正太郎さんの提供によるマディックの詳細設定です。
SS書きの参考にしてください。
 

彼は(SS)より「ツェロメロ兄弟」からもメック操縦技術を学びつつ成長しました。
但し、技術・技量的観点ではともかく、人格的には容認し難く考えていたようです。
(こう言った反応は決して珍しいものではありません。小学2年生が友人に誘われて、生まれて初めて(ゆまり何の偏見もなく)教会 に話を聞きに行き、牧師の愉説に対し猛烈な矛盾と欺瞞と疑問と憤懣を感じつつも己の語彙の不足から牧師への質問全てがはぐらかされても追求出来ず、そこへ誘った友人を置いてその場を飛び出し、何の因果か10数年を経て再度その牧師と出会い、宗教の概念について激論を闘わせる事だってあるのです。・・・・いえ、何を隠そう、わし自身の話なんですが。おかげで仲間内では一時「ダミアン鈴木」と言うイカス、某漫画描きのような愛称も頂きました。閑話休題)
 家訓的に言うと「ブシドウ」を軽んじるべき家系にありながら、それを重んじる性格だったのでしょう。
彼の斜に構えた態度(徐々に薄れつつあります)と、それでいてドラコ連合で目の当たりにした行為を正当化出来ない性格はそこで醸成されたと思われます。
もしかするとその(良くも悪くも女性的)陰険さは片親だった事を意味しているのかも知れません。

彼はMWとしての技量もさることながら、偵察兵的素質にも恵まれており、特殊部隊への編入を前提とした予備訓練部隊に配属さ れそこで様々な任務に従事します。
恐らく17からメックを受け継いだとして20頃の話になるでしょう。この時点で士官養成学校卒業相当の資格は与えられていますが、教育内容が特殊であり、他の一般的なそれとは異なるとしておきましょう。
この時、某惑星に防衛任務の援軍として派遣されるのですが、彼等が到着するのとほぼ同時に戦況は挽回不可能なまでに悪化してしまいます。
その結果、彼等は軌道からの降下中に誘導を失い作戦地域の広い範囲に分散降下すると言う事態に陥ります。
その殆どのMWは各個撃破されましたが、一部のMW達は合流を果たしつつ作戦遂行地点への移動を開始します。
特に優秀な(もしくは運の良い)臨時編成の小部隊や機体は、途中出会った(これも)小規模な捜索隊を、ある時はかわし、あるいは撃破しながら前進を続けたと言う事です。
状況は降下8時間後、劇的な変化をみせます。
戦況の打破が絶望的になった事を駐屯部隊から通達された方面司令部は「しかるべき行為と共に撤退」する事を下命します。
それは惑星上の建設施設や人口密集生活可能環境・港湾施設・水資源等を侵攻してきたライラ軍に利用されない為の非情な命令であり、しかしドラコに於いては「比較的」普遍的に採られる作戦です。
マディックは小隊規模での移動中にこの命令を受けて破壊工作に赴く途上の特務隊に出会い、徴用されます。
しかしその任務の内容を偶然知った時、小隊の仲間と共に作戦阻止を決意、特務隊と戦闘しつつライラ軍にその事実を通報(漏洩?)しました。
その時の小隊の仲間は全員戦死(機体から脱出後、なぶり殺しに遭うのをそう呼んで構わなければですが)し、彼一人が生存を果たしました。
残念な事に通報は完全に間に合った訳では無く、可成りの人命や貴重な施設が失われましたが、少なくとも一部では対応が間に合い、破局は避けられました。

 彼を拘束したライラ軍の傭兵部隊は、彼の行為の有効性を認め、しかし身の安全に考慮して事態を公にせずに表向き捕虜として遇します。
 この傭兵部隊は彼と彼の仲間と特務部隊の機体を「無法者との戦闘」と言う名目と重要施設を破壊から救った功績から受領。
 マディックの機体については修理した上で返還し、一度その傭兵部隊に編入します。
そしてその後彼の自由行動を認めて解放しました。(ライラ共和国軍所属傭兵部隊「ヒムロ大隊」です)

 一時はあの場に留まり、地位をあげ、上層部からの改革を目指した方が良かったか?とも考えたようですが、現地の戦闘記録を(当然非合法に)調べるうちにあの時自分と同じ立場になり、そのまま任務に従事したらしい仲間は特務部隊の手で始末されていた事を知ります。
又、自分は脱走兵として扱われている事もこの時知る事になります。(ちなみに未帰還の機体の内、敵との戦闘で失われたもの以外全てそう発表処理された様です、彼の両親はこの時点で引責処罰の対象になってしまっています。既に鬼籍に入っています。)

その時から彼はドラコとの関わりを絶った環境で生きる事を決意し、カペラ大連邦へと流れます。(かつての仲間と戦闘する事に抵抗感があったのです)
そして当時のクロフォード中佐に傭兵として雇われる事になります。
そこで彼は衝撃を受ける事になります。
カペラとドラコの相互支援(主にLAMの運用に関わる密約です)でカペラに赴任してきた士官は、間違い無くかつての仲間でした。
そして彼の伝達した作戦内容にマディックは慄然とします。
既に彼等は「優秀で任務に忠実なドラコ軍人」に変貌していました。
 

なお彼には、ユミナと言う女性に生ませた「セイ」という名の一粒種の息子がおり、2人とも部隊と行動を共にしている。