムズは逮捕されていてもおかしくない。それが、今まで何の知らせも無い。わけを問いただすと、レナードは元隊長ドミニクの最後を、ポツリ、ポツリと語った。
 「そういうわけでな。ドミニク様が何とかしてくださいましらそうじゃ。」
 「そうか・・・特殊メイクとボイスチェンジャーでダミアン大尉達に化けてメックを強奪したということにしたのか・・・」
 「中隊長家は潰れ、火力小隊長家は裏切り、ジェローム様がダミアンに殺された今、ドミナール砲撃隊の隊長は、坊ちゃんです。とはいっても、わしが知らせを聞いて駆けつけたときには、ズタボロのメックがわずかに3機残されていただけでしてな。ここに来る途中、なんとかフット家のスティンガーは修理しましたが・・・どうします、ぼっちゃん?」

 ジェイムズ・フッドは、残った者たちと話をし・・・部隊の解散を決めた。
 裏切り者達の離反に続く激戦で郎党達のかなりが死亡し、メック戦士も2人だけとなっていた。ジェロームは同期生に頭を下げ、彼らのほとんどに雇用先を世話してもらった。
 傭兵部隊という後ろ盾を失ったジムでは、彼らの生活を守れないからだ。レナードもその話を持ち掛けられたが固辞した。
 「息子がダミアン達に殺された今、わしには身寄りがありません。坊ちゃんに仕えさせてください。」
 レナードはジェイムズが一人前のメック戦士になるまでは死ねないと心に誓っていた。もう、心の支えとなるものは、ジェイムズしか残っていなかったのだ。
 学校に事情を説明したジェイムズは、残り少なかった修学期間を早めに切り上げ戦場に立った。ちゃんとした部隊に入隊したのではなく、そのつどフリーの傭兵を集めてやるような任務をこなしていったのだ。経験のない新米を無条件で受け入れてくれる条件のいい部隊は少ないからである。だが、フリーの傭兵の短期任務では、さすがの恒星連邦でも扱いが悪い。着弾観測員、間接砲撃手としての働きもできない。
 そんな時、彼らは、ブライスランドのコムスターの仲介オフィスで、実に魅力的な部隊を見つけ・・・・そして、カウツVに駐屯するブラッドハウンドへと向かったのである。


[456] ジム&レナード 過去話 投稿者:ミッキー 投稿日:2006/02/05(Sun) 11:56

若隊長:ダミアン大尉 26歳
老隊長:ドミニク元大尉 59歳
ジム父:ジェローム中尉 45歳 ジェイムズはロビンソン戦闘士官学校で修行中
整備長:レオナール小尉 29歳 レナードの息子
傭兵部隊ドミナール砲撃隊 左翼


恒星連邦ドラコニスマーチRamanPDZ内ベネットVは今、ドラコ連合の攻撃を受けていた。侵攻してきたのはジャービック・ドルマッサリー小将率いる第21ゲイルダン連隊を基幹とする混成師団だ。野戦を得意とするこの部隊は、短期間のうちに集結の間に合わなかった恒星連邦軍を圧倒し、すでに首都付近まで迫っていた。ここを抜かれれば、ベネットVは落ちる。状態はそこまで切迫していた。
  
 危機的状況にあるベネットVを守るのは、惑星軍所属のバトルメック1個中隊・・・その全てが別の任地に出兵している本隊の予備機だ・・・と、傭兵メック中隊が2つ。そして2個大隊ほどの戦車、1個支援砲撃大隊や通常航空戦力を中心とした混成旅団である。急遽編成された民兵隊が旧式極まりない間接砲を配備されたりもしているが、集結すらままならない現状では数に入らない。

 防衛線の左翼を守る傭兵メック中隊の名は『ドミナール砲撃隊』である。間接砲支援下での戦いを得意とする、今の時代としては珍しい部隊である。その司令部では、今、深刻な会議が行われていた。

