遠くではまだ戦勝パーティの喧騒が聞こえてくる。
それを背に、アルベルト・シュトラウス少尉は愛用のソラトビーバリを取り出し
た。
レクイエムが流れ出す。
大地に倒れ伏すアースウォリアーに向けて。
それを駆っていた今は無き友へ向けて。
「アルベルト?」
後ろから声がする、アルベルトは曲を止め振り返る。
そこにはホンユイとモーラが立っていた。
「・・考える事は同じアルな」
ホンユイの言葉に彼は無言で同意する。
それを受けてホンユイが手にした袋から数多くの紙細工を取り出し、アースウォリ
アーのそばに並べて行く。
アルベルトはそれを目にしながら演奏を再開する。
再び流れ出したレクイエムの中、紙細工に火がつけられた。
紙細工は赤々と燃え上がり、闇を照らし出す。
その明かりを使い、モーラが手にした本を読み上げる。
『汝は塵ゆえ塵に帰る・・死者に意識は無いのだから・・あなたは眠り横たわる、
その解放が来るまで・・』
それぞれの弔いが、闇へと飲み込まれて行く。
それは戦場のありふれた一部、何処にでも存在する光景。
永久に眠りし仲間へ
そしてけして目ざめぬ友へ