 「と、いうわけで、すでに交換部品は残り少なく、装甲ですら戦車用の備蓄をまわしてもらって応急修理している現状です。いかがいたしましょう?」
 中隊の整備兵を一手に預かるレオナール少尉が、中隊長のダミアン大尉を見て質問する。
 「うむ。連邦の補給部がまた物資の遅配をしていなければ、まだまだ持っていたはずなのだがな。」
 二人とも若い。レオナール少尉は30前、ダミアン大尉に至っては20台半ば、といったところだろうか。この年で、二人はメック中隊と整備兵隊を預かる身なのである。
 そのまま数秒レオナール少尉は待ったが、ダミアン大尉は続きを言わない。レオナール小尉は、ちらりと、ダミアン大尉の右斜め後ろに座る老齢の人物に目を向けた。ダミアン大尉の父、ドミニク元大尉である。ドミニク元大尉は、ほんの半年ほど前、息子ダミアンに家督と部隊長としての地位を譲った。60近くになり、さすがにバトルメックの操縦や部隊長としての激務に耐えられなくなったからだ。故に、助言役としての役目に徹するようにしてはいるのだが・・・

 「!!」

 その視線を見てとったダミアン大尉は、とたんに機嫌が悪くなった。また、「いつものパターン」になろうとしているのがわかったからである。案の定、即座に説教が始まった。
 「ダミアン。それでは命令にも回答にもなっておらんぞ。どうしようもない現状をぐだぐだ言うだけでは返事にならん。いや、会話になっとらん。そんな事では部下を不安にさせるだけじゃ! まず行うべきは現状の把握じゃ。物資の残存量と種類の確認、その物資で運用可能な期間、それが作戦の必要に耐えないなら物資調達方法の考案じゃ。そもそも部隊長たるものは・・・・」
 おとなしく引退した父の説教を聴きながら、ダミアンは心の中で毒づいていた。
 まただ。親父は引退したとか言いながらでしゃばりすぎる。
 部下達も古参の者たちは皆俺のことを軽んじている。
 俺の指示になど従わない。
 俺の命令を聞いた後、必ず親父の顔を見る。
 そして、親父がうなずくと、やっと問題の無い命令だと安心して従う。
 親父は基本的にわずかにうなずくだけだ。だが時折俺の命令を少し修正したり付け足したりしてから指示を出しなおす。そのたびに、部下達は陰で言う。
 やはりドミニク隊長は頼りになるな。
 若隊長は、どうにも頼りなくってね。
 ご隠居がいてくれてよかったよ。
 
 そのたびに、ダミアンは心の中で毒づいた。
 くそ、くそ、くそ! これでは誰が隊長だかわかりゃあしない!
 せめて叱るなら部下達のいないところでやってくれ! 部下の面前で叱責されるたびに俺の面子は丸つぶれだ!

 ダミアンは鬱屈していた。父を、古参の部下達を恨んでさえいた。
 父がそばについているのは、いきなり部隊を受け継いだダミアンが重圧で潰れてしまわないよう、心配してのことだとは気付いていない。もし間違った命令で部下達を死なせてしまったら。部隊が壊滅するようなことになったら。ダミアンは深く傷つき、指揮官として潰れてしまうだろう。そうさせたくない。そんな配慮に、気付いていなかった。
 弱小傭兵部隊ではごくわずかなミスが借金地獄への一本道となることも多く、常に最善の道を選択しなければならないのに新米指揮官が敷き品kればならない、という無理難題な状況もあった。故に部下の面前だろうと命令の修正や叱責が必要だった。しかし、ダミアンは、それが父ドミニクの、捨てきれない権力欲ゆえなのだと思っていた。。
 父が厳しく指導するのは、ダミアンにより早く成長してほしいからだとは思わず、嗜虐心によるものだと思っていた。
 部隊を受け継いだ半年前と比べれば、格段に「命令を修正」される回数が減り、父のドミニクは頷くだけの場合が増えていることにも気付かないでいた。
 

 だから・・・ダミアンは、あの誘いに乗ってしまったのだ。


 第21ゲイルダン連隊長ジャービック・ドルマッサリー小将は、あせっていた。
 早く恒星連邦軍を全滅させ、この星を掌握しなければ、近々来るであろう敵の増援に対処できない。それ以前に、戦いが長期化すれば長期化するほど物資が足りなくなる。彼の指揮下にある師団は、毎日の食料などの生活物資だけで1日100トン近くを必要とする。弾薬や機械の交換部品、燃料等まで含めれば、日々費やされる物資の量は膨大なものになる。戦争とは経済活動だ。利益を得るに見合った投資で済まさなければ意味が無い。
 「急がねばならん。だが、正面からの力押しでは消耗が多すぎる。ならば・・・戦場で勝は下作。戦わずして勝は上策。最善なるは敵をも味方とすること。あれの進捗は、どうなっている?」
 「は、報告によると、昨夜急に態度を軟化させたとのことです。」
 「昨夜? 恒星連邦の連絡将校が物資の着服をしている可能性で揺さぶりをかけたのは、3日も前ではなかったか?」
 「は、そのあたりは不明です。が、向こうは条件を出してきました。ライラ側に配属してくれとのことです。」
 「ふむ、今までのスポンサーに武器を向けるのは気に食わんか。よかろう、その程度では腹は痛まん。」
 「了解しました。では、交渉を進展させます。」
 
 
 こうして、惑星防衛軍にとって悪夢の一日が始まった。
 その日は朝からドラコ軍に押されぎみだった。なぜかとる策とる策ドラコ軍に読まれ、あるいは罠を迂回され、何度も何度も戦線の後退を余儀なくされた。左翼を守るドミナール砲撃隊だけは、間接砲撃の支援の元良く健闘していたものの、昼過ぎには突然連絡が取れなくなったのである。
 
 防衛軍左翼最前線からわずかに奥まったドミナール砲撃隊野戦司令部兼補給ポイント。左翼の指揮をとり、装甲の交換と弾薬補給の拠点となる地点。そこから、火力メック小隊が再出撃していく。どのメックも、弾薬は満タンにしたものの装甲は完全ではない。ひどい打撃を受けた部分だけ装甲を交換しただけで、中枢の損傷も各所の細かい不具合もほうっての再出撃だ。完全に修理するほどの余裕がないのである。指揮小隊ですら、今日は2度の出撃をしている。今彼らは、指揮車両の中で会議中だった。

 ダン!
 ダミアンが、憤然と指揮卓をたたいた。ドミニクの説教をさえぎり、猛然と反論する。
 「親父。こんな時まで、部下の前で俺を叱り付けるのか?」
 ドミニクを見すえ、底冷えのする声で続ける。周りの部下達は、かつて無かった新隊長の反論に驚き、動けないでいる。
 「なんだと?!」
 「俺は、我ながら良くやってると思うぜ? 右翼も中央も後退しまくってるのに、俺のドミナール砲撃隊はこんなに持ちこたえてるじゃないか。俺の指揮は、こんなにも適切じゃないか! なのに・・・なのに!!」
 「馬鹿者! 底辺を見て自分がましだと満足してどうする! 我らのような弱小部隊はメック1機がかけただけで中隊にも満たない規模だからと足元を見られて契約条件を下げられる! おまえが指揮するようになってから予備メックは減る一方で」

    パン!

 ドミニク元大尉が、驚愕の表情で腹を抑え、くず折れる。腹を抑えた指の間から、とめどなく血が流れ出る。
 「やっと、踏ん切りがついたぜ。馬鹿なことはするまいと思っていたが。もうたくさんだ。」
 ダミアンは、うずくまり、動けないでいるドミニクに悲鳴のように叫ぶと、手に持つピストルで油断なく周りの者たちに向けて牽制した。
 「おい、お前等、俺と親父と、今すぐどっちか選べ! もし俺を選ぶなら、お前等全員正規軍に入れてやる。補給の心配もなく、弱小と馬鹿にされることも無い、維持費の欠乏に汲々とすることも無い生活を保障してやる! もちろん、地位は今以上のものが保証される。赴任場所も、ライラ方面だ。裏切り者といきり立って追ってくる奴らにおびえる心配も無い!」

 ダミアンはドラコのジャービック・ドルマッサリー小将率いる第21ゲイルダン連隊に寝返った。同じく代替わりして鬱積していた若者達や、腕利きだが新参で扱いに不満を抱いていた者等など、およそ舞台の半分ほどを率いて、である。

 「ダミアン・・・ダミアン・・・なんと愚かなことを・・・」
 「ドミニ大尉、無理をしないでください、すぐに治療を!」
 飛んできた恒星連邦軍の連絡将校が、指揮車両の式卓に収まったドミニク元大尉に懇願する。
 恒星連邦は、傭兵部隊に真摯な態度で向き合う。傭兵達の要望をできる限り聞こうとし、補給を正規軍に準じるほどに優遇し、命令も目標を伝達するだけで方法は傭兵達の指揮官にゆだねる。それが、優秀な傭兵部隊を惹きつける事になり、ひいては勝利に貢献すると信じるからだ。彼も、連絡将校の名に恥じない、実に誠実な人物だった。
 「わしは、多くの部下の死を見てきた。一発の銃弾で、成す術なく死んでいった者も多い。腹部大出血。この傷では、助かるまいよ。」
 キッと、指揮卓の戦況図をにらむ。
 「死の覚悟も、家が途絶える覚悟もすでに終えた。今のわしにできることは、この裏切りによる戦況の悪化を可能な限り抑えること。そして、部隊に残った部下達が、裏切り者の同僚と後ろ指を指されんよう、胸を張って生きられるようにしてやることだけじゃ・・・」
 痛みに必死に絶えながら、死を覚悟したもののみがもてる、すさまじいまでの鬼気を、ドミニクは全身から発して言葉をつむぐ。
 「じゃから・・・連絡将校殿・・・わしの、最後の望みを聞いてくだされ・・・!」
 彼は、ふっと笑って、頷いた。
 「末期の頼み、聞けなくして何で漢と言えましょうや。私にできることなら、可能な限り!」

 
 第21ゲイルダン連隊の中央指揮所で、ジャービック・ドルマッサリー小将は舌打ちをした。
 「戦況が、思ったより好転しないな?」
 「は、プランAではダミアンは左翼全てを引き込める、との前提でしたが・・・報告によると良くて半分がいいところのようですね。」
 「プランC−2に変更、突入部隊6−5−3はダミアンの援護に回せ。」
 「了解。」
 「裏切りで惑星軍に動揺は見られないのか?」
 「は、少々お待ちください、調査します。」
 5分ほどして、結果が出た。
 「惑星軍は、裏切りではなく、DESTの工作員がドミナール砲撃隊の隊員と摩り替わり、メックを強奪した、という情報操作を行った模様です。」
 「なに?」
 「卑怯なドラコに報復を、としきりにプロパガンダを流していますね。」
 「確かに、それなら裏切りよりは動揺を抑えられるか。厄介なことになりそうだな。」
 実際、厄介なことになった。素早い通報と情報操作によって、ダミアン達の裏切りの影響はほどほどに抑えられたのである。さらに、ドミナール砲撃隊の生き残り達が、死兵となって壮絶な戦いを展開し、第21ゲイルダン連隊は大きな被害を受けていた。
 
 
 「くそ! 民平達とは言え、なんて照準が甘いんだ!」
 ドミナール砲撃隊偵察小隊長、ジェローム中尉は、スティンガー2機となってしまった偵察メック小隊で、必死に間接砲の着弾観測を行っていた。敵勢力圏深くでの着弾観測は、機械化歩兵ではとてもできない危険な任務であり、それ故に効果は高い。彼は、この危険な役目を、喜んで享受していた。糊塗したとはいえ、裏切りという汚名を返上するには、これしかないのだ。
 だが、それにも限度がある。ようやく布陣を終えた民兵の間接砲撃部隊。正確な着弾観測でもなければとても使い物にならない錬度の低さ。当然ながら、ちゃんとした観測情報を送っても、しばしば誤射をやらかす。
 「だが、やらねばならん! ロビンソン士官学校で修行しているジェイムズのためにも・・・しまった!」
 味方の間接砲が、至近に着弾する。爆風に巻き込まれ、スティンガーの右脚部がズタボロになる。アラームがなり、脚駆動装置の不調を警告する。
 「くそ! 一旦下がるしかないか!」
 ジェロームは、損害報告をすると部下とともに撤退にかかった。
 
 だが、運は彼に味方しなかった。いや、ダミアンの裏切りとともに、ドミナール砲撃隊の命運そのものが尽きていたのかもしれない。
 
 「よう、ジェローム。」
 「ダミアン!」
 ダミアンの駆る重メックが、間接砲撃で巻き上げられた砂塵の中から現れる。ついで、さらに数機のメックも現れた。全て、裏切り者達のメックだ。
 「部隊全部を率いて裏切れなかったんでな。手土産が足りないんだとよ。」
 狂気にも似た目をしたダミアンが、吼える。
 「お前も俺に従わなかった以上、親父と同じで俺を馬鹿にしているんだろう! 容赦はしない!」
 ジェロームは、この戦いでダミアンに殺された。脚部に受けた損傷の影響で逃げきれなかったのだ。幸い救援がきたためにスティンガーは奪われなかったが、ドミナール砲撃隊は関節砲を有効に機能させるための切り札を失った。
 その後、戦況は悪化の一途をたどることとなる。だが、かろうじて、かろうじてだが、惑星軍の抗戦は、その目的を達した。大規模な増援が惑星外から来るまでの時間かせぎに成功したのである。ジャービック・ドルマッサリー小将は、これ以上粘っても得るものは少ないと判断し、撤退した。多くの戦利品を得たものの、作戦の失敗によってジャービック・ドルマッサリー小将は降格され、准将に落とされたのである。
 


[455] いまだ修復方法わからず。 投稿者:ミッキー 投稿日:2006/02/04(Sat) 20:42

感想相談掲示板、いまだ修復方法わかりません。
今夜と明日も挑戦してみるつもりですが、だめだったら力技を使用して復旧することになるかもです。

WEEDさんへ
こちらにも乗せていただいてありがとうございますm(_ _)m。
掲示板の不調でSSをいつまでも止めておくのもなんですので、だめでしたら上記のようにしたいと思います。


[454] NPCデータ修正 投稿者:WEED 投稿日:2006/02/01(Wed) 22:16

感想相談BBSのかわりに、暫定的にこちらを使うようにとの事でしたので、こちらにNPC修正データをUPさせていただきます。
前回感想相談BBSにUPしたものは<指揮・命令>技能が高すぎたので、3レベルにまで落としています。


名前:バーナード・マッキンタイヤー
職業分野:整備兵 出身:恒星連邦 性別:男 年齢:24
所属:BH整備大隊 階級:大尉

主要技能:
<補修・整備=メック/L3>
<指揮・命令/L3>


備考:
ザムジード号整備中隊新任中隊長。
降下船が増えた事により、それに乗り組む整備中隊を編成。
そのため急遽、大尉に昇進させられて中隊長にされた。
整備能力そのものよりも、まとめ役としての能力や事務処理能力を買われての任命。
その事が整備士としてのコンプレックスになっている。
同時に大尉の階級や中隊長の職責は分不相応であると思い、大きなプレッシャーを感じている。


名前:アントン・プレスコット
職業分野:整備兵 出身:恒星連邦 性別:男 年齢:21
所属:BH整備大隊 階級:少尉(中尉待遇)

主要技能:
<補修・整備=艦船/L4>
<指揮・命令/L2>


備考:
ザムジード号付き降下船整備士兼整備中隊長補佐。
元々はオヴィンニク号付き整備士の補佐。
それが引き抜かれてザムジード号専属となる。
更に彼は、経験が少ないマッキンタイヤー大尉の補佐も命じられた。
急に増えた仕事量と責任の重さに内心悲鳴を上げている。


[453] 告知 投稿者:ミッキー 投稿日:2006/02/01(Wed) 22:15

感想相談掲示板Wの調子が悪いため、なおるまで暫定的にこちらの掲示板を代行として使用いたします。
感想相談掲示板Wに書き込みたいけどだめだった、という方は、当面こちらのほうに書き込んでください。

なお、以前どおりの雑談用掲示板への書き込みも問題ありませんので、お気軽にどうぞ。


[452] (無題) 投稿者:ミッキー 投稿日:2006/01/22(Sun) 19:49

お久しぶりです、Mt.fujiさん。
最近、やっとバトテ分が補充されつつあり、ぼちぼちここでの活動も再開しようかな? 
 という状況です。
 ご質問にお答えいただき、有賀とございました。
 
 株は・・・・えっと(汗)


[451] おひさ 投稿者:MT.fuji 投稿日:2006/01/20(Fri) 07:42

バタバタしてたのがようやく落ち着いてきました

>ミッキーさん
>何の会社
製薬会社です
下のは医者と話す為に各種詰め込まれてた内、消化器系の勉強の際の内容ですな
その研修の最中の健康診断というか不調から発覚したのです……凄く悔しい

しかし、今騒動になっている株式は悔しいなあ…
あの時手続き面倒臭がらずに買ってれば今頃数億にはなってたのに……予想当たってたのになあ


[449] (無題) 投稿者:ミッキー 投稿日:2006/01/02(Mon) 19:11

あけましておめでとうございます(^^)
内容見てるとSテックと違和感無くていい出来だと思いましたよ〜〜〜


[448] あけましておめでとう 投稿者:狼牙改 投稿日:2006/01/01(Sun) 22:07

明けましておめでとう。
そして冬コミに参加された方々お疲れ様。
今回は西の20にて新刊委託販売しておりました。
正直は売れ残るだろうと考えていましたが、何の間違いなのか用意した販売用が全て完売してしまい驚いてます。
来てくださった方、購入された方本当にありがとうございます。
あと、再販する予定はあります。
ちなみに自分用はこれから作ろうかと思ってます。


[447] コミケ情報 投稿者:ミッキー 投稿日:2005/12/22(Thu) 21:50

カタログを買ってきたのでちょっと告知。
12月29日(木)、30日(金)にコミックマーケットが東京ビッグサイトにて行われます。
各種同人資料をゲットするチャンスですので、良かったら挑戦してみましょう。
バトルテックサークルがあるのは12月30日『西館』です。
以下に、確認したサークルスペースを紹介します。



西の21
サークルウォーハンマー
 メックセッターシリーズ、テクニカルリードシリーズなどをだされております。
 ヘビィ&アサルト再販、氏族本の予定
 在庫があればエアロテックUも置いてあるかも?

西の20
ギャグ&ストレートジャケット
Sテックという、バトルテックの隙間を埋めるようなオリジナルルール集を出され続けておられます。また、メック親父なる怪しげな本も秀逸です(w
今回主催者のM−鈴木さんが一時入院なさったため、新刊なしになるかも、とのことです。

西の21
降魔兵団
オリジナルメック本、考察本、艦船ガイド(翻訳)などを出しておられます。
新刊は艦船ガイド とのことです。

西の21
サークルXaos
GI★JOE本
ZOIDSOOEXとのことです。

西の22
DesertGuppy
シナリオ集、各種ハウスブック、エアロテックT、U、など等、多彩な翻訳活動をしておられます。
新刊はデータ集等との事

西の22
EAST WIND
バトルテックでゾイドをやるための改造ルール、データ集等を出しておられます。
今回夏コミで落ちた新刊をがんばるとの事。期待しましょう(w


アクセス等
東京駅から直通バスで行くのが最もわかりやすいでしょう。
行列の後ろについていけば自然とコミケにいけます(w
なれていない方は会場時間である午前10時過ぎに会場に到着する程度の気持ちで行くといいかと思います。
早く行って並んでも、入場時間にさほどの差はありません。せいぜい1時間半程度でしょう。
風邪をひかないように、保温対策はしっかりとしていったほうがよいと思われます。


[446] 告知 投稿者:ミッキー 投稿日:2005/12/15(Thu) 20:47

バトルテックの大御所、M-鈴木さんが体調を崩し入院なさったそうです。
冬コミの新刊はお流れになるかも、だそうです。


[445] (無題) 投稿者:ミッキー 投稿日:2005/12/03(Sat) 22:35

アッシマーモビルアーマーモードにギャンを乗せて。
うむ、いい感じだ。

さておき、お久しぶりです、お二方。
お掃除してみました。
うむ、そろそろコミケの季節ですね〜〜〜
準備も徐々にしないと。


[444] (無題) 投稿者:HC-V] 投稿日:2005/12/02(Fri) 13:27

「ビックリ!!タマキンで空を!?」(平野風挨拶)

お久し振りです。

最近、別の事に手を出しちゃって、小説が遅れてます…
設定は一応最後まで考えたんで、あとは書き進めればOKなんですが。

…あと、SSの部屋にゴミがいっぱいありましたよ。


[443] お久しぶり 投稿者:狼牙改 投稿日:2005/11/29(Tue) 14:10

米・米・米。
職場に米が溢れてる。
これを全部一人でさばけと?
物流だから後回しにするわけも行かない。
ヤケクソじゃー!!!!

と、国会で民営化が決まった職場からこんにちわ。
仕事めちゃくちゃ忙しいです。
でも、バトルメックは続けてます。

>レオンさん
 頑張ってください。
 こちとらもオリジナル小説書いてるところです。
 賛同者の意見を取り入れまくったからチャンポンになった。

○おしらせ。
 冬にはバトルテック本出します。
 場所はM−鈴木さんのところ。
タイトル「偽S−TECE」
 16ページ、コピー本、多分売れ残ると思う。


[442] (無題) 投稿者:ミッキー 投稿日:2005/11/26(Sat) 19:05

研修・・・えっと、入社前に仕事を覚えるための研修、だったのですか?
そこで、研修を受けてる間に体を壊した、という話の流れでしょうか?

しかし。こんな研修内容って、
・・・・何の会社なのでしょうか(汗)


[441] こんな事を習う研修でした 投稿者:MT.fuji 投稿日:2005/11/25(Fri) 21:59

・何故食事をすると眠くなるか?

人間には交感神経と副交感神経とがあります
この内、一般に人間がおきている時、動く時に使用しているのが交感神経であり、逆に身体を休めている(寝てる時とか)に使用しているのが副交感神経となります

さて、殆どの能動的な行動は交感神経が主体となりますが、例外があります
それが消化器系の内臓です
消化器系の内臓は副交感神経によって活発化します
裏を返すと、食事をすると当然胃腸が働き出します。すなわち副交感神経が動き出します
ここで問題なのは、基本的に人間の身体は交感神経と副交感神経のどちらか一方だけが動くという事です
従って、副交感神経が活発化すると、交感神経は逆に活動を押さえます
結果として、人間の身体は睡眠の時に動いている神経が支配する形となり、眠くなるのです


[439] (無題) 投稿者:ミッキー 投稿日:2005/11/21(Mon) 02:07

レオンさんへ
一通り掃除しておきました。
いやはや、すぐにたまるなと思いながらの作業でした。

MT.fujiさんへ
そうですか、それは残念な結果ですね。
本当に、体が丈夫でないときついですよね。
私の友人の一人も体を壊して長期入院するはめになり職を失いました。後遺症で2年ほどまともに働けませんでした。
今は何とかぼちぼち・・・・といった程度の体調なのですが・・・
MT.fujiさん、ご自愛なさり、良い職が見つかることをお祈りします。
今後ともよろしゅうに(^^)


[438] がっくり 投稿者:MT.fuji 投稿日:2005/11/20(Sun) 01:08

私の方は新たな職場が決まったと思ったら、体調崩してあっさり採用取消

……そりゃメインの仕事に支障が出る事だから仕方ないんだけどさ(涙


[437] 近況。 投稿者:レオン 投稿日:2005/11/19(Sat) 16:47

現在、職場の同僚と共同でオリジナルの小説を構想しています。
内容は、剣と魔法の世界とリアル系を合体させた上にSFとアクションをミックスしました。
かなりごちゃ混ぜですが、何とかなるでしょう。
ただ、相方の方が現在シンの同人ネタにハマッているので開店休業状態です。


[436] やっと直りましたね。 投稿者:レオン 投稿日:2005/11/19(Sat) 16:34

いやー、3ヶ月ぶりですね、ここに書き込むのは。
早速ですが、感想掲示板も含めてゴミがあちこちにあります。
何とかしてください。


[435] (無題) 投稿者:ミッキー 投稿日:2005/11/17(Thu) 15:48

おし、修理完了!


[434] (無題) 投稿者:ミッキー 投稿日:2005/11/17(Thu) 15:40

テスト2


[433] (無題) 投稿者:ミッキー 投稿日:2005/11/17(Thu) 15:40

修理テスト


[432] 現在の予定 投稿者:狼牙改 投稿日:2005/08/25(Thu) 04:27

初めてメックを改造した時のお話。
再生されたシカダが周りの期待を裏切りまくる大活躍する。
一本目「生まれた時から反逆児」
あと、NAISからの視察に来たお客様がへこみまくる話。
泥沼化の果てに敵の主力が連邦セット、対するこちらが連合セットになった戦場。
大破したメックもニコイチですぐに再生される日常。
ふざけた部隊名とそれを裏切る戦闘力の傭兵部隊。
全く参考にならない奇天烈改造メックの腐海の森。
「泥沼戦地ご見学ツアー」
の二本立て。


 

 

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